“大人のフリ”して放置(我慢したり、見て見ぬふりしたり)せず、煩わしい人間関係をぶった斬り、好きな人たちとだけ生きていく――。そんな“自分基準”を掲げて、人生を楽しく、生きやすくしていきませんか? 脚本家 岸本鮎佳さんの連載「私、幸せになるんで。はい、サヨウナラ」。あなたの人間関係やモノ付き合いの整理整頓&取捨選択に際し、ぜひご参考に!
VOL.18 キレイな同棲解消のススメ
「同棲生活」何と幸せな響きでしょう。
二人で物件探しして、家具と家電も選びに行って、お気に入りのインテリアも揃えて、理想のお部屋作りして...。
大好きな彼と毎日一緒に過ごせるなんて、最高!と心躍らせている乙女たち...。
そんな夢のように幸せな日々が、永遠に続けばいいのに...。
うまくいけば、数年後プロポーズされるかもしれない。
...うん、上手くいけばね。でも、上手くいかなければ...
彼と別れ、家も出ていかなければいけない。
失恋した上に、生活の基盤となる家まで失い、「同棲解消」することになる。
同棲するまでは考えるのに、万が一別れたらということを考えない人は非常に多い。
初めから離婚を考えて結婚する人なんていないように、同棲も甘く考えている人が多いのだ。
私はよく、「彼と同棲しようと思うんですけど、どう思います?」と同棲の相談を持ちかけられる。
そのときの答えは非常にシンプルだ。
「万が一別れるかもしれない想定して準備しといたら、同棲してもいいと思うよ」
同棲は結婚とは大きく違う。
結婚という法的な縛りがない分、同棲は自由。
私は、過去に何度か同棲していたという同棲先輩から同棲するときに“これだけは気をつけろ”とご教授いただいた大切なアドバイスを、ここで共有したいと思います。
同棲先輩曰く、同棲するときにこの3つのポイントさえ押さえておけば、最悪の事態を回避出来ると言う。
1. 初めからいい家に住まない
2. ペットを飼わない
3. 家具家電は割り勘で買わない
何という、現実的なアドバイス!!!
住むならいい家に住みたいし(だって今より家賃の支払い下がるし!)、二人でだったらペット育てるのも安心だし(まるで自分たちの子供のように!)、家具も家電も割り勘で買うの普通じゃない?(だって、将来結婚するかもしれないし!)って思うはず。
アマイッ!!!!
私は実際同棲をしてこの3つのアドバイスがどれほど大事なことだったか、気付いたのである。
まず1つめ...なぜ、いい家に住んではいけないのか?
その答えは簡単で、「いい家に住んだら、いざ別れたくなったとき、判断能力が鈍る」からだそう。
つまり、いい家に住んでしまったら、別れるときに「でも、別れたら、この素敵なおうちに住めなくなるのかー...もうちょっと別れるの考えようかな...」となるのである。
その家を手放してまで、私この人と別れたいのかな?と変なバイアスがかかって、なかなか別れる判断ができず、引きずってしまう。
突然の別れがきても、家に執着することなく別れられるか、それくらい無理のない家に住めばいい。
同棲の醍醐味は、「家」ではなく、「二人の生活」だから。
2つめのペットは、別れるときに言うまでもなく親権争いが勃発するからである。
ペットはものではない。分けることはできない。
私はこのペットの親権争いで、何年も揉めた末、相手方に取られてしまった可哀想な女の子を知っている。(悲惨だった)
可愛がっていたペットがある日突然自分の元からいなくなるのは、耐え難い悲しみだろう。
3つめ「家具家電を割り勘で買わない」は、これまた別れたときに揉める大きな問題。
洗濯機などの大型家電は、いいものだと何十万もする。
元々あったどちらかの家のものであれば、持ち主が明確だが、一緒に買えば当然取り合いにはなる。
さっきから、お金の話ばっかりじゃーんと思うかもしれないが、どんなにお金に執着のない彼でも、別れるときに男は豹変する。
特にお金に関しては、一番揉めるといっても過言ではない。
たとえ、同棲生活でうまくいってたとしても、喧嘩の原因はお金だったりもする。
だからこそ、初めが肝心。しっかりと、自分のものと相手のものをはっきりとさせておくことで、万が一の場合に備えられるのだ。
同棲生活は本当に楽しい。
ただ、目先のことばかり気を取られていたら、自分が泣く羽目になるかもしれない恐怖と隣り合わせだということをお忘れなく。
「結婚生活」ではなく、あくまで「同棲生活」だということを。
何の縛りもないからこそ、自分の身は自分で守るしかないのだ。
今回は、サヨウナラではなく、サヨウナラするときの準備についてのお話しでした。
では、楽しい同棲生活をお送りくださいませ。ふふふ。
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