映画『九龍ジェネリックロマンス』が8月29日(金)より公開。誰もがなぜか“懐かしい”と感じてしまう九龍城砦を舞台に、過去と現在が交錯するミステリー・ラブロマンス。W主演となる、吉岡里帆さんと水上恒司さんによるクロストークをお届け!

ノスタルジーに満たされる“あの場所”
懐かしいって感情は、きっと恋と同じ——。眉月じゅんさんの「九龍ジェネリックロマンス」(集英社「週刊ヤングジャンプ」連載)は、読み手の心の奥をやさしく刺激する大人気漫画。TVアニメに続く実写映画が、うだるような暑さが続く8月末に公開する。
吉岡里帆さん演じる過去の記憶がない鯨井令子と、水上恒司さん演じる誰にも明かせない過去をもつ工藤発による、切ないミステリーと極上のラブロマンスが、甘く心地良い風を運んできてくれる。かつて香港に存在した美しくも妖しい街 “九龍城砦”が舞台であり、その風景を再現するため、今なお狭く雑多な路地裏など古い街並みを残す台湾で撮影が行われたとあって、汗ばむような湿度の高さが伝わってくる濃厚さが漂うシーンの数々に自然と感情移入してしまうはず。

本作の魅力は?
吉岡里帆さん(以下、敬称略) 眉月先生が描くミステリーと恋愛ものが絶妙な塩梅で混ざり合ったストーリーと、鯨井令子というキャラクターに惹かれました。過去の記憶がないことに加えて、“令子”と“鯨井B”の二面性を持っていることが面白いなと思いましたし、九龍という架空の場所で織りなす恋愛模様が今までにない作品だと感じてやってみたいなと感じました。
水上恒司さん(以下、敬称略) 僕も工藤という男に魅力を感じました。ガサツな印象でカッコつけるのに肝心なところで泣いたりもする。でもそういう弱さ込みで、なぜか令子は惹かれて(笑)。読者のひとりとしても、工藤に共感し、惚れていく不思議な魅力を感じました。
吉岡 そして、原作はまだ連載が続いているんですよね。映画は上映時間の都合もあって原作やアニメのように細部まで描くことが難しいので、どう脚本に落とし込むのかは気になる部分でした。でも、眉月先生が「映画とアニメと原作は、全部別モノとしていいと思っている」と言ってくださり、その言葉のおかげで映画ができる“ならでは”を現場で作っていきたいと思いました。
それぞれの役作りについて
水上 34歳の役か、と思いました。だからこそ「やってみたい」と。工藤は僕が今まで演じたなかで最高齢だったんです。なおかつ、生活臭が感じられる34歳。「どうしようかな」と思ったんですが、同時に当時25歳の僕にそんな役をオファーしていただいたという期待にうれしく思いました。
吉岡 私は「令子は全部が初めてに感じられる赤ちゃんのような人にしてほしい」という池田(千尋)監督からのオーダーを大事に、常に意識して演じました。過去の記憶がない役どころだったので、リアクションや雰囲気など悩みながら撮影していましたね。
水上 僕は工藤というキャラクターを解析することが大事だと思いました。一見、工藤が令子のことを抱きしめているように見えるんですが、実は“抱かれにいっている”という機微を大事にしていました。

九龍独特の色気
吉岡 原作にはすごくセクシーな雰囲気があって。特有の色っぽさがキャラクターから感じられたので、映画でもムードのひとつとして出していきたいと思っていました。ロケーションも、風土としてじとっと汗ばむ感じがして、狭い場所でのやりとりだから距離感が近くて。ストーリーとしては爽やかな会話なのに、どこかセクシーに見えるような雰囲気が伝わっていたらうれしいです。
水上 とある人が「色気とは、相手の痛みが分かることだよ」と言っていたんです。工藤は悲しい過去、すなわち痛みを持っているキャラクターです。工藤を演じた僕に色気みたいなものが感じられたなら、工藤の痛みを理解できたということなのではないかと思います。
撮影中の過ごし方は?
吉岡 現地のスタッフさんが入ってくださっている日は、朝から7、8種類も食事を用意してくださるんです! デリバリー文化が発達しているから、出来たてほやほやの朝ごはんをいただくことができて。そんなこと初めてで感動しました。
水上 日本の現場もそういうところを導入したいですよね。ご飯が美味しいって大事だから。僕はカエルのスープが美味しくて印象に残っています。
吉岡 食べた! 美味しかったよね!
水上 でも、蛇沼みゆき役の竜星(涼)さんは頑なに食べなかった(笑)。
吉岡 それでも水上くんが無理矢理食べさせようとしていたよね(笑)。
【2025年8月29日(金)公開】映画『九龍ジェネリックロマンス』

キャスト/吉岡里帆 水上恒司
栁俊太郎 梅澤美波(乃木坂46) 曾少宗(フィガロ・ツェン) 花瀬琴音
諏訪太朗 三島ゆたか サヘル・ローズ / 関口メンディー 山中 崇 嶋田 久作
竜星涼
原作/眉月じゅん「九龍ジェネリックロマンス」(集英社「週刊ヤングジャンプ」連載)
企画・配給/バンダイナムコフィルムワークス
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吉岡里帆(よしおかりほ)
1993年1月15日生まれ、京都府出身。連続テレビ小説「あさが来た」(16)、ドラマ「カルテット」(17)の好演で注目を集める。『ハケンアニメ!』で第46回日本アカデミー賞優秀主演女優賞、『正体』で第48回日本アカデミー賞最優秀助演女優賞などを受賞。その他の出演作に、映画『見えない目撃者』(19)、『泣く子はいねえが』(20)、ドラマ「しずかちゃんとパパ」(22)、「ガンニバル」(22・25)、「御上先生」(25)などがある。今秋には夜ドラ「ひらやすみ」がOA予定で、2026年NHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」では主人公の豊臣秀⻑の妻・慶を演じることが発表されている。
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水上恒司(みずかみこうし)
1999年5月12日生まれ、福岡県出身。2018年、ドラマ「中学聖日記」で俳優デビュー。映画『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』で第47回日本アカデミー賞優秀主演男優賞を受賞。その他の出演作に、映画『弥生、三月-君を愛した30年-』(20)、『望み』(20)、「⻘天を衝け」(21)、『死刑にいたる病』(22)、「真夏のシンデレラ」(23)、『OUT』(23)、「ブギウギ」(24)、『八犬伝』(24)などがある。今年10月に『火喰鳥を、喰う』、12月に『WIND BREAKER/ウィンドブレイカー』が公開予定。
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