EXILE 、三代目 J SOUL BROTHERSのパフォーマーであるEXILE NAOTOさんが、初の写真集『Onestà』を刊行。その撮影裏話と、30代を駆け抜けた今、感じていることを伺いました。
肉体改造は自分の意思だけではできない
イタリア、シチリア島で撮影されたEXILE NAOTOさん初の写真集。表紙は、ハーフパンツ一枚の姿、鍛え上げられた肉体が美しいカットだ。
「普段からトレーニングはしていますが、初めての写真集、しかも裸のカットも撮ることが決まっていましたから、前日からは水分も抜いてベストな筋肉の状態で撮影に挑んだんですよ。イタリアに向かう飛行機の中では、機内食を断って水は数滴だけ、お腹が空いたら水分のない干し芋を食べていました(涙)。
この表紙カットは初日に撮影したので、終わってからは即、イタリアのグルメを堪能! 喉も乾いていたし、空腹だったので最初の1食は最高に沁みました。アランチーニ(ライスコロッケ)、野菜をつかったラタトゥイユのカポナータなど、イタリアの食事はめちゃくちゃ美味しかったです!」
クールな表紙から、ページをめくっていけばシチリアの街を楽しむNAOTOさんの飾らない表情も。その笑顔を眺めていると、まるで一緒に旅をしているような感覚になる。
「そう思ってもらえると嬉しいですね。シチリアは『ゴッドファーザー』『グラン・ブルー』といった僕の大好きな映画の舞台になった場所。ずっと一度訪れたいと思っていて、今回撮影場所として提案させてもらったんです。
そもそも僕は旅が大好き。ケニアに動物を見に行ったり、美味しいものを探しに行ったり、時間を見つけてはいろんなところを回っているんです。レストランに行ったら外国でも英語がわかる範囲で、シェフの人にこだわりを聞いたりしています。ものをつくる情熱を世界中で体感したい、湧き出る好奇心を満たしたい、だから僕は旅に出るのかもしれません。
旅に出る際は、行きたい場所の距離と移動時間まできっちり調べて、スケジュールをギチギチにする、段取り命のタイプ。『何しないでぶらぶら』ということもしますが、それもスケジュールに入れて時間内に収めます(笑)」
食通で、各地のレストランにも詳しいNAOTOさん。だからこそ、余計にこの写真集撮影のための減量は厳しかったはず。けれどもそれを乗り越えられる、メンタルの秘密を伺うと。
「GINGER読者のみなさんも、ダイエットきついなと思うことありますよね。このお菓子食べたいなとか、飲みに行きたいなとか(笑)。僕もそうですよ。意思の力だけではダイエットなんてできない! 暑いときに『暑くない、寒いと思いなさい』と言われても無理でしょう、それくらい難しいことなんです。
僕の場合は仕事で撮影がある、ライブがある、ここまでに減量していないと人に迷惑がかかる、そのプレッシャーがあるから達成できるんです。みなさんはそういう機会がないから、無理だと思ったでしょう? 違いますよ、『どうしても減量しないといけない』状態を自分で無理やり作り出せばいいんです。好きな人とプールに行く日程をあらかじめ決めてしまって、それまでに追い込むとか、少し先に海へ行く予定を立てて、キャンセルしたら友だちに迷惑がかかる、そういう状況をつくってしまえばいいんです。痩せたら海に行こう、じゃなくて先に予定を組んでそこまでに絶対に何とかするんです!」
自分が思う、理想の40歳に僕は全然なれていない
本書では、NAOTOさんの幼少期から現在までを振り返ったエッセイも綴られている。
「子供のころから今までを振り返るなんてことは今までほとんどなかったので、自分自身のことを整理できた、エッセイの制作はすごくいい経験でした。
そして振り返ってみて、わかったんですよね。過去に迷ったり、焦っていたりした時期にした決断って、苦労して決めたというより、結局成り行きだったなって。でも決めた内容云々ではなくて、決めたことを一生懸命やる、それが何より大事なんだって。その結果今、最高のメンバーと出会えて、グループでいられるんですよ。だからこれからも、なんでも決めたら一生懸命にやる。このエッセイを書くことで、今後の人生にも影響を与える基本的かつ大事なことを思い出すことができました」
撮影は、40歳を迎えた昨年に行われた。これまで写真集のオファーはすべて断ってきたというNAOTOさんは、なぜこのタイミングで、本書をつくろうと思ったのだろう。
「今年は写真集もあるし、初のソロツアー『HONEST HOUSE』で全国を周ることも決まっています。40歳にして初めてのことだらけ。特にソロツアーはもっと早い段階でチャレンジしても良かったのかもしれません。けれどやってみよう、そう思えたのが40歳の今このタイミングだった。三代目 J SOUL BROTHERSは13年続けさせてもらって、13年ってベテランの方に比べたらそこまで長くはないけれど、でも決して短くもない。時間を経てもなおこれからも情熱を燃やしていくためには、新しいことに挑戦しないといけない。同じことや得意なことを繰り返しているばかりじゃなくて、チャレンジしたいと思ったんですよ」
最後に、これからの40代をどう過ごしていきたいか尋ねると。
「40歳ってもっと大人だと思っていたんです。僕が思う大人というのは、いろんなことに知識があって、ウィットに富んだ会話ができる、そんな人のこと。でも全然そうなってなくて、だから40歳になった瞬間はちょっと衝撃でしたけど(笑)。でも40代、これからもチャレンジを続けていきたいですね。まずはソロツアーという大きいチャレンジの先に何があるのか、見てみたい。頭の中には実はいろんな構想があって、それが情熱を燃やす原動力にもなっています。まだまだ燃えていきたいし、燃えている、って感じですね。
プライベートでは今、ゴルフと食べ歩き旅にハマっているのですが、どれだけ時間があっても足りないくらい深い趣味ですから、新しいことを始めるというより、引き続きこのふたつを楽しんでいきたいと思っています!」
『Onestà』
EXILE NAOTO(EXILE / 三代目 J SOUL BROTHERS)
¥3,400/幻冬舎
撮影/MARI SARI
イタリア・シチリア島で撮り下ろした自身初の写真集。タイトルはイタリア語で「素直」という意味。海辺のレストランではしゃぐ姿から、ダンサーとして極めた肉体美まで、オールカラー168頁。幼少期から、ダンサー修行時代、メンバーとの出会い、そして現在までを語るエッセイも掲載。
EXILE NAOTO(えぐざいるなおと)
EXILE /三代目 J SOUL BROTHERSのメンバー。1983年8月30日生まれ、埼玉県出身。2009年EXILEにパフォーマーとして加入。2010年、三代目 J SOUL BROTHERSのリーダーに小林直己とともに就任。2015年、自身がクリエティブディレクターを務めるファッションブランド「STUDIO SEVEN」設立。著書に『人生ほの字組』がある。4月から初のソロツアー「NAOTO PRESENTS HONEST HOUSE 2024」がスタート。