「恋、家族、ゴハン…。どれなの?」いえいえ、どれかではありません! そのどれもなのです! ジャンルや枠組みを飛び出した、これまで観たことないあのドラマがパワーアップして帰ってくる。前作に続き、長女の由香を演じた木南晴夏さんに役どころや伊藤家についてインタビュー。
ゲラゲラ笑えて、猛烈にお腹が空く。あのホームドラマが帰ってきた!
さかのぼること2年前。深夜に放送されていたドラマ『おいハンサム!!』。「食べて、恋して、人は生きている…」と控えめに打ち出した謳い文句とは裏腹に、想像を超える人気を誇りスタッフ・キャストは少々面食らったというほど(笑)、深夜ドラマにスーパースターが誕生した。SNSでの口コミを皮切りに、各ドラマアワードで賞を獲得し、国内最大のレビューサービス「Filmarks」では2022年上半期国内ドラマの満足度第一位、Netflixでは深夜ドラマとしては異例のベスト8にランクインするなど輝かしい実績を残した本作。さらに、2024年地上波春ドラマFilmarks期待度ランキングでは1位を獲得し、すでに待ち遠しくて仕方ない人たちが続々!
そんな『おいハンサム!!』ファン待望の新シーズン&映画化が決定し、ドラマは4月上旬よりスタート、映画は6月下旬に公開される。人気漫画家・伊藤理佐さんの複数の漫画のエピソードを縦横無尽にリミックスし、愛すべきキャラクターが繰り広げるストーリーに、伊藤家の行く末を見守る人が爆増。
木南晴夏「由香はとにかく変!」
ストーリーは至ってシンプル、恋と家族とゴハンをめぐる“伊藤家”を描く。それぞれ独立しているように見えて、どれも欠けては成立しないのが伊藤家なのだ。“ハンサム”な顔で説教をする伊藤家の父・源太郎役に吉田鋼太郎さん、さまよう三姉妹――長女の由香を木南晴夏さん、次女の里香を佐久間由衣さん、三女の美香を武田玲奈さん、伊藤家のドタバタを受け流す母・千鶴をMEGUMIさんが演じる。
木南さんも本作の想定外の人気に驚いた、というひとり。業界内外からその評判を耳にしたそう。
「深夜帯の放送でしたし、ものすごく派手な作品というよりはシュールなホームドラマだと思っていたので、万人受けするものではないと思っていたんです。だけど、意外と『観たよ! すごく面白いね』って声をたくさんいただきましたね。
シーズン2については、1のころから監督が『続編を作りたい』とおっしゃっていたので、なんとなくやるんだろうな、とは思っていたんですが、まさか映画までやるとは(笑)! 映画もこのドラマの世界観のまんまで、何か大事件が起こるわけでもなく、家でテレビを観てるような感覚の新しい映画になったと思います」
木南さんが演じる由香のプロフィールをのぞいてみると…「広告会社の中堅社員。未婚。美味しいものとお酒が大好き。優しい男が好き」。この情報だけだと、ごく一般的な女性の印象を受ける。でもそうじゃない。間違っていないけれど、それだけじゃない。シーズン1を観た人は分かるだろうが、付き合う男がコロコロ変わるし、別れるたびに飲んだくれるし、不倫(だと知らずに付き合っていた)相手の家では大暴れしたあげく、人の家のテレビリモコンを表札の横に置いて帰る…。由香は“交際相手を見る目がないオンナ”の代表格であり、交際相手に違わぬちょっと変わった女なのだ。
「由香ってすっごい変な女ですよね! 仕事ができるし、冷静なときもあるけど、情緒が不安定になったり突拍子もない行動をしたりして、もう本当に変な人(笑)。シーズン1では、次々と男の人を乗り換え、なんやかんや男の人が途切れなかった由香が、シーズン2では『あれ? 私って男の人に相手されていないかも。最近モテてないかも』と非モテ期がやってきて…。シーズン2では、変な女度に拍車がかかっていくんです」
そんな由香を語るに欠かせない人物といえば、由香の元カレであり源太郎の取引相手である大森(浜野謙太さん)だ。なにかにつけて伊藤家に現れ、由香に嫌味を言い、小競り合いが始まる。木南さんは、そのやりとりが由香の愛らしさを引き出すという。
「シーズン2と映画を経ても、大森さんとの関係性は変わらなくて、そこがまたひとつ面白いところかな。由香は他人と会うときは猫を被ってるんですが、大森さんといるときだけは家族といるときと変わらない由香になるんですよね」
愛らしい伊藤家、その裏側を教えて!
恋に悩む伊藤家の三姉妹も見どころのひとつ。それぞれが自立しているにも関わらず、実家でご飯を食べ、カードゲームをする。近況を話すけど、決してベタベタはしない。そんな心地の良い距離感の三姉妹が羨ましいという声も聞こえてくる。木南さんにはこの三姉妹が実際に身近にいたら、どんな関係性を築きたいかを想像してもらった。
「由香はあんまり関わりたくない! 会社の同僚もよく由香と友達でいてくれるなってくらい(笑)。里香もちょっと変だけど、筋が通ったところもあるし男気はあるから、会社の同僚だったらいいかな。姉妹のなかで一番まともな美香は友達でもいいかも」
そんな女ばかりの伊藤家。三姉妹とMEGUMIさんの4人でよくお喋りをしたと木南さんは教えてくれたが、共演者の印象&新たに知った一面をひとりずつ聞いていくと、やはり楽しそうな現場の様子がうかがえる。
「シーズン1のすぐ後に鋼太郎さんが演出する舞台の出演が決まっていたので、最初はすごく緊張していました。演出家って、怖いイメージがあって(笑)。でもすごく優しい人だし、すぐにたわいのない話ができるくらいになりましたね。
MEGUMIさんはお母さんの役なんですけど、下の妹役の子たちよりMEGUMIさんの方が歳が近いんですよ。MEGUMIさんは美容の達人なので『何したらいいですか?』から始まり、MEGUMIさんの本を読んで、『これ買いました!』とか『MEGUMIさんの影響で買えなくなってますよ』ってお話しました。
由衣ちゃんは、もう本当にお顔がタイプで、お会いする前からすごく好きで共演できるのが超嬉しかったです。実際会ってみたら、おしとやかで、3歩下がってみたいな…例えるなら朝ドラの世界で生きてる人!
玲奈ちゃんは、異次元みたいなスタイルですよね。MEGUMIさんと『日本版バービーだ』って話してました。何度見てもスタイルに見惚れてしまうし、どんな生活をしているのか気になっています。
ハマケンさんは、以前バカップルの役で共演させてもらっていたので、由香と大森の関係性をすごく作りやすかったです。ハマケンさんと踊る動画を2人で撮ったので、インスタでアップされるのを楽しみにしていてください」
木南さんなりの目線で語ってくれた伊藤家(+大森)。木南さん自身にフォーカスしつつ『おいハンサム!!』の最大の見どころに迫ったインタビューの続きは、明日公開!
土ドラ『おいハンサム!!2』
原作/伊藤理佐『おいピータン‼︎』、『おいおいピータン‼︎』(講談社「Kiss」連載)
Special Thanks:『渡る世間はオヤジばかり』(講談社KissKC所載)、『チューネン娘。』(祥伝社FEEL COMICS)、『あさって朝子さん』(マガジンハウス)、『ミックスリサ』(講談社漫画文庫)、『結婚泥棒』(集英社クイーンズコミックス)
脚本・演出/山口雅俊(ヒント)
出演/吉田鋼太郎、木南晴夏、佐久間由衣、武田玲奈、MEGUMI ほか
制作著作/東海テレビ 日本映画放送
※4月6日(土)23:40~放送スタート
映画『おいハンサム!!』
原作/伊藤理佐『おいピータン‼︎』、『おいおいピータン‼︎』(講談社「Kiss」連載)
Special Thanks:『渡る世間はオヤジばかり』(講談社KissKC所載)、『チューネン娘。』(祥伝社FEEL COMICS)、『あさって朝子さん』(マガジンハウス)、『ミックスリサ』(講談社漫画文庫)、『結婚泥棒』(集英社クイーンズコミックス)
脚本・監督/山口雅俊(ヒント)
出演/吉田鋼太郎、木南晴夏、佐久間由衣、武田玲奈、MEGUMI ほか
配給/東宝
※6月21日(金)全国ロードショー
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木南晴夏(きなみはるか)
1985年8月9日生まれ、大阪府出身。2001年、『第1回ホリプロNEW STAR AUDITION』でグランプリを獲得。主な出演作品に、ドラマ「勇者ヨシヒコ」シリーズ、「花のち晴れ~花男Next Season~」、「ブラッシュアップライフ」、「セクシー田中さん」、映画『20世紀少年』、『ママ、ごはんまだ?』、『ゆとりですがなにか インターナショナル』など。また、TBS系金曜ドラマ「9ボーダー」が4月からスタートする。