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LIVING仕事

2024.03.13

東京・羽田から約2時間!奄美大島で見つけた新しい生き方・働き方

2021年に世界自然遺産に登録された奄美大島。海に、山に、豊かな自然に囲まれた神秘的な島に魅せられて、移住を決める人が後を絶ちません。日本航空の客室乗務員、持木絹代さんもそのひとり。持木さんの移住に至るまでのストーリーとマストゴー スポットをご紹介します!

実は近い!羽田から直行便で2時間

奄美大島へは東京・羽田空港から日本航空JALの直行便が楽ちん!
鹿児島空港で乗り継ぐルートもあります。所要時間は4時間ほど。

鹿児島県の南に位置する奄美大島は、日本全国の離島のなかでも沖縄本島、佐渡島についで3番目に大きな島です。なんとなく小ぶりな島を想像していたらびっくりするほど、実は大きい! 奄美空港のある北部から、南部の瀬戸内町まで車でも約2時間半かかります。

奄美大島は2021年に世界自然遺産に登録されました。暖かくて湿度が高い亜熱帯性の気候のもと、島の多くを占める森にはほかの地域では見ることのできないアマミノクロウサギやルリカケスなど、数多くの固有種や稀少生物が生息しています。また、「アマミブルー」ともいわれる透明度の高い海には、サンゴ礁や熱帯魚、ときにウミガメを横目にダイビングやシュノーケリングを楽しむことができます。

そんな自然豊かな土地ながら、東京・羽田空港からは日本航空JALの直行便で2時間と好アクセス。大阪(伊丹)、福岡、鹿児島からも直行便が出ているので、移住はもちろん、二拠点生活での往来の良さが魅力です。

初旅行で移住を決意したJALふるさとアンバサダーの持木さん

JALふるさとアンバサダーとして、奄美大島に移住。その魅力を届ける客室乗務員の持木絹代さん。

3年前、旅行で初めて奄美大島を訪れて「ここに住んでみたい!」と強く思ったというGINGER世代の持木さん。幼少期からの憧れだった客室乗務員として働きながらも、当時はコロナ禍ということもあり島との行き来が難しかったことから、移住を考え始めたそう。

そんなとき働いている日本航空の制度で、自身の故郷やゆかりのある地域に移住してその土地の魅力を発掘する「JALふるさとアンバサダー」を知って応募。2022年春から鹿児島支店 奄美営業所に勤務することに。

「また訪れたいと思うことはあっても、住みたいとまで思うほどの土地はなかなかありません。奄美は住みたいなと直感で思ったんです。温暖な気候で12月でも海に入ることができ、ウミガメと触れ合ったときに、人と自然の距離感の近さに感動して、この土地のために何かをしたいという思いが沸きました」と持木さん。

シュノーケルを楽しむ持木さん。初めての奄美大島への旅行でウミガメと触れ合ったことが、移住を考え始めたきっかけ。

上空の一期一会から土地に根ざした働き方へ

ふるさとアンバサダーとしての持木さんの仕事は、奄美大島のPR活動を中心に現地コーディネーターのような役割を果たすことも。

「ふるさとアンバサダーの仕事は0から1を生み出すこと。安全を第一にマニュアルを守りながら仕事をする客室乗務員の仕事とは違い、試行錯誤する時間が増えました。また、人との関わり方も大きく違います。上空では仲間もお客様も一期一会ですが、ふるさとアンバサダーは地元に根付いて、地域の方と密にコミュニケーションをとります。奄美大島の伝統や文化を学ばせていただくことも多いのです。

世界自然遺産に認定されている島での生活はとても貴重で稀少なものですが、島の方にとっては当たり前の日常です。外からの視点をもつ私だからこそ、できることがあると感じました。長年、JALグループは航空会社として奄美大島にたくさんの人を運んできたからこそ、島の日常を守るような取り組みができればと考えました」(持木さん)

心が満たされる奄美大島のおすすめスポット

奄美大島の魅力といえば、山と海の両方を存分に味わえる大自然。加えて独自の食文化や伝統的な手仕事も見逃せません。持木さんが奄美大島の魅力を語る上で外せないという、マストゴーなスポットをご紹介します。

マンタが泳ぐ打田原ビーチ

マリンスポーツが好きという持木さんは、仕事終わりに車でビーチへ。車で空港から約20分、奄美市名瀬中心部から約40分のところにある打田原(うったばる)ビーチは、まるでプライベートビーチかのような穴場スポット。ときにマンタが泳ぐ姿を見ることもできるとか。

展望台から絶景が拝める「奄美自然観察の森」

どっぷりと自然に浸りたいときにぴったりなのが、奄美群島国立公園ビジターセンター奄美自然観察の森。奄美固有の植物や野鳥、昆虫を散策しながら観察、緑に癒やされます。ルリカケスやアカヒゲなど美しい野鳥を目当てに、バードウォッチングを楽しむのもおすすめ。

展望台からは奄美十景の一つ、龍郷湾を眺望できます。天気がよければ、喜界島から湯湾岳まで、見ることができるそう。

奄美自然観察の森

奄美大島の憧れのお宿「伝泊」

 持木さんが「いつか泊まってみたい」と語る憧れのお宿、伝泊 The Beachfront MIJORA。SDGsの取り組みにも熱心な伝泊のコンセプトに共感し、以前から注目。ふるさとアンバサダーとして、「食」を通じて地域の食文化を発信するガストロノミーツーリズムが実施された際には司会として会場でイベントサポートを行ったそう。

伝泊

奄美とうふ料理が味わえる「島とうふ屋」

持木さんが初旅行で訪れて以来、何度も足を運んでいる「島とうふ屋」は、奄美大島のなかでも人気のご飯屋さんの一つ。透明度20m以上ともいわれる奄美の海水から生まれたミネラル豊富なにがりを使って、ほのかに甘みを感じられる柔らかな木綿豆腐に舌鼓。豆腐ハンバーグや奄美湯豆腐、豆乳わらびもちなど、さまざまな奄美とうふ料理が味わえます。

島とうふ屋

奄美伝統の手仕事「大島紬」

「その緻密な模様の美しさに目を奪われた」と持木さんが話すのは、奄美大島伝統の「大島紬」。約1300年ほどの歴史があり、世界的にも類を見ない泥染めによる独特な黒は「着物の女王」ともいわれ、フランスの「ゴブラン織」、イランの「ペルシャ絨毯」と並び、世界三大織物として知られています。

30以上もの工程を経て生み出される生地は、1つを作り上げるのに半年から1年もの時間を要するそう。その工程のなかでも染色を担う肥後染色では泥染め体験もできるので、伝統を身近に体験することができます。

肥後染色

奄美群島の島々に足を運んでみるのもあり

奄美大島から沖永良部島や喜界島、徳之島、ヨロン島へ足を伸ばしてみるのもおすすめです。最近ではアクセスも便利になって、JAC(日本エアコミューター)をはじめ、奄美の島々を短時間で飛行機や船で巡ることもできるそう。より南国の雰囲気を味わうことができ、自然のアクティビティを楽しめます。

GINGER世代の持木さんが惹かれたように奄美大島で人生の道標が見つかるかも。忙しい毎日を過ごす人ほど、ゆっくりと自然に、人に癒やされてみるのはいかがでしょうか。

PHOTO=菅野幸恵

TEXT=米山奈津美

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