日増しに暖かくなり、本格的な春の訪れを感じる今日この頃。みなさんは普段よく眠れていますか? 3月18日は睡眠健康推進機構が制定した「春の睡眠の日」。忙しい毎日でも手軽に睡眠の質をアップさせるポイントと、おすすめの食べ物をご紹介します。
現代人の悩み、“睡眠の質の低下”
「寝つきが悪い」「朝すっきり目覚められない」「前日の疲れを持ち越してしまう」など、睡眠にまつわる不満は多くの人が抱えるところ。なかでも、働く男女の約8割が睡眠に悩んでおり、その大半が“睡眠の質の低下”に危機感を覚えているのだとか(※)。働き方の多様化やスマートフォンの長時間使用などによるライフスタイルの変化が著しい現代社会では、生活の夜型化が進んだことで睡眠時間も減少傾向にあります。
不規則な生活や日々の疲れなどにより睡眠の質が低下すると、体や脳の疲労が蓄積され、集中力や判断力の低下を招くだけでなく、長く続けば免疫力の低下や生活習慣病に繋がる恐れも。また、冬から春にかけての季節の変わり目は、朝晩の寒暖差や花粉の飛散など環境の変化も大きい時季。自律神経の乱れなど体にストレスがかかりやすく、睡眠にも影響が出やすいといわれているため、より一層の注意が必要です。「春の睡眠の日」をきっかけに、日々の眠りについて見直してみましょう。
※Emma Sleep Japan 合同会社「コロナ禍における 働く男女の睡眠意識調査」より
人が眠くなる理由とは。睡眠のメカニズムを知っていますか?
睡眠のメカニズムを理解することも、快眠への手がかりのひとつ。私たちの身体には睡眠に関わる2つのメカニズムが備わっています。
「日中にも関わらず、眠気に襲われる」などの症状は、誰しも経験したことがありますよね。これは「恒常性維持機構(ホメオスタシス)」という、「疲労回復のための睡眠」が関係しているから。1日中動き回った日や、頭を使いすぎた日など、疲れが溜まると脳が疲労を感知して、脳と身体の休息を求めることで眠くなるという仕組みです。
一方、疲れの有無に関わらず、決まった時間帯に目が覚めて夜は眠くなるという、睡眠・覚醒のリズムに伴った「体内時計による睡眠」も存在しています。この仕組みには睡眠ホルモンとも呼ばれる“メラトニン”が関係しており、夜にかけて分泌量が増えるメラトニンが体内時計に作用し、眠気を感じるようになるのです。
また、眠気には体温が大きく関わっており、「深部体温」といわれる内臓の体温が下がり始めると眠気が起きます。私たちには体内時計と連動して、深部体温は日中に高く、夜間に低くなるというリズムがあり、就寝前に深部体温が下がることで眠気が生じ、自然な眠りにつながると言われています。
今日からできる「快眠習慣」
良い眠りを得るには、睡眠の質を低下させないことが重要。十分な時間に加え、規則正しい生活習慣を心掛けることが大切です。スムーズな入眠も快眠のカギとなるため、以下のことに気を付けましょう。
まずは、就寝前は全身の緊張を和らげる「副交感神経」を高めて身体をリラックスさせること。寝る前のスマートフォン・パソコンなどデジタル機器の使用は、ブルーライトが視神経を刺激して脳が覚醒モードに。睡眠ホルモンの分泌を抑制するため、睡眠の質を下げたり、不眠の原因にもなることが知られています。
また、寝る直前の食事や、アルコール・カフェイン等の摂取も、交感神経を刺激するのでNG。デジタル機器の使用と共に、就寝3時間前頃から控えるのが理想的です。
そのほかにも「身体が冷えている」「熱いお風呂に入浴したばかり」の時も、交感神経が刺激され寝つきにくい状態。就寝の2~3時間前にぬるま湯で入浴するのがおすすめです。ぬるめのお湯に浸かることで身体がリラックスモードに切り替わるほか、ゆっくり湯冷めさせることで深部体温が下がり、寝つきが良くなる効果があります。
さらに、「体内時計」を整えることも睡眠の質を上げるポイント。体内時計は光と食事に影響を受けるため、起床したらすぐに太陽の光を浴びることが大切です。また、朝食は起床後1時間以内を目安に摂るのがベスト。体内時計がリセットされ一気に活動モードへ!
習慣化することで睡眠と覚醒リズムが整い、質のよい眠りを得られるようになるので、できることから始めて日々の快眠を手に入れましょう。
睡眠の悩みが食べ物で解決する?!
実は、睡眠の質を改善するには生活習慣だけでなく、毎日の“食べ物”も大きく影響していることが判明! 睡眠の悩みに沿った栄養素を意識的に摂取して、効果的に睡眠の質をアップさせましょう。
寝つきが悪い場合には、アミノ酸「グリシン」を含む食材がおすすめ。グリシンには体内時計に作用して深部体温を下げ、スムーズな睡眠へ導く作用があると言われています。エビやホタテ、イカなどの魚介類に多く含まれます。
また、眠りが浅く、寝ても疲れが残っていると感じる人は、ストレスや自律神経の乱れが原因かも。寝具や調光を工夫して出来るだけストレスを取り除くようにするとともに、寝る前の飲食を控えて消化管を休ませることも大切です。精神の興奮を抑え、心身をリラックスさせる作用のある「GABA」を含む食べ物を取り入れてみましょう。GABAは、発酵食品、キノコ類、雑穀類、トマトなどに多く含まれています。
さらに、目覚めが悪い時は「トリプトファン」が効果的。トリプトファンは、日中は脳内で幸せホルモンと呼ばれ自律神経のバランスを整える働きのある「セロトニン」に変化し、夜になると睡眠を促す「メラトニン」に変化します。そのため、トリプトファンが不足すると、規則正しい生活を送っていたとしても、睡眠の悩みが出てくる場合があります。体内では作れない成分なので、意識的に取り入れるのが吉。トリプトファンが多く含まれる食品は、豆腐や味噌などの大豆製品、まぐろ、牛肉、卵、牛乳などのたんぱく質、穀類、バナナなど。また、ビタミンB6はセロトニンの合成に必要なので、ヒレ肉やささみなどの肉類、青魚などを食生活に積極的に取り入れてみましょう。
手軽で便利!コンビニでも買える「快眠食品」
睡眠の質を高める食品や栄養素をきちんと摂取したいところですが、毎日料理を作るのは難しいときもありますよね。そんなときにおすすめなのが、睡眠に効果的な栄養素を含む飲み物やお菓子。仕事や家事の合間に、手軽に楽しく摂取しましょう!
「お休み前に飲んで、寝ている間に疲労回復したい」という人に!
睡眠系アミノ酸「グリシン」が睡眠の質改善をサポート。タウリンやビタミンB群が配合され、疲労回復や、栄養不良に伴う目覚めの悪さ・眠りの浅さの改善。疲れだけではなく、肌荒れや乾燥など、肌の不調にも効果的。ノンカフェインなのでおやすみ前にも。1本7kcalの低カロリー、フルーティでさわやかな「カシスグレープフルーツ」風味で、女性にもおすすめ。
「ストレスを緩和させたい」という人に!
睡眠の質(眠りの深さ、すっきりとした目覚め)を高める機能が報告されているγ―アミノ酪酸(GABA)を3粒に100mg配合。就寝前に食べやすい甘さ控えめのビター味だから、おやすみ前のリラックスタイムにぴったり。
「せっかくなら小腹の足しにしたい」という人に!
お菓子感覚で食べられるバナナチップスは、睡眠ホルモンを作る栄養素、「トリプトファン」を手軽に摂取できるのでおすすめです。そのまま食べるのはもちろん、ヨーグルトなどにかけてアクセントにしても◎。
よい睡眠を導くためは日々のちょっとした心がけが大切です。生活習慣の改善はもちろんのこと、快眠に効果的な栄養素を含む食べ物を上手に取り入れて、明日への活力を養いましょう!
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