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2024.04.19

上白石萌歌が“憧れるあの人”のドラマ「滅相も無い」で熱演!「誰かひとりでも救われたらいい」

映画、ドラマ、舞台、そして音楽活動までと幅広くその才能を開花させる上白石萌歌さん。4月16日(火)よりスタートする新ドラマ「滅相も無い」に出演する上白石さんに、作品のトリッキーな特異性と溢れんばかりの演劇愛を思う存分語ってもらった!

前代未聞の“穴”ドラマ。SF群像劇に魅せられる!

滅相も無い
©︎「滅相も無い」製作委員会・MBS

4月16日の真夜中、中川大志さん×染谷将太さん×上白石萌歌さん×森田想さん×古舘寛治さん×平原テツさん×中嶋朋子さん×窪田正孝さん/堤真一さんの豪華俳優陣が集結し、稀代の劇作家であり演出家の加藤拓也さんが手掛ける“誰も観たことのないドラマ”がスタートした。

舞台は、突如巨大な“穴”が現れた日本。国民は混乱し、様々な調査が行われたが、穴の正体はわからないまま。やがて人々は、穴とともに暮らし始め、なかには穴に入ったまま戻らぬ者も多くいた。そのうち、「穴の中には救済がある」と説く者が現れ、穴を信仰する団体が結成される。ある日、8人の信者がリゾート施設に集まった。その団体では、穴に入る前に「なぜ穴に入ろうと思ったのか」の心情を吐露し、記録する必要がある。穴に入る日が近づいている者から順に、ひとりずつ打ち明けていくのだが――。

何やらあらすじだけでもそそられる内容、そしてその先の展開が読めないこのドラマのタイトルは「滅相も無い」。映像×舞台×SF×アニメーションの4軸で繰り広げられる群像劇に、あなたはまったく新しい映像作品を目撃することとなるだろう。

念願の出演に深まる作品愛!

上白石萌歌

完全オリジナルのSFヒューマンドラマ、監督・脚本を務めるのは、舞台作家を中心に最近では映像界でも活躍する、加藤拓也さん。演劇と映像を自由に行き来しながら目覚ましい活躍で注目される加藤監督は、業界内外に多くのファンを有する。本作の出演者たちも「加藤さんとお仕事できることに興奮しました」「また一緒に仕事ができてうれしかった」と口を揃えるほど。そして、上白石さんもまさしく加藤さんとの仕事を熱望していたと、熱を込めて語った。

「とにかく加藤さんの作品のファンなんです。初めて加藤さんの作品を観たのは6、7年以上前の演劇だったんですが、すごく新しくて。直感的に『この方といつかご一緒したい!』と思って、当時のマネージャーさんにもすぐ連絡したほど(笑)。この作品を受けるにあたって、ファンであるからこそ、自分が加藤さんの世界に馴染めるのだろうか、どう演出してもらうんだろうという怖さもありましたが、作品を良くしたいという気持ちが強かったですね」

憧れの人の作品で憧れの人と一緒に作るドラマは、上白石さんにとってどんな経験だったのだろう。そこには、さらに加藤監督の作品愛を深めるものがあったそうで。

「撮影中は、本音を言うと、絶対に加藤さんに嫌われたくない!(笑)と思っていて。加藤さんが書いた脚本に自分がどれだけ応えられるかっていうことを、すごく冷静に見てくださっている感じがして緊張しました。でも、裏側はこうなっていたんだ、こういう演出をするんだっていう驚きがたくさんあって、刺激になりましたね。

加藤さんのスゴイところは、なんといっても脚本が面白いところ。なんか、例えば…。私は今『なんか、例えば』って言いましたけど、そういう話し言葉が全部セリフなんです。普通の脚本って『お母さん、ありがとう』だけが書かれているんですが、加藤さんの場合は『なんていうか、あのー。お母さんね、ありがとう』って書いてあるんです。だから台本を覚えるのに時間がかかったけれど、それを実際に現場で発すると演じる役の人柄だったり魅力が見えてくるんですよ。本当に加藤さんの脚本の魔力ですよね」

上白石萌歌「観る人が主人公になれるドラマができました」

滅相も無い
©︎「滅相も無い」製作委員会・MBS

どんな役柄も颯爽と演じ、観る者を惹きつける引力をもつ上白石さん。彼女が今回演じるのは、田舎暮らしの松岡。職を転々とし、最後に行き着くのは田舎のオルゴール記念館だ。

「松岡は、職場を探すなかで、本当に心地の良い場所はどこだろうってすごく模索している人物です。たくさん生き方を選べる時代だからこそ、自分の最適解を探し続けていて、脚本を読んだときは生きることに迷っている人だなって思ったんです。でもそれってきっと現代を生きる私たちにも言えることですよね。どんな仕事をしてどんなふうに生きていくか。松岡を観て、自分の今の環境を見つめ直すきっかけになってくれたらいいな」

そして、この作品の最大の見どころでもあるのが演劇的な要素。それはどういうことかというと、通常場面が変わる際はシーンを切って撮影されるが、本作ではスタジオセットのなかでワンカットのまま場面転換が行われる。例えば、カフェでお茶をしていた2人が急に立ち上がって歩いて公園に行くというシーンを一連の流れで展開するのだ。

「映像を観ているのか演劇を観ているのか分からなくなってしまう感覚はすごく面白いんじゃないかな。場面転換を行うのはスタジオキャストと呼ばれる方々で、ドラマを通して6人で約150役やってらっしゃるんですよ! 私以外の役が目まぐるしく変わっていくので、芝居の関係性が変わっていくことが面白かったです。ただやはりワンカットなので粘ったシーンは10テイク以上は重ねました(笑)。撮影時間自体は短かったんですが、みんなで試行錯誤して息を合わせていく感じが楽しかったです」

映像と演劇をつなぐパイオニア的作品、ここにあり!

上白石萌歌

元々演劇が好きだったこともあってか、ミュージカルや舞台など演劇の世界でもその頭角を現している上白石さんにとって、演劇的なパーツを含むドラマにはやはり特別な感情を抱いたそうで。

「私は演劇も映像も好きなんです。演劇が好きな人間からすると、映像が窓口になって、演劇をもっと観る人が増えるといいなという気持ちがあって、そういう意味では2つの架け橋のような作品ですよね。今作では演劇を映像として捉えているので、生のお芝居が面白そうだなと思ってもらえるきっかけになるといいなと思います。あと、演劇と映像、どっちも大好きな欲張りな自分が満たされた作品でもありますね(笑)」

最後に、上白石さんは異彩を放つドラマがこの時期にぴったりなんじゃないかと、自身の経験を踏まえて教えてくれた。

「4月って新学期ですよね。私が学生だったとき、新学期にちょっと心が揺らいだり、しんどいなって思ったことが結構あったんです。このドラマは、登場人物ひとりひとりに苦しんでいることや葛藤していることがあって、観ているうちにこの人の悩みに近いなって、自分を投影できる人物がいることに気づくはずです。自分の心の内と近い人は誰だろうって探してもらって、その人がそんな選択するのかを見守っていただけると自分の悩みの答えも自ずとみえてくるんじゃないかな。だから観ている人が主人公になれるドラマですよね! 現実に穴はないけれど、もし穴があったら自分だったらどうするか。非現実的なことを考えると、不安な気持ちとか辛い気持ちがちょっと安らいだりしませんか? 新体制が始まる4月の深夜に、誰かひとりでも救われたらいいな」

そう言って微笑んだ上白石さんから、この作品への深い思い入れが伝わってきた。「お芝居の最中にその役になりきれていないと自分で気づいたときには、その場から逃げたくなる」と話すほど、ストイックに芝居の世界を愛する彼女が“自信作”と語る本作。“新しい”ことが動き出す4月、心がざわつく春の夜に、新感覚のドラマから刺激を受けてみては?

ドラマイズム「滅相も無い」

出演/中川大志 染谷将太 上白石萌歌 森田想 古舘寛治 平原テツ 中嶋朋子 窪田正孝/堤真一
ナレーション/津田健次郎
監督・脚本/加藤拓也
主題歌/クリープハイプ「喉仏」
製作/「滅相も無い」製作委員会・MBS
※MBSでは毎週火曜 深夜0:59~、TBSでは毎週火曜 深夜1:28~放送中。Netflixにて全世界見放題独占配信、TVer見逃し配信も。
mbs.jp/messoumonai

上白石萌歌(かみしらいしもか)
2000年2月28日生まれ、鹿児島県出身。2011年に第7回「東宝シンデレラ」オーディションでグランプリを受賞。2012年にデビュー。2019年にはadieu名義でのアーティスト活動を本格始動した。主な出演作品に映画『羊と鋼の森』、『未来のミライ』、『KAPPEI カッペイ』、ドラマ「義母と娘のブルース」シリーズ、「3年A組 ―今から皆さんは、人質です―」、「ペンディングトレイン―8時23分、明日 君と」、「パリピ孔明」、連続テレビ小説「ちむどんどん」などに出演。
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Instagram @moka____k

TEXT=GINGER編集部

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