阿佐辰美の秘める芝居愛「ようやくやりたいことに辿り着いた」

映画好きの青年が憧れの演劇界へ。作品ごとに美しい花を咲かせる阿佐辰美さんは、真っ直ぐで清廉なひと。お芝居への愛と1月31日（金）に公開される映画『遺書、公開。』の見どころをインタビュー！

「プライベートもお仕事も地続き」

ワッフル編みクルーネックニット¥4,990／ITEMS URBAN RESEARCH

19歳のときに、俳優を目指して大阪から上京し、今現在、話題作に続々出演している俳優・阿佐辰美さん。気になるプライベートはひとりで過ごすことが多いそうで。

「ひとりでふらっと出かけることが多いです。目的地を決めずに散歩に出たりすることもあります。とりあえず家を出るけど、行きたいところが決まらないときは、自然と映画館に向かっていることも。映画もご飯もひとりが楽！　台本を覚えるときは家よりもカフェや喫茶店で読み込むことが増えました。作品によっては、原作を読んだりノートにまとめたりしています」

映画が大好きという阿佐さんは、普段から映画をよく観るそう。念願だった芝居の世界に入り、その熱はさらにアップしたのだそう。

「お仕事とプライベートの境界はあまりないです。プライベートでの“嬉しい”や“悲しい”という僕自身の感情の動きもお芝居に活かせるのではないかと、常にお芝居のことを考えているかもしれないです。映画もストーリーはもちろん、『この人のお芝居が好きだな』という視点で観るようになりました。でもそれは、勉強という感覚ではなく、ずっとやりたかったことなので楽しいんです」

そんな彼の最新作は1月31日（金）より公開される映画『遺書、公開。』。クラス内の序列がもたらす人間の本性を描いた衝撃のドス黒エンタメミステリーとして期待が高まる本作。

「高校生役はこれまでも何度かやらせていただいたのですが、ここまでガッツリの学園モノは今回が初めてです。同世代の皆さんと集団でお芝居をするのが新鮮でした。僕の高校も学ランだったので、久しぶりに学ランを着て、撮影期間は本当に高校生に戻ったような気分でした」

阿佐さんは序列14位の津島航を熱演。スポーツマンタイプの熱い性格で、ビジュアルもこれまでの役とは一変、短髪でワイルドに。

「キャラクターとして、クラスのなかで一番うるさい奴だったので、とにかく暑苦しい立ち回りを意識していました。また、体育祭のシーンがあるのですが、『反町（隆史）さんを意識して』と監督から言われて、Tシャツを肩まで捲っているんです。『ビーチボーイズ』の反町さんが憧れだったのでテンションが上がりました（笑）。物語としても体育祭のシーンはキーになるので注目してもらえると嬉しいです」

タイトルどおり、遺書を公開するのは、ホームルームの時間とあって、作中のほとんどのシーンが教室のなかで進んでいく、緊迫感のあるストーリー。誰が序列を決めたのか、なぜ序列1位の姫山椿が自殺したのか——。これまでと違う役、そして新たな現場で阿佐さんはまた役者としての経験を深めた様子。

「常にカメラが3台あって、左右前後、さらには上からも撮っていて、早朝から丸一日撮影の日もありました。いろいろな角度から撮られるので、表情から姿勢まで、常に緊張感を持っていました。この作品を経て、大人数でのお芝居の難しさを実感しました。クラスメイトひとりずつがフォーカスされて疑いをかけられるので、対象が変わるたび全員で同じ方向を向いてお芝居をする。監督が前日に入念に段取りをしてくださったので、各々で演技プランみたいなものを考えて本番に挑めたのがすごく良かったと思います。25人の集中力が詰まったエンターテインメントが完成しました」

映画『遺書、公開。』

出演／吉野北人　宮世琉弥　志田彩良
松井奏(IMP.)　髙石あかり　堀未央奈　忍成修吾
上村海成川島鈴遥荒井啓志松本大輝星乃夢奈榊原有那藤堂日向菊地姫奈大峰ユリホ
阿佐辰美兼光ほのか日髙麻鈴大東立樹金野美穂鈴川紗由浅野竣哉青島心楽駆
原作／陽東太郎「遺書、公開。」（ガンガンコミックスJOKER／スクウェア・エニックス刊）
監督／英勉
脚本／鈴木おさむ
※1月31日（金）全国ロードショー
shochiku.co.jp/ishokoukai-movie/

阿佐辰美（あさたつみ）
2000年8月27日生まれ、大阪府出身。’22年俳優デビュー。ドラマ「鬼平犯科帳本所・桜屋敷」、映画『劇場版 TOKYO MER～走る緊急救命室～』、『ブルーピリオド』などに出演。最近では、大河ドラマ「光る君へ」、NHK ドラマ10「宙わたる教室」で注目を集めた。現在、毎週月曜22時よりカンテレ・フジテレビ系「秘密～THE TOP SECRET～」に出演中。
Instagram @asatatsumi