田中みな実さんが語る、仕事のパートナー、マネージャーさんにまつわるあれこれ。【連載「田中みな実のここだけ話」】
今回のテーマ:マネージャー
7年半前、フリーランスになって芸能事務所に所属した。「今日から〇〇さんがあなたのマネージャーです」と紹介され、初めて会ったその人に、その日から仕事の行き帰りの運転をしてもらったり、貴重品の管理をしてもらったり、業務内容のやりとりをしたりと密に連携をとっていく。在局中は“デスク”と呼ばれる、部内の仕事を割り振ってくれ、現場(番組サイド)とやりとりをしてくれる存在のサポートを受けながら仕事をしていたのだけど、所謂“マネージャー”とは違う。
それまではいなかったマネージャーさん(以下敬称略)との距離感がつかめず困惑したし、正直今でもよく分かっていない。段々コミュニケーションがとれてきたと思ったら、配置換えで担当を外れることも少なくない。タレントとマネージャーの仲は様々で、局アナとして仕事をしながらもその多様な関係性を不思議に思った。ロケ先での待ち時間に「〇〇く~ん、一緒にグミ買いに行こお」と10代のモデルさんに腕を引っ張られコンビニへ向かうマネージャー。「収録終わったら何食べに行く?」とスタジオの片隅で友達のようにキャッキャと雑談をするタレントとマネージャー。仕事の案件や急用があるとき以外、滅多に顔を見せない淡々としたマネージャー(芸人さんに多い気がする)。実に様々で正解はない(はず)。タレントは(少なくとも私は)マネージャーの尽力なくして仕事をすることができない。
マネージャー(事務所)もまた、タレントの仕事があってこそ成り立つビジネスであり、持ちつ持たれつ。イーブンなのだ。表に立っている分、タレントのほうが偉そうに見えるかもしれないし、ワガママな振舞いをしているかのように思えるかもしれない。けど、見られ方を気にして、いい仕事ができないのは本末転倒。いい人だと思われたくて仕事をしているわけじゃない。起用してくれた制作者の想いに応えたいし、自分が信じて受けた仕事なら制作者と共倒れしてもいい。そのくらいの覚悟を持って臨んでいる。
だから、一番近くで寄り添ってくれているマネージャーが内容も把握しないままざっくりと「これやりますか?」と投げかける仕事に対しては、しつこいくらいに内容を突き詰めて判断させてもらう。逆に「こういう考えがあるから一緒にやりましょう」と言ってくれたものにかんしては二つ返事で「お願いします!」。いろいろと憶測されているようですが、私はこれまでお世話になったマネージャーに感謝をしています。彼等のおかげで現在があります。そして、これからも彼等とともにとっても良い仕事をしていきたいと思っておりますので、どうか、どーうか、ご心配なさらず!!!・・・と、ここに、ちいちゃく反論しておくことにします。
かしこ
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