親からも、学校でも教えてくれなかったデリケートゾーンの話。たとえ何か悩みがあったとしても、友達に言うのも恥ずかしいし、誰に相談していいかわからない・・・とストレスを抱えている人も多いのでは? そこで、20年以上前からデリケートゾーンのケアの大切さを提唱している植物療法士・森田敦子さんに、女性の器官、腟についてお話を伺いました。
腟は女性の聖域。デリケートゾーンをケアすることで自信に繋がる
森田さんはケアを通して、近くて遠い“腟まわり”に光を当てた第一人者。
「腟の話をすると卑猥(ひわい)と思う人もいますが、腟は子宮=臓器と外を繋ぐ大切な所。排泄器官ですが、月経と付き合う、パートナーと愛を育む、そして新しい生命を生み出す場所ですから、聖域だと思うんです。
形や色は10人10色。清潔にし、自分の快感を相手に語ることができて、聖域なんだという意識があると、自分への自信に繋(つな)がっていく場所。そう思うと、早速ケアを始めたくなりませんか?」
まずは「デリケートゾーン=腟まわり」の名称を知っておこう
「デリケートゾーン=腟まわりを理解していないがゆえに、かゆみやムレなど経験しなくてもいいトラブルを引き起こし、不妊悩みに発展してしまう場合も。ケアのスタートは、名称やしくみを知ることから。顔をケアするのに、部位を知らない人はいません」。デリケートゾーンのケアは、スキンケアと同じくらい大事にしたいこと。ここで女性の陰部の部位について、しっかり覚えましょう。
恥丘[ちきゅう]
陰毛が生えている、ふっくらしている部分。恥骨と呼ばれる骨があり、生殖器を保護。“恥”とあるけれど、むしろ美丘と呼びたい!
大陰唇[だいいんしん]
恥丘下から肛門の手前にあり、左右に盛り上がっている部分。尿道や腟口を覆って保護。汗腺や皮脂腺が多く、色素沈着しやすい。
小陰唇[しょういんしん]
大陰唇の内側にある平行した2枚のひだ。弾力性と伸縮性があり、性的な刺激により充血し大きく。大きさに個人差がありますが、問題はありません。
陰核[いんかく]
小陰唇の前方の突起部分。別名、クリトリス。血管と神経組織が集まり、刺激を受けると勃起。快感のためにある唯一のもの。
腟前底[ちつぜんてい]
大小陰唇に囲まれた部分で、粘膜でしっとり。骨盤低筋群のひとつ、球海綿体筋があり、腟口のバルトリン腺を圧迫する役目を持っています。
会陰[えいん]
大小陰唇がくっついている後ろ部分から肛門まで。2~3センチの幅で、出産時は赤ちゃんの大きさにも耐えられる伸縮性があります。
腟口[ちつこう]
腟まわりの中央にある部分。腟は、子宮まで続いている長さ7~8cmほどの器官で、その入り口。柔らかい粘膜でできています。
ケア方法1:清潔に保つことが大事!
「腟まわりは吸収力が高い部分。余分なものが含まれていない洗浄料を使うことが大切です。髪にはシャンプーを使うように、専用のものを用意するのが理想。お湯だけで洗ったり、pHが低いものでは、大陰唇と小陰唇の溝に溜まる恥垢が取り切れないことが。脱毛をしていない方は、より丁寧に洗うこと」。
かゆみやかぶれを防ぎ、トラブル回避のためにも、丁寧な洗浄を心がけて。デリケートゾーンケア先進国の洗浄料からまずはチェック!
米国シェアNo.1!ふんわり泡の洗浄料
医薬品メーカー発。角質層が薄くデリケートな部分に使いやすく、肌に刺激を与えない柔らかな泡状。独自の香りでニオイもカット。デリケートゾーンは、下着などの摩擦で肌トラブルを起こしやすい場所。ゴシゴシ強く洗わないように注意!
スウェーデンで誕生!オイルクレンジング
オイルでクレンジングしながら、保湿もしてくれる。ローズマリーの香り。オーツ麦のオイルを配合し、皮膚に潤いを与え、肌を健やかに整える。
ドイツ生まれのジェルタイプ
天然の乳酸配合で、デリケートゾーンのバリアに最適なpH値を保ちながらクリアに洗い上げる。抵抗力をキープ。
ケア方法2:乾燥は禁物
「ショーツにストッキングをはけば、ビニールで締め付けているような状態。ムレることで、かゆみやかぶれの原因となり、掻いて炎症に・・・なんて声の多いこと! かぶれやかゆみを防ぐためにも、保湿は重要。腟まわりの皮膚に“塗ってはいけないところ”はないので、気になる部分に塗って」
下着の中は、汗をかきやすくいつだってムレやすい環境。そして、お風呂で洗いっぱなしにしておくと、乾燥を招いてしまうので注意。フェイスやボディのスキンケア同様、保湿を。粘膜OKなアイテムなら、プレジャー使用にも。
ローズが香る保湿ローション
日本女性のために開発。ダマスクバラ花水などを配合し、腟表面の乾燥をケア。潤滑ジェルローションとして使用しても。お風呂上がりの使用がおすすめ。
英国ではクリニックでも入手可能
体液のようなみずみずしいローションが、皮膚の乾燥を防ぐだけでなくデリケートゾーンのpHバランスもキープ。痛みやかゆみから皮膚を守る。
体調、年齢に左右される潤い不足に
日本初、クオリティ・オブ・セックスを高めることをテーマにしたシリーズ。食品グレードにこだわり、体の奥まで潤いを。
デリケートゾーンの悩みは誰しもが持っているもの。ケアすることは、かゆみやかぶれの症状を予防するだけでなく、その意味を理解して慈しむことで、精神的な健康も手に入れられるはず。日常のスキンケアと同様、手をかけてみては?
ただし、我慢できないほどのかゆみなど、症状がある場合は感染症などの可能性もあるので医師に相談を。
教えていただいたのは・・・
植物療法士 森田敦子さん