大河ドラマ「光る君へ」でひと際キラリと光る存在感を放つ俳優・阿佐辰美さん。SNS上でも「あのキレイな顔立ちの俳優は誰?」と話題を集める阿佐さんにドラマについてたっぷりインタビュー!
阿佐辰美「調べるほど日本史を面白く感じた」
毎週トレンドワード1位に輝く大河ドラマ「光る君へ」。平安時代を舞台に、変わりゆく世を、変わらぬ愛を胸に懸命に生きた紫式部の人生を描くストーリーは、回を重ねるごとにますます注目されているドラマ。いよいよ佳境となる今作で存在感を表すのは、阿佐辰美さん演じる三条天皇の第一皇子・敦明親王。のちに藤原道長の圧力にさらされることになる立場だが、この先どうなるのか…敦明親王を取り巻く展開から目が離せないといったところ。クランクアップ直後の阿佐さんにあれこれ聞いてみました!
――出演が決まったときのお気持ちは?
マネージャーさんからの電話で出演が決まったことを知って、本当にびっくりしました。役者を志したときからのひとつの大きな夢でしたし、放送のスタートから僕も観ていたので、参加させていただくことになり本当にうれしかったです。初めての大河ドラマが「光る君へ」で本当に感謝しています。
――敦明親王を演じるにあたってものすごく勉強されたそうですね。
恥ずかしながら、学生のときは歴史を熱心に勉強していたタイプではなかったので、クランクインする前に父親にあたる三条天皇について調べました。史実でいうと、敦明に関しては「ものすごく悪い人」と「親思いで苦労した人」の真逆の文献が残っているんです。どちらの敦明がこの作品では描かれるのか、大石静さんの台本が届くのを毎回すごく楽しみにしていました。
――結果、どちらの敦明親王でしたか?
どちらも、でした! 最初は僕のなかのイメージ――「暴れん坊の悪いヤツ」という認識で臨みました。でも、初めてのリハーサルを終えた後、監督とお話をして「わんぱく少年っぽいイメージでいこう」と。なので、三条天皇の第一皇子ではあるのですが、あえて末っ子気質の敦明を意識して演じました。
――“父親が天皇”というのは、想像が追いつかない部分もあるのかなと思います。
そうなんです。まったく想像がつかなかったので、現場に入って徐々に掴んでいきました。三条天皇を演じる木村(達成)さんと対面してみて、「敦明は意外と、父親が天皇だということを意識していないのでは」と思ったんです。なので、父親に対して甘えたりワガママだったり、という部分を見せるのは意識したことのひとつです。
――そのほか、敦明親王をつくり上げていくうえで意識されたことは?
親王という身分が高い役である反面、自由人というイメージもあったので、所作については指導の先生に細かく確認させていただいていました。例えば、あの時代は袖が長めに作られていて手を見せないのがマナーだったのですが、この場面の敦明が手を袖から出すのは時代的にOKなのか。あぐらが正しい姿勢だけれど、敦明はどこまで崩していいのか…ということまで確認しました。敦明の人柄を表す姿勢ひとつひとつに間違いがないように、丁寧に演じたいという気持ちでした。
――確かにあの時代独特の衣装やセットですよね。大河ドラマの長い歴史のなかでも平安中期を描くのは初めてだそうですね。
平安時代のあの雅な衣装を着る機会はなかなかないと思うので、本当に貴重な経験でした。クランクアップして衣装を脱ぐときは名残惜しかったです。一人では着られないくらい大変でしたが、「もう着られないのか〜」と。あと、セットが本当に美しくてスタジオに行くたびに見惚れていました。「こういう時代があったんだなぁ」と、その世界観に浸っていました。
――吉高由里子さんや柄本佑さんなど名だたる俳優さんに囲まれた現場。撮影中に何かやりとりはありましたか?
実はご一緒するシーンはほとんどなかったのですが、現場ですれ違うことがよくあって、本当に気さくで素敵な方々です。吉高さんにご挨拶したときのことはよく覚えています。それまで敦明を演じていたのは子役の方で、久しぶりの登場が僕だったので、「敦明でかっ!」って言ってくださって(笑)。1年半ほど撮影が続いているなかで、皆さんがとてもいい雰囲気でお仕事をされているのは、吉高さんの存在が大きくて、明るさと心地よさを現場にもたらしているんだろうなと感じました。
――では改めて、敦明親王を演じてどんなことを感じましたか?
以前参加させていただいた時代劇は原作ものの架空の人物だったのですが、今回は初めて実在した人物を演じたので、これまでとはまったく違う責任感が生まれました。役について深く調べていくうちに、これまで敬遠していた歴史がグッと面白いものになったんです。今の天皇陛下は敦明の遠い親戚なんだ…と現実とリンクして考えたりして、敦明を通して日本史が身近なものになりました。
――本作を経て、時代劇への挑戦の仕方も変わっていくのでしょうか?
時代劇の世界線はフィクションの世界ではなく、今の日本ができるまでに本当に存在した時代なんだということを改めて感じることができました。平安時代の人は今の日本人が聴き取れないような言葉を使っていたかもしれないけれど、本作で描かれる恋愛模様など、本質的な部分は現代の人にも通じると思うんです。平安に限らずどの時代も根底となる部分は変わらないと思うので、いろいろな人に届くような時代劇に挑戦して、若い世代の皆さんと一緒に歴史の楽しさも知っていけたらいいなと思っています。
大河ドラマ「光る君へ」
脚本/大石静
放送予定/〈全48回〉[総合]日曜 午後8時00分/再放送 翌週土曜 午後1時05分 [BS・BSP4K]日曜 午後6時00分 [BSP4K]日曜 午後0時15分
nhk.jp/p/hikarukimie
阿佐辰美(あさたつみ)
2000年8月27日生まれ、大阪府出身。’22年俳優デビュー。ドラマ「鬼平犯科帳 本所・桜屋敷」、映画『劇場版 TOKYO MER~走る緊急救命室~』、『ブルーピリオド』などに出演。現在、大河ドラマ「光る君へ」で敦明親王役、NHK ドラマ10「宙わたる教室」で朴大成役で出演中。また、映画『遺書、公開。』が2025年1月31日公開予定。
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