2009年に宝塚歌劇団を退団後、舞台やテレビ番組など活躍の場を広げている遼河はるひさん。元男役ならではのかっこよさがあるのに、ふとした表情はピュアで女性らしい。凛としたオーラがあるのに、気さくで親しみやすい。そんな多面性のある魅力で、人気を集めています。 今回は、Netflixが開催したイベント「ネトフリ女子会」にRIKACOさん、鈴木ちなみさんとともに登場し、Netflixオリジナルドラマ『ザ・クラウン』について語った遼河さんにインタビュー。美しいオーラの秘訣は? 年末年始にやるべきことは? など、たっぷりとお話をうかがいました。2017年、いままでよりもワンランク上の自分を目指すための、ヒント満載でお届けします。
葛藤や孤独が、凛としたオーラを生み出す
――本日はよろしくお願いいたします。まずは、ドラマ『ザ・クラウン』の見どころについて教えてください。
「英国王室を描いたドラマなので、普通は見られない世界を覗き見ることができて、わくわくします。私たちには馴染みのない世界のお話なので、果たして共感できるのかなと思っていたんですけど……主人公のエリザベス女王は、ごく普通の女性の感覚も持ち併せた人として描かれているので、苦しみや悩みがすごく共感できる。思わず入り込んでしまいます」
――女王として、一方ではひとりの女性として葛藤するエリザベス女王の姿から、何をお感じになりましたか?
「エリザベス女王は、自分自身でいろいろなことを考えて、葛藤を埋めていきます。好きな人と結婚する、それだけなのにやっぱりいろいろと気を遣う。自分が女王になったときも、国のトップとして旦那さんよりも上に立たなければならない。そういう葛藤が、わかるっていう部分もあるし、ああ、そんなところまで大変なんだ、っていう発見もたくさんありますね」
――先ほどのイベントのトークの中で、エリザベスが女王になると決意した瞬間の、セリフのない演技に鳥肌が立ったとおっしゃっていました。遼河さんも、宝塚時代に華やかな役を演じた経験がおありかと思いますが、気品や風格のある立ち居振る舞いを身につけるには、コツがあるのでしょうか?
「そうですね……やっぱり姿勢ですかね。背筋を伸ばしてすっと立つだけで、気高く見える。まずはそこから入っていきます。
それから、位の高い役であればあるほど、背負うものが大きいんですよね。身分であったり、国のためにこうしなければならないという義務であったり……レールの上を歩かなくてはならないけれど、自分はこう生きたいという、そのもどかしさや葛藤を背負うように意識しています」
――その「背負うもの」が、人にオーラを与えてくれるということでしょうか。
「何かこう、憂いも出るんですよね。凛としてて、品があって。きれいだけれど、どこか陰があるというか」
――それをすべて含めて、風格。
「はい。あと風格の裏には絶対、孤独があるかなって。そういう人ほど孤独が大きいかなって思います。『ザ・クラウン』の中でのエリザベス女王も、旦那さんにも言えず、自分自身と相談して決断しなきゃいけないっていう場面が多くて、やっぱりすごく孤独だと思います」
――その孤独が、その人を凛とさせるんですね。
「どんな悩みも時間を決めて解決します――いつも笑顔でいるために」
――もう少し一般人の私たちにも言えることで、美しいオーラを出す秘訣はありますか? 遼河さんはいつも素敵なオーラを振りまいていらっしゃいますが、日頃心がけていることなどあるのでしょうか。
「えー、何だろ、けっこう笑っていることが多いですかね」
――笑顔でいること?
「はい。それから、ストレスはあまり抱えないようにしています。すぐ吐き出しがち(笑)。溜めたら損だと思うの」
――損、というと?
「例えば会社で上司にいろいろ言われたとき、それを抱え込んでしまったら、相手の思うつぼだと思うんですよ。
宝塚でももちろん怒られることはあるし、例えばそれが出番ぎりぎりに呼ばれて、なんて場合もあるんですけど……落ち込んだまま舞台に立ったところで、何のプラスにもならない。それでセリフとか間違えちゃったら、相手の思うつぼだと。だから、一瞬で切り替えることが大切です。宝塚の下級生にも、そうアドバイスするようにしています」
――誰かに愚痴を言うのは、ダメでしょうか……?
「それでいいんです! それですっきりするなら、それでいい。
でも一瞬で切り替えなきゃいけないときは、自分で決める。10秒だけ、例えばお化粧室に駆け込んですごく深刻に悩んで、考えて考えて、もう無理やりでもいいので、いい方向に持っていく。それが、私のやり方です」
――10秒だけ(笑)
「10秒だけ。ほんとに。例えば何時までに解決するって、時間で区切ることが大切。ここはちょっと真剣に悩んだ方がいいなってときは、紙とペンを持って、ぜんぶ書き出して分析するんです。それでも答えが導けない場合は、すぐ誰かに電話して話してみる。タイムリミットがあることで、ちゃんとやった感があるし、何となく大丈夫な気がするっていう方向に自然と収まっていくんですよね」
――きっぱり切り替えることが、いつも笑顔でいるための秘訣なんですね。例えば仕草などはどうでしょう? 女性を素敵に見せる仕草って何だと思われますか。
「『ひねり』ではないでしょうか。男役ってほんとこう、すとんって座って、こう顔を向けたらいいみたいなところがあるんですけど(実際にやってみせる)」
――おお~かっこいい!
「女性だとそうじゃなくて、無理な体勢ほど綺麗に見えるんですよね。ひねるというか、ちょっとしおっとするかんじ。娘役さんが、ねーえ、ってこう、首をかしげると可愛く見える。それは女性にしかできない仕草、女性の特権だと思います」
「アラサー女性が習い事を始めるなら、お花がおすすめです」
――そろそろ年の瀬ですが、年末年始はどのように過ごされるご予定ですか?
「片付けたい! 今はけっこう忙しくて思うようにできていないので。それに、一年間過ごしてきた部屋を何か変えたいかんじ、ありませんか?
捨てるのもそう。下着を新しくした方がいいとかって言いますよね。よく友人が、今年は何がいいらしいとか、今年は何を捨てるといいとか教えてくれるんですけど……それってけっこう必要かなって。節目に何かを捨てるっていうのは、昔から『気を変える』っていう考え方があるように、大切なことだと思うので」
――では、のんびりするときには何を? 先ほどの「ネトフリ女子会」でおっしゃっていたように、やはりNetflixなどで映像作品をご覧になるのでしょうか。
「そうですね。普段はなかなか何時間も続けて集中して観るっていうことができないので、年末年始は好きなだけ、気になる続きも観れるという意味で持ってこいですよね」
――他には何か?
「料理は好きです。新作を編み出すっていう(笑)」
――レシピを見ずに作るんですか?
「レシピを参考にはしつつ、自分でアレンジを加えて。絶対に失敗しないレパートリーを増やしていきたいんです。急な来客のときとか、ささっと作れるかというとそうでない人も多いですよね。そんなときのために、鉄板を用意しておきたいなと」
――得意料理があるってかっこいいですよね。料理ももちろんですが、女性がスキルを磨くとしたら、他に何かおすすめはありますか? 2017年、アラサー女性が新しい習い事を始めるとしたら……
「お花はいかがでしょう。私は中学のときに習ってはいましたが、それ以来やっていなかったんです。でもテレビ番組で改めてやってみる機会があって、自分のバランス力やセンスが問われるところが面白いなと。お花って、飾ると気持ちも華やかになるし、眺めるだけでリフレッシュできる。偉大な力を持っているなって思うんですよね。だから、習い事を始めるとしたら、華道やフラワーアレンジメントはおすすめです。空間使いや色使いの勉強になるから、センスも磨かれます」
――新年の自分磨きのヒントをたくさんいただきました。ありがとうございました。
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今もなお絶大な影響力を持つ英国女王エリザベス2世。1952年に25歳で即位して以来、彼女が直面した様々な政治的苦悩、妻そして母としての葛藤を重厚に描く。クリエイターは「クィーン」「フロスト×ニクソン」のピーター・モーガンと「リトル・ダンサー」「めぐりあう時間たち」の名匠スティーヴン・ダルドリー。エリザベス2世役に...
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Netflixで独占配信中!
【脚本】ピーター・モーガン
【監督】スティーブン・ダルドリー、フィリップ・マーティン、ジュリアン・ジャロルド
【キャスト】クレア・フォイ、マット・スミス、ジョン・リスゴー ほか
視聴はこちらから: https://www.netflix.com/jp/title/80025678