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TIMELESSPERSON

2018.03.20

香里奈のひとりごと「“20代の自分”に教えてあげたいこと」

『GINGER』の連載「KARINA’S GARDEN」のアーカイブを順番に振り返りながら、“あのころ”と“今”、ときには“これから”を語る「香里奈のひとりごと」。写真好きの香里奈が、連載用に撮り下ろしてきた思い出のショットも紹介します。

香里奈

必要なものを選べる自分であるために

最近は本当に“自分がラクチン”でいられる服ばかり着ている。それは必然的に、着ていてリラックスできるカジュアルなアイテムだったりします。
そして、そんなちょっとゆるめの着こなしに、“いえいえ、単に気を抜いているわけではありませんよ”みたいな(笑)ピリッとした緊張感を足すには、やはりハイブランドの小物が役に立ってくれるのです。

香里奈

GINGER 2010年12月号より

このページは、ルイ・ヴィトン 名古屋栄店のリニューアルオープン(2010年秋)にお呼ばれしたときに撮影。中高生時代から憧れていた、地元のストアレセプションにゲストとしてお招きいただいて「縁も感じたし、ルイ・ヴィトンを持つ大人になって帰ってきたよーって気分になった」と綴っていました。

20代はまだまだ背伸びしていたから、ハイブランドの服や小物をいろいろ試したい時期だったな、と思う。それこそ人気アイテムや限定アイテムは、出合ったときに購入しないと手に入らなくなるので、“今しか買えない!”というフレーズにも弱かった(笑)。
香里奈
最近のブランド小物との距離感は、定番で長く使えるものはもちろん選びやすいが、自分らしさがでるような色やデザインを探したりもしている。私はBasicなカラーの服を普段着ることが多いので、昔から、小物はコーデのスパイスになるようなネオンカラーやヒョウ柄とか派手なものに惹かれる。ちょっとオモチャっぽいデザインだったり、遊び心の感じられるものが好み。ハイブランドなのに、一見そうとは感じさせないルックスで、ハイブランドだからこそ、それが安っぽさとは無縁の個性になっていて。そこには、やはりブランドの実力を感じます。

逆にもっとデイリーなブランドで小物を探すときは、最初は「わ! 可愛い」とルックスから入るものの、次にプライス、それからポケットとかディテールをチェックして、モノの出し入れが面倒な構造だな・・・なんて使い勝手もしっかり吟味したり。コストパフオーマンスをきっちり考えるようになりました。さらに、これと似たようなものをすでに持っているのでは? と、冷静に考えたりもして、最近はあまり気軽にモノを買わない傾向になったかな。

香里奈

本誌より/名古屋でいただいたお抹茶と和菓子。香里奈が撮影。

それはたぶん、大人になるにつれて、ファッション以外にも関心ごとが増えてきて、他のいろいろなことに目が向いているからかも。必要なものだけ買って、必要なことに備えないと、と考え方にも変化があったというか。

(名古屋に対して)昔ながらのいいところは変わらないし、
そこはこれからも変わらないでいてほしいなって思う。
私は東京でもっともっと成長して、
大人になったら、っていう目標たちを
いくつも実現していきたい。

この回の本文でこんなことを綴っていたけれど、あの頃に私が思い描いていた“大人”というのは、今の私ぐらいの年齢を想定しているのかな・・・と考えてしまった。実現できた目標も、まだできていない目標もあると思うけれど8年前と今とでは、確実に異なることがいくつもある。
あの頃の“今”は、今思うと“その瞬間が大事だ!”という考えにしかすぎなくて、未来のためにその“今”を大事にするということに欠けていたと思う。でも、まさに“今”の私は、“これから”を思い描きながら、じゃあ “今、どう過ごすべきか”をなるべく優先的に考えて生きている。

香里奈

本誌より/香里奈が撮影した、名古屋の景色。

家族と過ごす時間の大切さも痛感しているし、仕事との向き合い方も変化しているし。買い物の仕方だけでなく、時間の使い方も変わったと思う。
大人になるって、いろいろなことを知ってラクになるのではなく、いろいろなことが見えてきたから、より複雑。だからこそ、自分という軸をしっかり持たないと何も進まないし、迷ってしまって大変。すべては“自分”がやりたい、欲しい、頑張りたい、と思ってこそ、面白さや楽しさが付いてくるのだと思うから。

だから、あの頃の私に教えてあげたいのは、“今”を楽しみながら、自分の“好き”をしっかり見極めていく訓練をしてね、ということ。自分のことがわかっていれば、必要なモノゴトをきちんと選べるはずだから。

PHOTO=三保谷洋平

STYLING=豊島優子

HAIR & MAKE-UP=木部明美(PEACE MONKEY)

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