GINGERサポーター

GINGERの世界観に共感し、誌面やWEBの企画に積極的に参加、協力してくださるGINGERサポーターを募集します。 サポーターに登録することで、取材や撮影、レポーターなどを体験していただいたり、イベント・セミナーへの参加、 サポーター限定プレゼントへの応募など、数々の特典をお楽しみいただけます。

GINGERサポーターとは

GINGERサポーターに登録する

MAGAZINE

2•3月合併号 Now on sale
This is LOVE

最新号を見る

定期購読はこちら

  • LINE
  • Instagram
  • YouTube
  • TikTok

TIMELESSPERSON

2025.03.31

作詞家・小竹正人が長くスマホの画面を見続けるのは、誕生日くらい

さまざまな経験、体験をしてきた作詞家 小竹正人さんのGINGER WEB連載。豊富なキャリアを通して、今だからわかったこと、気付いたこと、そして身の回りに起きた出来事をここだけに綴っていきます。【連載/小竹正人の『泥の舟を漕いできました』】

第36回「誕生日」

誕生日。8時ちょっと前に起床。
50代ともなると、誕生日を「特別な日」などと思う気持ちは1ミリもなく、いつもと同じ朝。
何通ものバースデーメッセージが届いていたので、半分寝ぼけたまま返信。
職業柄(?)私は、後輩達からの誕生日のメッセージをあたかも採点するかのように読んでしまうイヤらしい癖がある。今年は川村壱馬からのメッセージが秀逸で胸を打たれた。
って、師匠か書評家きどりか?

我が人生もどっぷり後半、知り合いや後輩の数が増え続けたため、メッセージはひっきりなしにやってくる。嬉しいが、キリがないので返礼を中断し、シャワーを浴びる。
突然、シャワーの温度調整の取っ手が壊れた。それを点検するために、マンションの管理人さんがやってくる。近々、シャワーそのものを新しいものに交換したほうがいいとのこと。面倒だなあ。経年劣化…シャワーも私も。

15時にピコ(9歳)とピチャオ(5歳)が「お誕生日おめでとう」を伝えに来てくれた。そのまま我が家でおやつ(常備してある)をあげて、私も一緒に食べる。この子たちと過ごすのが今の私にとっては何事にもかえがたい至福時間。

夕方前、ピコ&ピチャオの弟・ミニロ(1歳9ヵ月)を初めて私の自転車に乗せてみた。チャイルドシートの取っ手を小さな手でしっかりとつかみながらも、すごく喜んでいる。純粋で汚れのない笑顔にちょっと涙ぐむ私。歳をとると涙もろくなるというが、これホント。
子どもたちは家に帰り、私は再び誕生日メッセージへの返信。長い時間スマホの画面を見ていたので、異様に目がしょぼしょぼ。ホントもう、誕生日プレゼントに「視力」が欲しい。誰にももらえないけど。

夜、HIROさん一家と、じいじ(上戸彩父)とその姉君(普段からとてもお世話になっている)など、気楽な人々とファミリー夕飯。LDH kitchenが新しくオープンするお店「BIRD LAB」にて。
多国籍なメニューで、私の好物だらけ。高ぶる気持ちとなぜか経年劣化知らずの食欲。
「こちらエンチラーダになります」
「こちらフムスです」
と、頼んだものがテーブルに届いたので、「ありがとうございます」とお礼を言いながらお店の人の顔を見た瞬間、「え?ええーーーっ?」と今年一番の吃驚。料理を運んできたのがまさかのFANTASTICSの澤本夏輝と堀夏喜だったからである。
2人ともお店のロゴ入りキャップを深々被り、お揃いのユニフォームを着ていたので全く気づかなかった。やられた。私の仲のいい後輩で今夜空いていた2人をHIROさんがサプライズで呼んでくれていたのである。

昔からHIROさんは、思いもよらぬサプライズで人を歓喜させる天才。
してやったり顔の澤夏と堀夏もテーブルについて、みんなで新しい店の料理を堪能。
私の左側では子どもたちがはしゃいだり泣いたりして彩を困らせ、右側ではヒロさんとWなつきが真面目に仕事の話をして、テーブルはかなりのカオスであったが、こういうカオスが私の日常。名付けて、しあわせカオス。

ピコとピチャオとミニロがバースデーケーキを運んできてくれた。店の隅っこでこっそりケーキの準備をしてくれていたのがバレバレだったが、気づかなかったふりでおおげさに狂喜してみせる。
子どもたちはキャンドルの火を吹き消すのが大好きなので、一緒に吹き消す。歳の数だけキャンドルをさしたら、もはやケーキが見えなくなるため、15本ほどになっていた。気を遣わせてごめんなさい。

そして、20時には解散。

昔は、誕生日ともなると、朝まで酒を浴びるように飲み、バースデーケーキなんて顔から食べたものだが、今はほのぼのとした誕生日会。
帰宅して、ひとりになった部屋で、またまた誕生日メッセージへの返信、また返信。スマホ嫌いの私がこんなに長くスマホの画面を見続けるのって誕生日くらい。

こうして、私の誕生日は慌ただしくも穏やかに終わった。
結局、「特別な日」になるのが誕生日の常。
しあわせは加齢と共に徐々に形を変える。

What I saw~今月のオフショット

サプライズをしてくれたFANTASTICSの澤本夏輝(左)と堀夏喜(右)。澤夏が着てるのはLDH kitchenがオープンした料理店「BIRD LAB」のTシャツ。ちゃっかりファッショニスタ堀夏が着ているのは、先月我が家から持っていったUNDERCOVERのスエット。2人ともオシャレなので、私は、買ったのに着こなせない服をこの2人に譲りがち。

誕生日の数日後、藤原樹(THE RAMPAGE)が誕生日プレゼント(新しいWi-Fi)を持ってきてくれた。昔から我が家のネット環境を整えてくれる樹。私が長期の旅行をした際、我が家に泊まりこんで、私の愛猫・空子の世話をしてくれたこともある。かなり疑り深い私が合鍵を渡せるほど信用できる後輩。

先月、我が家の断捨離のことを書いた際、「川口蒼真(KID PHENOMENON)の写真はないの?」的な要望をあまりにも多数いただいたので載せます(隣にちゃっかりファッショニスタがちゃっかり写ってるが)。私は、真面目で性格のいい蒼真を「次世代の一番星」だと思っています。

小竹正人(おだけまさと)
作詞家。新潟県出身。EXILE、三代目J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBE、E-girls、小泉今日子、中山美穂、中島美嘉など、多数のメジャーアーティストに詞を提供している。著書に『空に住む』『三角のオーロラ』(ともに講談社)、『あの日、あの曲、あの人は』(幻冬舎)、『ラウンドトリップ 往復書簡(共著・片寄涼太)』(新潮社)がある。

TEXT=小竹正人

PICK UP

MEMBER

GINGERの世界観に共感し、誌面やWEBの企画に積極的に参加、協力してくださるGINGERサポーターを募集します。 サポーターに登録することで、取材や撮影、レポーターなどを体験していただいたり、イベント・セミナーへの参加、 サポーター限定プレゼントへの応募など、数々の特典をお楽しみいただけます。

GINGERサポーターとは

GINGERサポーターに登録する

GINGERの世界観に共感し、誌面やWEBの企画に積極的に参加、協力してくださるGINGERサポーターを募集します。 サポーターに登録することで、取材や撮影、レポーターなどを体験していただいたり、イベント・セミナーへの参加、 サポーター限定プレゼントへの応募など、数々の特典をお楽しみいただけます。

GINGERサポーターとは

GINGERサポーターに登録する