1960年代にアメリカで始まったとされる「フードドライブ」。家庭で余ったものや食べきれない食品を寄付し、必要としている人や施設・団体へ届けるこの活動が、日本でも少しずつ広がりを見せています。食品ロスをなくし、「もったいない」を「ありがとう」に変える――。「食」を通じた支え合いの輪に、香里奈も参加しました!
「フードドライブ」とは?
日本の食品ロスは世界でもトップクラス。一方で、生活困窮者や一人親家庭など、一時的に食の支援を必要としている人がいます。無駄に捨てていた食品を、自治体やNPOなどを通じて必要としている場所へ。「フードドライブ」は、人と人との繋がり、優しさが循環する活動です。
実施店舗が500店舗突破!「ファミマフードドライブ」の仕組み
今年4月から全国展開をスタートした「ファミマフードドライブ」。身近なコンビニが回収拠点となり、支援が必要な人々へ食品を提供するファミリーマートの取り組みです。ロゴマークが提示された回収ボックスが受け付けの目印。今回はファミリーマート大田南馬込六丁目店にお邪魔しました!
〈受け付け可能な食品〉
・未開封で破損していないもの
・賞味期限まで2ヵ月以上あるもの
・常温保存のもの
※賞味期限表示がないもの、アルコール類、日用品、生鮮食品などはNG
※協力パートナー(回収団体)によって条件が異なる場合があります
ファミマフードドライブの流れ
1. 店舗(回収拠点)
店舗に設置された回収ボックスに、家庭で余ったものや寄付したい食品を預けます。開封済み、賞味期限表示がないものはNGなので、実施店舗と食品の条件をしっかりチェック。
2. 協力パートナー(自治体/NPOなど)が回収
それぞれの実施店舗の協力パートナーが食品を回収します。大田南馬込六丁目店の協力パートナーは、大田区社会福祉協議会。フードドライブ以外にもさまざまな地域福祉推進のための活動を行っています。
3. 支援を必要としている方のもとへ
集められた食品は1点ずつ仕分け。一人親家庭や一時的に生活に困っている人たち、施設や団体へ提供します。
生活のすぐそばにあるコンビニから気軽にできる社会貢献
ファミリーマート サステナビリティ推進部の大澤寛之さんと、大田区社会福祉協議会 おおた地域共生 ボランティアセンター
川澄晶子さんにお話を伺いました。
大澤さん ここ大田南馬込六丁目店はファミマフードドライブのスタート当初から実施している店舗で、大田区社会福祉協議会さんを協力パートナーとして取り組んでいます。
香里奈 回収した食品は具体的にはどこへ届けられているんですか?
川澄さん 食品によっていろいろです。缶詰やレトルト食品などすぐに食べられるものは生活に困っている方にお渡しします。コロナ禍で急激に生活状況が悪くなってしまった方が最近は増えているんです。
香里奈 本当に困っている人に、確実に届いているんですね。
川澄さん 調味料はこども食堂や児童養護施設など、調理をして食事を提供できる場所へ届けています。そういった場所ではお米なども喜ばれていますね。
大澤さん でもまだフードドライブを知らない方もたくさんいて、店舗に来れば食べ物がもらえると思っている方もいるんです。そういうときは店舗スタッフが説明し、大田区社会福祉協議会さんへ繫いでいます。
香里奈 そこも支え合いですね。必要な分だけ買うのが一番だけれど、無駄が出てしまうときは捨てずに活かすことを習慣にしたいですね。
大澤さん フードドライブは、今までは回収場所や受け付け日時が限られていて、寄付したくても都合が合わないというケースも多かったんです。その点コンビニならいつでも行けるので、習慣にしやすいかなと思います。余ったものだけではなく、寄付品として提供してくださる方もいます。同じ銘柄のお米が毎回入っていたりするんですよ。
香里奈 素敵ですね! 例えば農家さんが作ったお米や野菜など…、受け付け可能な食品の幅も今後は広がっていけばいいなと思います。
大澤さん 地方の店舗に精米したお米を持ってきてくださる方がいました。その際はお預かりできるか精米日を確認させていただいています。
川澄さん 大田区社会福祉協議会では、お米は精米してから1年以内の未開封のものであればお預かりしています。生鮮野菜は、すぐに活用できる所が見つかればいいのですが…。
香里奈 なるほど、難しいですね。でもコンビニという身近な存在、ファミリーマートという大企業がフードドライブを始めてくださったことは、意識改革のきっかけになると思います。コンビニの力は偉大ですよ! これから発展していくなかで、個人的にはいつかペットフードなども取り扱ってほしいです(笑)。
ファミリーマートが実施しているSDGsに向けた取り組み例
1. こども食堂で地域交流
2019年から全国で始まった「ファミマこども食堂」。食事を楽しんだり、レジ打ち体験をしたり…と子供たちから大好評。コロナウイルス感染症予防に配慮し、現在はオンラインでの「デジタルファミマこども食堂」も実施。
2. 「エコ割」で食品ロス削減
消費期限の迫ったおにぎりやサンドイッチ、お弁当などを対象に、値下げシステムを簡素化。「エコ割」としてバーコードシールを導入し、今年7月にスタート。これにより食品ロス3割減を狙う、画期的な取り組みです。
3. 新デザインのスプーン導入
お弁当やスープを食べるときに使うスプーンのデザインが刷新! サイズはそのまま、持ち手に空洞を作ることで、プラスティック使用量を約12%削減。ファミマ全体では年間で約65トンの削減量に(2020年度対比)。
みんなのちょっとした行動がが大きな変化につながります。あなたが今できることは? ぜひフードドライブにも参加してみてくださいね。