ヘア&メイクアップアーティスト小田切ヒロさんが、名作のヒロインをオマージュしたメイクルックを披露。今回のゲストは、谷まりあさん。【連載「MAKE YOU HEROINE」】
自分を解放できるようになったとき個性はすごく武器になる
「エミリー、パリへ行く」は、リリー・コリンズ演じるアメリカ女性エミリーが、シカゴからパリに移住し、恋や仕事に奮闘する様子を描いたNETFLIXの人気ドラマ。とびきりおしゃれなパリのアメリカ人・エミリーに、谷まりあさんがメイクで変身!
「今回のエミリーのメイクは、 特別に作り込んだということなく、まりあさんがもともと持っている“素材”をそのまま活かしました。何も掛け合わせていないのに、見事にエミリーそのものに変身できているのは、まりあさんのパーソナリティがエミリーに通じていたということ。
アメリカから言葉も文化も違うパリへ移住しても物怖じせずに、フランスの社会になじんでいく――主人公・エミリーの姿は、マインドが早熟しているまりあさんと共鳴する部分だと感じたわ。
メイクをしているときにまりあさんが、自分の眉が好きじゃないって教えてくれたの。誰が見てもうらやましくなる、素敵な眉なのに…。みんな『ないものねだり』なのね。若いときって、なかなか自分の良さが受け入れられないけれども、30代になって自分を解放できる大人になったとき、自分にしかない個性はすごく武器になると思うの。大人になって、もうちょっと自分のなかで自由の幅が広がったとき、もっと自分の素材を活かしたほうがいいと自然に思えるはず。
完璧を求めすぎてしまうと、人間らしさや自分自身の個性が逆に隠れてしまうから。“いかに崩すか”が、大人になるほど大切なのよ。エミリーのように、楽しみながら日々いろんなファッションやメイクに挑戦して新しい自分を見つけてほしいわ」(小田切さん)
「素敵だなと思う女性は、自分の“好き”をわかっている人。情報やモノがあふれる現代において、『私が好きなのはこれ!』と言える意志ある人に惹かれます。「エミリー、パリへ行く」の主人公・エミリーもそのひとり。自分の好きがわかっていて、好きを積み重ねて生きている。自分の“好き”を知る、理解するためにはいろんな経験を積まなければならないから、20代の今は、意識的に好き嫌いをつくることなく、食べ物でもファッションやメイクでも『何でも挑戦したい!』という気持ちで、偏見を持たないよう心をオープンにしています。エミリーみたいな大胆なファッションにピンクのリップでおしゃれをすると、自然と心にパワーが生まれますね。新しい自分に出会えました」(谷さん)
眉毛の“素材感”を引き算する。自眉を活かした眉マスカラのツヤで仕上げて
「眉=マットと思い込んでいる人が多いけれど、オールマットにしてしまうと少し強すぎる印象になってしまうの。クリアな眉マスカラで眉毛をツヤっぽい感じに仕上げることで、抜け感を生み出して。あえて引き算したり、崩すことで生まれるのは完璧ではない美しさ。メイクに完璧を求めず、上手に崩せる人は洗練された印象に見えるのよ」(小田切さん)
自眉を活かして、エミリーみたいな意志のある眉へ
「アイコニックなエミリーの眉は自眉を活かして、透明マスカラで眉頭を少し立てるように立体的に見せているの。もし自眉が少し薄いと感じるなら、ペンシルまたはパウダーで眉頭に3本ほど眉を足すイメージで描いたあと、ピンクのパウダーを全体にフワリとのせ血色感を出して。最後に眉頭1〜1.5cmの眉毛を立てるようにクリアマスカラをのせて」(小田切さん)
使用アイテム
柔らかい質感の眉になれるロージーニュアンスのアイブロウパレット。右のブラウンを付属のブラシで眉頭に3本の眉毛を足すように線を描いたあと、ピンクのパウダーを全体にふんわりオン。繊細なピンクパールを配合したクリアなアイブロウマスカラは、毛流れを整え、自然な立体感を生み出す。アイブロウペンシルは、大人っぽくフェミニンな印象になれる洗練の赤みブラウンをチョイスして。
谷まりあ(たにまりあ)
1995年7月28日生まれ。東京都出身。日本テレビ「世界の果てまでイッテQ!」での“出川ガールズ”をはじめ、タレント、モデル、女優としてマルチに活躍。Instagramのフォロワー数は250万人超え。スタイルアイコンとして年代や国籍を問わず支持されている。
小田切ヒロ(おだぎりひろ)
圧倒的なセンス、高い技術力、さらに引き込まれる話術で魅了する人気ヘア&メイクアップアーティスト。YouTubeやオンラインサロンでは視聴者やファンに寄り添い、真摯に向き合い悩みを解決。