ウェルネスに関わることや、暮らしを豊かにする情報には常にアンテナを張っておきたいもの。フリーライターの和多亜希さんが、取材から得た今知っておきたい情報をご紹介。
気温が上がり、汗ばむシーズンが到来。同時に、女性にとっては汗のニオイが気になりだす時季でもあります。制汗剤や柔軟剤でニオイケアするという人が多くなり、ニオイケア市場は昨今右肩上がりなのだとか。
原因は汗ばかりでなく、コロナ禍によるストレスや運動不足もニオイと大きく関係しているようです。紫外線やストレスなどが原因で発生する活性酸素が増えすぎると、抗酸化力とのバランスが崩れ、酸化ストレスが大きくなります。この酸化ストレスが増えると、ニオイが強くなってしまうようです。今回はニオイケアについて、済生会川口総合病院皮膚科主任部長の高山かおる先生にアドバイスしていただきました。
30歳前後の女性も加齢臭に注意!
加齢臭はオジサンばかりではなく、女性からも発生するのだとか! 皮脂に含まれる9-ヘキサデセン酸などの脂肪酸が酸化された脂質である過酸化脂質と反応すると、脂臭いノネナールを発生。「加齢臭の原因であるノネナールという物質は30~40代から発生しますが、活性酸素と関連があり、体質や環境によってはさらに早くなることもあります」と高山先生。
加齢臭の予防方法として酸化ストレスを起こさない生活に改善するために、タバコや大量のアルコール摂取を控えることはもちろん、ストレスや疲労を溜めないこと。適度な運動を行うことも大切だそうです。
制汗剤は汗の量を減らすのが狙い
これからの季節、特に気になるわき汗や足の汗。汗そのものにニオイはなく、皮膚の常在菌が繁殖してニオイになるのだからマメに拭けばいいと分かっていても、なかなか拭けないものです。そこで、活躍するのが制汗剤。制汗剤は、ニオイを抑えるのでなく、汗の量そのものを減らしてその結果ニオイを抑えているのだとか。「制汗剤を使って汗の量をコントロールすることで、ニオイのストレスを減らすことができます」
ニオイそのものを抑えるのがデオドラントの働き
汗がべたつきやすい首筋やデコルテ、胸の谷間なども日中よく気になるところ。「汗をかいたらマメに着替える、タオルを持ち歩いてマメに汗を拭くなどして、上手に汗と付き合い、自身のニオイをストレスにしない習慣を身につけることが大切です」と高山先生。
デオドラント剤は、制汗剤のように汗の量をコントロールするのではなく、汗が元となって発するニオイを抑えるのが目的。殺菌作用や消臭作用のある成分が含まれ、汗の量よりもニオイが気になる箇所にはデオドラント剤で対策を。
汗ばむ季節はジェル石鹸で全身ニオイをオフ
「体を洗うときにはニオイが気になるからとゴシゴシと擦るのではなく、肌に負担をかけずに肌表面のニオイの元となる汚れや汗を簡単に洗い流してください。潤いを残しつつ、ニオイを落とすものを選ぶようにしましょう」(高山先生)
適切なケアで気になるニオイを最小限に抑えれば、ストレスのない夏を迎えられそうです!
高山かおる(たかやまかおる)医師
済生会川口総合病院皮膚科主任部長。東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科皮膚科特任准教授も併任。山形大学医学部卒。専門は接触性皮膚炎、フットケア。日本皮膚科学会認定皮膚科専門医。『皮膚科医が教える本当に正しい足のケア』(家の光協会)他、フットケアに関する著書多数。