前作から9年——。2025年を締めくくるにふさわしい最高峰エンターテインメントムービー『ズートピア2』がついに公開! ズートピア誕生のカギを握る重要キャラクターを務めるのは、ディズニー・アニメーション初参加の大人気声優・下野紘さん。ゲイリーへの想い、公開直前の心境、そして仕事観をたっぷりお届けします。
ズートピアには爬虫類が存在しない?!最大の謎に迫る

——ディズニー作品に声優として初出演ですが、いまの率直なお気持ちを教えてください!
ディズニー作品に出演することは念願だったのでとてもうれしかったです! 一方で、『ズートピア』という大人気作品の続編に“カギを握るキャラクター”として出演するので、大きなプレッシャーがありました。ズートピアファンの皆さんにどれだけ受け入れていただけるのか、公開を前に緊張もしています。
——声優として、ディズニー作品はやはり“憧れ”の要素があるのでしょうか。
あります! そもそも、誰もがオーディションを受けられる作品ではないので、オーディションを受けられたこと自体がうれしかったです。

——下野さんご自身もまだ完成は観られていないんですよね。
そうです。スケジュールが合わず試写に行けなかったのですが、公開したら劇場に観にいきたいなと思っています。自分にとって初めてのディズニー作品で、しかもメインキャラクターとして参加させていただいたので、あえて、いち観客として味わいたく思っています。
——公開を前に、さまざまなイベントが行われていますが、やはり『ズートピア2』への期待の高さは感じていますか?
とても感じています。ゲイリー役に決まったことを発表するとき、僕のファンの方に「シークレットイベントを開催します」と呼びかけていたのですが、人が集まらなかったらどうしよう…と焦っていました。さらに野外イベントだったのですが、当日雨が降ってきて、本当に来てくれないのではないかと…(笑)。当日はニック役の森川(智之)さんがサプライズで応援に駆けつけてくださいましたし、たくさんの方にお越しいただけてホッとしました。
——ちなみに、これまで下野さんが登壇した『ズートピア2』の野外イベントは、雨が降ったと伺っています…。
…そうです。もともと僕は雨男ではないはずなので、いろいろと調べたところ、日本において“ヘビ”は雨乞いや雨を降らせる神さまとして崇められていると知りました。『(雨を降らせるのは)僕ではなくて、ゲイリーだからだ!』と、これから大きな声で言っていきます(笑)。

——そんなゲイリーは、ズートピア誕生のカギを握るミステリアスなキャラクターです。
謎のキャラクターと言われているわりに、予告映像などでは、笑顔の表情であったり大声で話していたりするので、明るくてコミカルなキャラクターだと皆さん感じ取ってくださっている方が多いと思います。実際の収録では、コミカルさや賑やかさを前面に押し出していこうと思いきり演じさせていただきましたが、ディレクターさんに「“優しさ”をプラスしてほしい」と言われたので、ゲイリーの明るさはそのままに、優しさを混ぜるということを意識しました。
——漫画や小説などの原作がない作品なので、ゲイリーについて予習することも難しかったのではないのかなと思うのですが、実際に息を吹き込んでみていかがでしたか?
ゲイリーというキャラクターについて想像を膨らませながら、何度も反芻して準備していました。自分なりに楽しくできたシーンもあれば、「もっと(このシーンは)できたのではないか」と思うシーンもあります。今でもずっと考えているほど思い入れの強いキャラクターになりました。
——ストイックにゲイリーと向き合われていたんですね。
これまでの様々な経験を通じて、「こういうことができる」という自負があるので、「『ズートピア2』を盛り上げるためにはどうしたらい良いのだろう」「もっと面白くなる言い方はないか」と考えていました。それは僕だけでなく、キャストのみなさんがこだわって作られているので、いろいろな方の力が集結した作品になっていると思います。

——改めて、声優というお仕事で大事にしていることを教えてください。
いちばん大事にしていることは、観てくださっているお客さんやファンの方がいらっしゃるということを忘れないこと。僕らの仕事は、自分自身が満足するような結果を出すのではなく、自分がしたことを受け取ったお客さんがどう感じるかが評価に繋がります。だからこそ、観てくださる方に楽しんでもらうためにはどうしたらいいのか、ということは常に頭に置いています。
——そういう下野さんの姿勢がファンの心を掴んでいるんですよね。近年では、ラジオやバラエティなど活躍の幅を広げていますが、ご自身にとってどんな経験になっていますか?
僕は自分自身のことを何もできない人間だと思っているので、経験のないことに対して苦手意識があります。ですが、様々なことを経験させていただいている今、「過去にこれと似たような状況があったな」と安心材料になることもありますし、初めてのことでも前向きに取り組めるようになりました。それを自分が演じるキャラクターに反映させることもあり、遠回りのように見えて繋がっていることがたくさんあるなと感じています。
——あらゆる仕事が声優のお仕事に落とし込めるうえに、下野さん自身の経験値も上がると。
そうですね。今までは出会わなかったような方にお会いして価値観を聞いたり、僕自身の考えを話したりすることで見えるものがあって。自分を高めるという意味で、初挑戦は大切にしていきたいと思います。
【大ヒット上映中!】映画『ズートピア2』

監督/ジャレド・ブッシュ(『ズートピア』、『モアナと伝説の海2』)、バイロン・ハワード(『ズートピア』、『塔の上のラプンツェル』)
オリジナル・サウンドトラック/ウォルト・ディズニー・レコード
日本版声優/上戸彩、森川智之、下野紘、江口のりこ、山田涼介、梅沢富美男、三宅健太、Dream Ami、髙嶋政宏、水樹奈々、柄本明、高橋茂雄(サバンナ)、熊元プロレス(紅しょうが)、高木渉、山路和弘、ジャンボたかお(レインボー)
配給/ウォルト・ディズニー・ジャパン
下野紘(しものひろ)
1980年4月21日生まれ、東京都出身。2001年に声優デビュー翌年、2002年にはアニメ「ラーゼフォン」で主役の神名綾人に抜擢される。アニメの主な出演作品に「鬼滅の刃」我妻善逸 役、「僕のヒーローアカデミア」荼毘 役、「進撃の巨人シリーズ」コニー・スプリンガー 役、「ONE PIECE」光月モモの助などがあり、ほかにも「CDTVライブ!ライブ!」でナレーションや「下野入野と夜あそび」(ABEMA)でMCを務めるなどアニメ以外でも幅広く活動している。

