“愛”とひと言で表しても、その形は人それぞれ。でも、夢中になれるのはそこに“愛”があるから。
パン好きを自認し、友人とパン部なるものを結成して、思う存分パンの魅力を堪能する女優 木南晴夏さん。 今や「パン旅。」という番組を持つまでに発展した、その深い深い愛の軌跡を語ります。
日本のパン屋さんはどんどん進化しています!
「パンを愛してやまない私が最近ハマっているのが、大ブームとなっている高級食パン。6月まで舞台をやっていたのですが、皆さんがいろんな種類の高級食パンを差し入れしてくださったんです。なので贅沢な“高級食パンの食べ比べ”が実現。なかでも私の好みにぴったりフィットしたのが、まるで絹のような食感の『に志かわ』でした」
木南さん曰く「毎朝食べたいのは、いわゆる普通の食パン。高級食パンというジャンルは、おやつ感覚で楽しんでいる」のだそう。
「『に志かわ』の一番の魅力は、まるでスポンジケーキのようなフワフワとした食感。本来食パンは1枚で満足するものが多いのですが、これは軽やかなので食べ続けられてしまうんです。ほんのりとした甘みがありながら、しつこさがなく、そのバランスも絶妙。この魅力をみんなに伝えたくなる、マイベスト高級食パンです」
そして、惜しむことなくパンへの愛を叫ぶ木南さんおすすめのパン屋は「ブーランジェリーパティスリートレトゥールアダチ」。神奈川県横浜市のセンター南駅にあり、2017年「All About」の読者ランキングで、初ランクインにしてグランプリを受賞した名店である。
「偶然にも知り合いがやっていることがわかり、よく通うようになりました。特徴は対面式であること。そしてパンはもちろん、お惣菜とケーキまで揃うこと。この販売方法はパリでは一般的なスタイルらしく、それを踏襲したのだとか。普段、パン屋ではトレイとトングを自分で持って、パンを載せたらお会計に並ぶだけ。お店の方と会話をすることはあまりないですよね。
でもここはカウンター越しに『今日のおすすめは?』と聞けば、『新作が出ました』『これが特に出来がいいんです』などコミュニケーションを取ることができる。そのやりとりのおかげでパン選びがさらに楽しくなるんです。日本のパン屋も変わってきてるんだなと感じる、とっておきのお店です」
パンから広がる新しい世界が、感性を刺激するんです
現在はパン部まで結成。メンバー同士で美味しいパン屋の情報を集めて報告し合い、休みが合えば厳選したお店で集合。至福の時間を過ごすのだとか。
そして“パン愛”を叫び続けた今、人生にある変化が起きていると言う。
「こうしてお仕事に繋がっていること。これは大きな変化で、パンの番組を持たせていただくまでになりました。取材に出ると、世の中には素晴らしいパン屋がまだまだあって、新しい世界の扉が開きます。
何より、パンの奥には職人さん、農家さんがいて、ようやく私の手元に運ばれてきたことも実感できます。彼ら彼女らからの“パン愛”を受け取った気持ちになって、さらに愛情が深まるんですよね。本来の私は愛を叫ぶのに気後れするタイプ。でもパンのためならどこまでも動ける。今後も『いいパンあるよ、どう?』って伝えていきたいです」
木南晴夏(きなみはるか)
1985年8月9日生まれ、大阪府出身。パン好きが高じて2016年よりスタートした番組「パン旅。」(NHKBSプレミアム)のほか、ドラマ「セミオトコ」(テレビ朝日系)に出演中。