3月の半ば、まだ少し肌寒い日が続くなか、ずっと気になっていた瀬戸内海に浮かぶ犬島を訪れました。直島と同じく、瀬戸内海に浮かぶ「アートの島」の1つですが、規模が小さく、アクセスもやや悪いため、他の島ほど知られていません。それでも、同様に魅力的な島。今回はそんな犬島の魅力をお届けします。(料理研究家・フードコンサルタント/ブライデン陽子)
ぷらっと一人旅:犬島と舌ビラメのそぼろ丼
この島の1番の見どころは、やはり明治初期の銅の精錬所の跡地に作られた犬島精錬所美術館でしょう。製錬所の跡地を活かした空間に展示された現代アートは、犬島の歴史や自然がうまく調和しており、過去や自然とつながるような不思議な感覚に包まれます。美術館の写真を初めて見たときから、何か心を惹かれるものがあったのですが、恐らくこの感覚だったのかもしれません。
そして、そんな繋がりを感じられるのは、美術館だけではありません。空襲を逃れた犬島は、島全体に古い町並みが残っており、ひっそりとした町並みを歩いていると、まるでタイムトラベルしたかのような気分になってきます。
数時間ですべてを見学できてしまいますが、アートだけでなくタイムスリップしたようなこの島の路地をくまなく歩いたり、ビーチでピクニックしたりと、1日のんびり過ごすのもおすすめです。
美術館内にあるカフェもとても素敵で、ブルーの海を眺めながら、ランチやお茶を楽しむことができます。ランチの定食は、この地域の郷土料理をアレンジしたものを提供しており、この日は岡山県産の舌ビラメをそぼろにしたけんちん汁風の汁かけごはんでした。とても美味しかったので、手軽なツナ缶を使って自分なりに再現したものを、こちらでご紹介しますね。
「つなそぼろのけんちん汁かけご飯」
●材料(2人分)
つなそぼろ
- ツナ缶(70g) 1缶
- 砂糖 小さじ1
- 醤油 小さじ1
けんちん汁
- ごま油 小さじ1と1/2
- ごぼう 25g、千切り
- にんじん 25g、千切り
- だし汁 250ml
- 醤油 大さじ1
- みりん 大さじ1
●作り方
- そぼろ:耐熱容器に、汁けをきったツナと、砂糖・醤油を混ぜ合わせる。ふんわりとラップをし、電子レンジで1分加熱する。ひと混ぜし、さらに1分加熱する。
- けんちん汁:鍋にごま油を熱し、ごぼうとにんじんを炒める。火が通ったら、だし汁を入れて煮る。具が柔らかくなったら、そぼろを加え、醤油とみりんで味付けをして火を通す。
- 盛り付け:丼に温かいごはんを盛り、2をかける。好みでネギのみじん切り、きざみのり、うずらの卵を乗せる。
犬島精錬所美術館
岡山県岡山市東区犬島327-4
086-947-1112
benesse-artsite.jp/art/seirensho