知っておきたいファッション用語やテクニック、今どきの常識を、スタイリスト青木貴子さんが独自の視点を交えながら解説する連載「大人のおしゃれワード集」。今回は、色について。
今年の春はカラーが充実! きれいな色の服や小物がたくさん見つけられます。街はカラフルで明るい装いの人で溢れそうな予感。
でも、色が苦手という人もまだまだ多いと聞きます。必要なのは、ちょっとした法則を知ること。色使いが上手くなれば、着こなしがぐっと上がって見えます。そこで今回は色に関するエトセトラ、挑戦しやすい組み合わせや使いこなし方を伝授しましょう。
色物の着こなし、その極意は“トーン”を合わせること!
色の組み合わせで大切になってくるのが、トーンを合わせること。よく「ワントーンコーディネート」や「トーンオントーンコーディネート」といった言葉が使われますが、そもそもトーンとは色の調子のこと。この調子を決めるのが、明度と彩度です。明度は明るさ、彩度は色の鮮やかさの度合いを指します。
同じピンクでもヴィヴィッドピンクからベビーピンクまで、トーンはさまざまですよね。例えばヴィヴィッドピンクとグレーを組み合わせようとした場合、ダークグレーと合わせると素敵に見えるけれど、スモーキーグレーに合わせるとヴィヴィッドピンクが勝ってなんとなくチグハグな印象に。逆にベビーピンクにスモーキーグレーは上品で可愛く見える組み合わせだけれど、ダークグレーと組み合わせるとベビーピンクが浮いて見えてしまったりします。これが、トーンが合っているかいないかという差なのです。
とはいえ難しく考えることはなくって、クリアな色にはクリアな色を、スモーキーな色にはスモーキーな色を、と、似たような色調同士を合わせることで問題なくコーディネートを作ることができます。
雰囲気美人に見える!ワンカラーコーディネート
雰囲気があって着こなし上手に見えるのが、ワンカラーのグラデーションコーディネート。ワンカラーコーディネートは同じ色、もしくは似たように見える色味のものだけで全身を統一した着こなしのことを指します。特に、ライトグレーやライトベージュを使ったコーディネートは洗練されたイメージに見えておすすめです。
微妙な色の違いを重ねていく感じで考えれば難しくはありません。それぞれの素材を変えると、同じ色味を重ねても単調に見えずおしゃれな印象になります!
着こなし上級者に見える!ワントーンコーディネート
ワントーンコーディネートとは、同じ色調(明度、彩度ともに同じ)で揃えた色同士を組み合わせた着こなしのこと。明度、彩度があっていれば反対色などでも、3色や4色組み合わせてもきれいにコーディネートできます。コントラストのあるカーキ×ピンクやブルー×オレンジなども素敵に着こなせます。きれい色に挑戦したい方は、このワントーンコーディネートを心がけると失敗せず上手にまとめられますよ!
簡単にできておしゃれに見える!トーンオントーンコーディネート
トーンオントーンコーディネートとは、同じ色味で明度が違う色同士を組み合わせる着こなしで、簡単に言うと同色系で濃淡をつけた配色のこと。例えばダークネイビー×ライトブルー、ブラウン×ライトベージュといった組合わせ。色味が同じなので統一感のある着こなしに見えます。トーンオントーンコーディネート取り入れて、さらにスタイル良く見せる技もあります。それは、濃い色をトップスに、薄い色をボトムスに持ってくること。洗練された印象になるだけではなく、視覚効果でスタイルがよくスラリと見えます! これはおすすめの着こなし方、試してみてください。
色を上手く着こなすヒントは身近にあるアレにあり!
ワンカラー、ワントーン、トーンオントーン…パッと聞くと似たようでいて混乱しますが、違う着こなしということはわかりましたか? でもワンカラーコーディネートはワントーンコーディネートの一部とも言えますし、カラーオンカラーコーディネートという言葉もありますが、これはトーンオントーンコーディネートとほぼ同義だと思います。
前述しましたが、あまり難解に思わず、見た目の感覚でトーンを判断して組み合わせれば大丈夫! でもいまいち不安という方は、身近にあるものを参考にするといいと思います。組み合わせの参考になるのはズバリ、柄物の服やスカーフ。たいていトーンを合わせた色同士を使っているので、その色合わせをまねてみればいいのです。
また柄物を着るときは、その柄に入っている色のトップスやアウターを合わせると、よりおしゃれに見えます(柄物を着るなら、ほかにコーディネートするアイテムは白や黒なんかじゃなく色物を合わせてみて!)。
この春夏は本当に色とりどり、トーンもさまざま登場するので、誰もがきっとお気に入りの色を見つけることができると思います。気分が上がるカラーコーディネートにぜひ挑戦してみてくださいね。
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