いつも機嫌良くいたいと思っていても、ついイライラしてしまう・・・というのはよくあること。そんなときにどうしたらいい? 精神科医とミュージシャン、2つの顔を持つ星野概念さんに教えていただきました。
まずは不機嫌のメカニズムを知ることこそが、上手な対処への第一歩です。
自分にとって心地よいバランスは?
一般的に「不機嫌」というと、理由なくイライラし、それを他人にぶつけているイメージがある。でもそれは、本当に原因がないわけでもない、と星野さん。
「生活環境などからくる小さな“心地悪さ”の蓄積が、何かのきっかけで表に出るのが不機嫌と言えます。心のキャパを圧迫する不快感を取り除くと、衝動性をコントロールする余裕が生まれる。すなわち機嫌良くいられるのです」
それでは“心地よく”暮らすとは?
「本来は自由気ままに生きることこそ心地よいはずですが、人間は社会性のある生き物。自分の欲求を優先して社会規範から外れると、次は集団から批判されたりという“心地悪さ”が生まれてしまう。双方のバランスを取ることが重要です」
このバランスを欠く人の多くは「社会規範」に偏りがちと星野さんは分析する。
「幼いころから社会規範を教えられ、自分の“心地よさ”を知らない人が多い。自分の心と体がどうすれば喜ぶのかを知るには、まず五感を磨くこと。例えばネットのクチコミに頼らず自分の舌で飲食店の良し悪しを判断する。そういうことを繰り返すことで、少しずつ自分ならではの“心地よさ”を掴むことが大切です」
いざ不機嫌になってしまったときどうする?3つのポイントを押さえて早期解消!
POINT 01:社会規範にとらわれていないか? フラットな目線で考える
「こうしなきゃ、ああしなきゃ、と社会規範を意識するあまり、自分を追い詰めてしまっていませんか? 自分の欲求を優先すること、そんな自分を許すことも時には必要です」
POINT 02:「他責的」な自分を見つけたら、別の方法で「発散」を!
「人はフラストレーションが溜まると“発散”“自責”“他責”のいずれかで対処します。なかでも理不尽に他人を攻撃する“他責”に注意。できるだけ“発散”を意識しましょう」
POINT 03:自分にとって心地よくない要素はできるだけ排除する
「自分にとって心地よい環境を整えて、それに反する要素はシャットアウトしましょう。そうするだけで気持ちが緩み、衝動的な感情を抑える余裕が生まれるはずです」
教えてくれたのは・・・
星野概念さん(精神科医・ミュージシャン)
総合病院に勤務しながら音楽活動や執筆活動も行う。著書に『自由というサプリ』(リトルモア/いとうせいこう氏と共著)などがある。