ヘア&メイクアップアーティスト小田切ヒロさんが、名作のヒロインをオマージュしたメイクルックを披露する不定期連載「MAKE YOU HEROINE」。今回のゲストは、モデルのせいらさん。
「いろんな顔を持つこと」が何よりも大切だと思っている
1960年代にモデル兼シンガーとしてデビューしたツイッギー。折れそうなほどの華奢な体型から“小枝”の意味を持つ「TWIGGY(ツイッギー)」の愛称で親しまれた。ボーイッシュなベリーショートに人形のようなドールアイは、世界的なファッションアイコンとなり16歳でトップモデルに。
「ミニスカートからまっすぐに伸びる美脚。ダブルアイラインに束感のあるまつ毛、“ツイッギー・カット”と呼ばれるボーイッシュなベリーショートヘア――
1960〜’70年代に一世を風靡し、世界中の女性たちが彼女のスタイルを真似てミニスカート&ショートカットへ。ファッション&ビューティの価値観までも変えたツイッギーは間違いなくものすごく大きな影響力を持つモデルのひとり。彼女のキャリアは、ヴィダル・サスーンが髪をとても短くカットしたことから飛躍したと聞いたことがあるの。モデルとしては小柄だった彼女のヘアを大胆なショートヘアに変えたことでツイッギーの小顔と細く長い脚が引き立ち、“ミニスカートの女王”といわれるまでに。
私はずっと『いろんな顔を持つこと』が何よりも大切だと思っているの。“いいな!”と思ったエッセンスをメイクやファッションでどんどん取り入れていく。また時には、人に委ねることも大事。自分ではちょっと違うかもと思っていることだって挑戦してみたら、意外に褒められたり好かれたり。想定外のことも怖がらずにキャパに入れてみたら、自分自身の幅が無限にどんどん広がっていくから。意思があってモデルという仕事を愛しているせいらさんには、そんなツイッギーが持っていた潔さや可能性をとても感じたの」(小田切さん)
「’60年代に誰もが憧れて、彼女のファッション、ヘアメイクをこぞって真似した――社会現象にまでなった“ツイッギー”というアイコンの存在は母から聞いたことがありました。この撮影をきっかけに彼女を調べてみたら可愛く、かっこ良くミニスカートを着こなしている存在感に圧倒されました。
私はモデルを始めて7ヵ月目なのですが、顔の角度をちょっと変えるだけで自分自身が別人に見えることに驚いたり、笑顔や柔らかい表情が苦手だったり…まだまだ、たくさん学ばなければならない。今見ても新鮮な、ツイッギーの表現力や個性がとても刺激になりました。束感のあるまつ毛もすごく可愛いなって(笑)」(せいらさん)
「いいな!」と思ったエッセンスはどんどん取り入れて
「ツイッギーの特徴でもあるダブルアイライン&束感まつ毛…’60年代風アイメイクは、時代を超えても私たちを刺激する素敵なメイク。でも、ツイッギーメイクをただ真似するのではなく、現代風にアレンジすることが肝心よ。マスカラは上まつ毛にだけ塗り、ピンセットを使って3本ぐらいにまとめた束感を出して。下まつ毛は、斜め45度×3mmの長さをアイライナーで描くの」(小田切さん)
フワッと仕上げた太めの眉と黒のラインで新鮮な印象へ。
「最近はニュアンスアイライン一辺倒。締めない目がちょっとだけ古く感じてしまうの。目はそろそろ締めたほうがいいんじゃないかって。時代のアイコンのアイライナーは絶対に黒。ブラックのライナーをこの秋は復活させて。眉を細くしてしまうと、’60年代そのままになってしまうから、現代的にするために少し太めに描き、一本一本をフェザーっぽくフワッとさせた印象に仕上げて」(小田切さん)
使用アイテム
2011年に発売されて以来、世界的に大ヒットを記録したランコムのマスカラが、フォーミュラを新たについに日本上陸。きれいにセパレートされたドールアイをウォータープルーフで叶える。
繊細ラインを狙った場所へしっかり引きたいなら、直径1.5mmの極細芯を採用した絶妙な柔らかさのトーンのジェルアイライナーを。ジバンシイのアイシャドウパレットは、 マット、シマー、メタリックの3種のテクスチャーが揃う。コーラル〜コッパーを中心に9色で構成された贅沢なアイシャドウ。
せいら
2000年11月24日生まれ、東京都出身。’21年3月にYouTubeチャンネル「せいら」を開設。今年からモデルとしての活動もスタート。雑誌『anan』のスペシャルエディション版の表紙を飾ったことで話題に。
小田切ヒロ(おだぎりひろ)
圧倒的なセンス、高い技術力、さらに引き込まれる話術で魅了する人気ヘア&メイクアップアーティスト。YouTubeやオンラインサロンでは視聴者やファンに寄り添い、真摯に向き合い悩みを解決。
小田切ヒロの【MAKE YOU HEROINE】をもっと読む。