アーティストそして俳優として、活躍のフィールドを広げ続けている川島如恵留(Travis Japan)の連載『のえるの心にルビをふる』。今だからわかったこと、気付いたこと、そして様々な出来事についての自らの考察をつづります。【vol.12≪ポイ活≫】
ポイ活

30歳も残すところ1ヵ月となったTravis Japanの川島如恵留からみなさまにご報告がございます。この年になってようやくちゃんとしたポイ活を始めました。8888。成長しました。
既に8888ポイント貯まったという訳ではなく、これは‟パチパチパチパチ”という擬音を数字で表すというある種の古典的な表記方法でございます。長いですね、説明が。倒置法。うざいです、説明が。
ポイントを貯め始める為に、様々な手続きを踏み、スマホにアプリをインストールし、ホーム画面からワンタッチでアクセス出来るように分かりやすくまとめるところまで、黙々とスマホとそれぞれのパスワードとにらめっこした自分を褒めてあげたいです。
そうまでしてインフラを整備するというのは素晴らしい心意気でございました、自分。偉い。お得。だぁいすき。
そんな苦労を乗り越えた先の最初のポイントカードの提示は、青い看板のコンビニエンスストアでした。今はコンビニでも飲食店でも、なんならガソリンスタンドでもポイントカードの提示を求められるんですねぇ。持ってみて、意識するようになったら急に視野がひろがりました。素晴らしい。おべんりべんり。
以前は、店員さんの「◯◯ポイントカードはお持ちですか?」に対して、口角をくっと上げながら手のひらを左右に振って見せるのがレジでのルーティンだった川島如恵留。今では商品カゴを出すとほぼ同時にスマホに表示されたバーコードを片手にニコッとアピールするまでに成長しました。社交的。初対面で好印象を与えるのが得意なところはENTJらしい部分だなぁと思う川島如恵留。
まだ貯めたポイントを使った事はないけれど、きっと意識して貯めてきたポイントを何かに引き換える時、それは大切に育てた我が子を送り出す、そんな気持ちになることでしょう…どっちもしたことないから分かんないんだけど。多分そう。部分的にそう。
コンビニで貰ったレシートの下の方を見て、もうこんなに貯まったんだ!嬉しい!とニマニマしたのも束の間でした。とあるおにぎり(確かたらこだった気が)の商品名の右側に一定の空白を挟んだその右端には「275円」の文字が記されていました。
え?おにぎりって今300円近くするんですか?え?小学生の頃は105円とかでしたよ?昆布とか鮭が105円で、三角じゃない袋に包まれてるいくらとかお肉系の高級具材が入ってるやつが150円とか180円とかで、いつか105円じゃないおにぎりを食べられるようになりたいな、その高級おにぎりゾーンに、お財布の温度を気にせず涼しい顔でスッと手を伸ばしたいな、って思っていましたよ?
まぁ、そういう意味では願いは叶っておりますけれども、105円だったおにぎりゾーンの常連達が何食わぬ顔で180円台の値札を提げている今、ちょっとした畏怖の念すら感じています。(盛りました。)
2025年は300円のおにぎりが普通だよーって小学生だった当時の自分に教えてあげたら、キャビアが入ってるか、めちゃくちゃでかいかの二択で想像するんだろうし、きっと180円のおにぎりを買うことを躊躇わなくなりそうです。
コンビニでの金銭感覚を鍛える為に、レシートから受け取れる情報を溢すことなくインプットしようとし始めたところまでは良かったんです。そうです、この9月の下旬までは。
忘れもしない、あれは9月30日の出来事でした。
もう勘の鋭い方はお気付きなのでしょうか。2025年の10月から法改正が入りました、あの納税方法です。
そう、ふるさと納税。
正直なところこれをお得にしたいと思ってポイ活の勉強を始めたのにも関わらず、今までやってきた方法と全く同じ形式を「慣れ」でやってしまったことにより、従来通り、ポイントが付与されないまま納税をしました。
<え?なんで?
こんなにもポイ活に前向きになって、数百円のおにぎりに驚いていた自分が、ふるさと納税でのポイ活をし忘れたんですねぇ。アホですねぇ。
<本当になんで?
流石に凹みましたねぇ。数分は茫然自失でしたね。アホすぎるなぁ。
<アホだなぁ。
うわぁ、今回ののえルビ、失うもの多いなぁ。
275円するおにぎりを値段見ずにレジに持って行くんだこの人、っていう冷めた視線と、大事なタイミングで大切な事が出来ない人、っていうこの人しっかりした人間なんだろうなの期待への裏切り。うーむ、期間限定のダメダメ人間モードって事にしてあげてください。
みなさんはくれぐれも勿体無い事はしないようにお気をつけくださいね。かなり大きなポイ活しそびれた悲しきVAMPIREからの遺言でした。1週間後に復活します。またハロウィンで。
【今月のTouch the Heartstrings】

川島如恵留(かわしま・のえる)
1994年11月22日東京都出身。小学生1年からジャズダンスを始めた後、芸能活動をスタートし子役としても舞台にも出演。その後、2007年10月よりアイドル活動を開始。2012年7月にTravis Japanの結成メンバーに。2022年10月に全世界メジャーデビュー。2024年11月22日に初の著書となる「アイドルのフィルター」を出版。2017年青山学院大学卒業。2019年に宅地建物取引士、2023年には国内旅行業務取扱管理者、2024年には総合旅行業務取扱管理者の資格を取得。2024年4月から個人のYouTubeチャンネル「のえるの隙間時間」、同名のXも開設。
YouTube @noelnosukimajikan