タンポンと同じように腟内に挿入し、経血をためて使用する生理用品“月経カップ”をご存知ですか? GINGER WELLNESS LABOでは、この月経カップに詳しいゲストをお招きし、勉強会を実施しました! 後日、実際に使用してみたメンバーのレポートと合わせてぜひご参考に。
月経カップは経血が外に出る前にためておく仕組みのため、生理でないときと同じような日常が過ごせるうえ、洗ってくり返し使えるため地球環境にもお財布にも優しいというすぐれものです。そのほかにも、
・ナプキンによる蒸れや肌荒れを軽減
・(経血が空気に触れないため)においを軽減
・自分の経血量が把握できて健康管理に役立つ
といったメリットが!
日本では使っている人が少ないものの、実は80年も前にアメリカ人女性により発明されたという長い歴史があり、改良が重ねられた現在では、欧米を中心に世界で広く使用されています。
今回お話を伺ったのは、さまざまな月経カップを販売しているインテグロ株式会社の月経カップアドバイザー、木下綾乃さん。
木下さんによると、月経カップを使ってみたい!と思ったとき、大切なのは次の2つ。
1. 月経カップそのものについて知ること
2. 自分の体について知ること
月経カップの構造や使い方はもちろんのこと、カップを挿入する先=体についても正しい知識を持つことで、カップと“仲良く”なれるのだそう! ここからは、木下さんに教えていただいた内容を簡単にまとめてご紹介していきます。
1. 月経カップについて知る
どんな素材でできている?
主な月経カップの素材は、耐久性が高く、生体適合性も立証されている医療用シリコーン。膣に入れて使うということで柔らかいかと思いきや、触ってみると、意外としっかりとした弾力があります。これには2つの理由が。まずは小さく折り畳んで膣内に挿入したあと、パッと開いて正しい形状を保つため。そして、使用中にずれたり歪んだりしないよう、膣の壁にぴったりと密着させるため。
この形には意味がある!
月経カップはどのメーカーのものを選んでも、似た形をしています。それぞれの部位には役割が。
リム(縁):膣の壁と密着し、経血が漏れないようにサポート
空気穴:カップ内に空気を通すことで、着脱をスムーズに
目盛り:経血量が確認できる
リブ:取り出すときに、指の滑り止めになる
ステム:取り出すときに、カップの位置を知らせてくれる
「取り出すときはステムを引っ張るのではなく、ステムを頼りにリブをつまみ、空気穴から空気が抜けるように動かす」など、それぞれの役割を知っておくことで、見えない膣のなかでもコントロールしやすくなるのです。
お手入れ方法は?
新しいカップを使うときは、煮沸消毒を(10分程度)。生理期間中は1日に1回、ぬるま湯と低刺激性石けんで洗浄。生理が終わったら煮沸消毒し、次の生理まで通気性のよいポーチなどで保管します。
2. 体の構造について知る
膣には自浄作用がある
木下さんが月経カップアドバイザーとして活動するなかで、「洗って繰り返し使うのは衛生的に不安」「アルコール消毒してもいい?」といった質問をよく受けるそう。しかし薬品を使った消毒などは膣への刺激が強く、シリコーン素材を傷める可能性も。使用前に手を洗うなどの基本的な衛生管理さえすれば、あとは膣の自浄作用に任せてOK。
真上に入れるのはNG!?
膣の入り口の場所はわかっていても、その先、体のなかでどうつながっているのか、なかなかイメージがつかないもの。実は、膣は後傾している(お尻や尾骨の方向に傾いている)そう。つまり月経カップを挿入するとき、真上に入れようとしてもうまくいきません。斜め後ろ方向に入れ、斜め前方向に出すのがコツ。
あとは練習あるのみ!
カップについて、そして体について理解したら、いよいよ出し入れの練習をスタート。カップは小さく折りたたんで膣に挿入しますが、実はこの折り方にはいくつものパターンがあり、人によって好みが違うそう。詳しい折りたたみ方や、練習の仕方は、インテグロの公式YouTubeチャンネルでも紹介されているので、ぜひ参考にして、自分に合ったパターンを見つけてください。
木下さんのレクチャーを真剣に聞いていたLABOメンバーたち。ひと通り説明が終わったあとも、さまざまな質問を通して、疑問を解消していました。「ぜひ試してみたいです!」「メリットしかないですね」など、正しい知識を得たことで、気持ちの面でのハードルがぐっと下がった様子。後日、実際に試してみたメンバーのレポートも掲載していますので、ぜひチェックしてくださいね。
インテグロ
https://www.integro.jp/