まさにGINGER世代ど真ん中を生きる、田中みな実さん。場を仕切り、盛り上げ、ボケもツッコミもこなす知的な仕事人として、コスメ愛を探究する美容賢者として、チョコレートをこよなく愛する乙女として、その人気と注目度はますます上昇中。 そんな彼女が本音で綴る連載コラム「田中みな実 ここだけ話」。今回は寝るのも忘れて没頭したこと・・・にまつわるお話。(編集部)
今回のテーマ:整理整頓
3日間、殆ど寝ていない・・・。化粧品の整理を始めたらキリがなくなってしまったのだ。父譲りの整頓魔。子供の頃、だらりと過ごす休日の午後に父の「一旦きれいにしよう!」の号令がかかると、私たちはそれぞれの部屋を“一旦”隅々まで片づけなければならなかった。『部屋の乱れは心の乱れ』と口酸っぱく訓えられたおかげで一人暮らしを始めてから部屋が荒れたことは一度もない。
一見整頓されているようで、引き出しやクローゼットの中がごちゃっとしているのもどこか後ろめたい。最近、化粧品棚の分類があいまいになっているのに気が付きながら放置していたのが気にかかり、数日前の夜中に突如ベッドから飛び起きて整理をし始めたという次第。
朝までにコスメは大体整理できたものの、今度はスキンケア類が気になって、結果あらゆる収納の中身を“一旦きれいにしたい”衝動に駆られてしまった。連日のように無印良品に足を運び、大小様々なケースを買い込んでは(小分けの収納は無印に限る!!)徹夜で作業に明け暮れた。
ある程度のところまでくると、【ジャンル不明】【捨てにくい】物が必ず出てくる。大学生の頃に使っていたガラケーの出現には思わず手を止め、中身を確認せずにはいられなかった。
液晶画面に光が点ると思い出が波のように押し寄せた。画像ファイルの写真、ダウンロードした着メロ、発着信履歴。とりわけメールの内容は記憶をより鮮明なものにした。
「こっちに来るんじゃなかったの?」
「明日早いからやめておく。今行ってもどうせ機嫌悪いだろ」
「悪くさせたのは誰よ!」
何年も前の私と当時の彼は1日おきに馬鹿みたいに小さな喧嘩を繰り広げていた。昔のこと。なのに、胸の奥がじゃりっとした。
煩わしいのはもう御免だと、心底思う。そんなものに費やす体力や精神力があるのなら、私は誰にも侵されることのない自分の領域を日々隅々まで整えていたい。今日も今日とて無印へ(笑)。