地球や社会にいいコトをしたいと思っていても、正直何から始めれば?というのが本音。大人気のケータリング「美菜屋」を営む、浅野美奈弥さんに、エシカルとの向き合い方を伺いました。
行動に楽しみを見出すことが大切
ステイホーム期間中、いつもは捨ててしまう野菜の皮や芯をお弁当にした「アース弁」をSNSで発信し、大きな話題となった浅野さん。
「コロナ自粛前はケータリング業務が忙しく、毎日のオーダーをこなすばかりで環境のことを考える余裕がありませんでした。自粛期間で9割のオーダーがキャンセルとなり、日々の生活や仕事、そしてこれからのキャリアのことを考える時間のなかで、ケータリング業を通して食品廃棄やフードロスの問題に取り組みたいと漠然と考えるように。今、自分にできることを探したときに、『これまでゴミ箱に捨てていた野菜の皮や芯をお弁当にしたらおいしいかも』と思い、そこから誕生したのがアース弁です。
野菜の皮は栄養価が高く味も美味しくて、使うことで体や肌の調子がよくなり、おまけに環境にも優しい。SNSにアース弁のレシピを投稿したところ、想像以上にたくさんの方から反響をいただきました。実際にアース弁を真似して作ってくれた方がSNS上でタグ付けをしてくれたことで、それまでは『一人でフードロス問題に取り組んでいても何も変わらない』と思っていたのですが、こうやってアクションの輪が広がっていくのだと実感することができました。持続可能という言葉どおり、自分自身が無理なく楽しむ様子を発信することで、賛同してくれる仲間が増えてより楽しくSDGsに取り組めるのではないかなと。最近、SDGsをより身近に感じてほしくて、食品やキッチン用品を取り扱うオンラインショップ『ME LIKE』をスタートしました。自分たちで選んだ布で蜜ろうラップ・バッグを製作するなど、“可愛い”をエシカルアクションにつなげる試みをしています」
浅野美奈弥(あさのみなみ)
モデル、料理家。ケータリング『美菜屋』代表。2016年に体調を崩したことをきっかけにスポーツと食で健康的に生活を見直すことを決意し、料理家に転身。