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2024.05.22

「30歳の壁」を意識する人。周囲にいますか?――文筆家・川島如恵留(Travis Japan)

アーティストそして俳優として、活躍のフィールドを広げ続けている川島如恵留さんが、GINGER WEBで新連載をスタート。半年後に30歳を迎える今だからわかったこと、気付いたこと、そして様々な出来事についての自らの考察をつづります。【連載/のえるの心にルビをふる vol.1≪30歳の選択≫】

私物ランドセルは小さくなっていた

撮影/川島如恵留

貴方の周りにもいるだろうか、

「30の壁」を意識する人が。

30歳になる事を前向きに捉える人、悲観的に捉える人、特に意識していない人、この世には様々な人間がいる。

どれも悪い事ではなく、色んな価値観があって良いなと思う一方で、それぞれがどうしてその様に捉えているかにとても興味がある自分がいる。

大半の「30歳」はキャリアや家庭の事で日々目紛しい生活を送っているイメージがあり、自身の時間を切り詰めながら生きている…と勝手に想像しているのだが、これは偏見なのだろうか。

楽しければ、満足していればそれで良いとは思うのだが、短期的な喜びも大事にした上で、長い目で見た時に「あの時やっておけば…」と後悔せずに生きられたらより良い人生になるのでは無いかとも思う。

かく言う私も、半年後には30になる身だから意識せずにはいられず、30になるのが楽しみだと公言している程30という数字に夢を見ている。

「カッコいい30歳」が周りに沢山いるからだ。

そんな理想の「30歳」になれるのではないかと自分を重ね、きっとこの1年で目覚ましい成長を遂げられる筈だ、とワクワクしてさえいる。

しかし、30歳まで半年となった今、気付いてしまったのだ。

30になったからカッコよくなったのでは無く、カッコいいまま30になっている人が多いという事に。

気が付かなかった訳では無く、気付かないフリをしていたのだ。こんなに頑張っているのだから、きっと何処かで報われる筈だという甘えの様な願いを込めて。

まぁ、それでも願わずにはいられないのだ。やりたい事や叶えたい事の為に時間を切り詰めて生きているのだから。

「年は取るのもではなく重ねるものだ。」と誰かが云う。

時間は常に一定で流れて行く。有識者の「相対性理論が◯×△※~~~」には申し訳無いが退席願って、時の流れはほぼ全ての人に同様に流れるとする。

生命維持さえしていれば、どんな人でも一定の時間で30歳を迎える為、意識せずに時の流れに身を任せていれば年を取ったと感じるのは至極当然の事かもしれない。

しかしカッコいい「30歳」になる為には、過ぎゆく時間をただ眺めるだけで無く、有効活用する必要があるのだ。能動的に、意味のある時を重ねる、という事だ。

想像してみて欲しい。学校にあったあの学習机を。天板の下に物を入れるスペースのあるあのクラシカルな机を。きっと同じ世代だから伝わると信じたい。

整理整頓を未だ知らないとある小学生は、先生から配られたプリントを机の抽斗にただ放り込み、クシャクシャにし、夏休みが始まる迄にはパンパンにし、他のものを入れるスペースはすぐに無くなってしまう。

プリントを受け取っただけで満足して、その後の事まで考えが及ばなかったのだ。これでは一学期の終業式に痛い目をみる。もう見返す事も出来ない程にクシャクシャなプリントでランドセルをこれでもかという位膨らませ、余裕なんて何処にも無い帰り道になる事が、大人ならきっと理解できるだろう。

これは貰った物、手に入れた物を、ただ受動的に抽斗に仕舞っていく人の一例だ。

きっとカッコいい人や出来る人は、先生から受け取る度にそれらを整えて、必要か不必要かを選定し、入れる場所を指定し、空いたスペースに他のものを入れる事が出来る、そんなスッキリとした抽斗になっているのだと思う。

折れ曲がったプリントが一枚も無い程完璧な人は稀だと思うが、それでも終業式の帰り道には公園で友達と遊んで帰れる程の余裕はありそうだ。

喩えそれが全員に平等に配られた物だとしても、手に入れたものを能動的に仕分け、何が大切かを見極める力を持っている方が余裕を持って人生を楽しめると思うのだ。

時間やお給料といったものも、ただそこに有れば良いという訳ではない。どの様に使うのか、有効活用するのかが、スマートな人生を送るのに一役買うのだ。

30歳のカッコいい大人に夢を見ていた自分と、同じ様な未来図を描いていた仲間にもし貴方がいたのであれば、こう伝えたい。

一つずつ、能動的に「重ねて」いきましょう、と。

でも忘れないで欲しい。それには少しのコツと時間が要る事に。

休み時間が始まる度、友達はすぐ遊びに行ったり談笑する中、自分にはほんの一時の整理する時間が必要になる。甘い誘惑が周りに沢山ある中、少しだけ自分の抽斗と向き合う時間が要る。

日々のほんの少しの時間かもしれないが、楽しい事を取り零すかもしれない。そこをグッと堪えらる努力が必要だ。

効率よく生きるのはそう簡単な事では無い。

誰かに羨望の眼差しを向けている時間が有れば、未来の自分に焦点を当ててあげよう。

積み重ねてきた未来の自分はきっとカッコいい筈だから。

…ベッドで寝転びながらこんなエッセイを書いている私に言われたく無いかもしれないが。

【今月のTouch the Heartstrings】

撮影/川島如恵留

癒しのソロキャンプ。ガスではなく焚き火で直火にかけると煤がつくけれど、それを洗っている時にだけ感じられる生がある。次は真夏になるのかな。

川島如恵留(かわしま・のえる)
1994年11月22日東京都出身。小学生1年からジャズダンスを始めた後、芸能活動をスタートし子役としても舞台にも出演。その後、2007年10月よりアイドル活動を開始。2012年7月にTravis Japanの結成メンバーに。2022年10月に全世界メジャーデビュー。2017年青山学院大学卒業。2019年に宅地建物取引士、2023年には国内旅行業務取扱管理者の資格を取得。2024年4月から個人のYouTubeチャンネル「のえるの隙間時間」、同名のXも開設。
YouTube @noelnosukimajikan

TEXT=川島如恵留

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