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LIVING趣味

2021.09.29

普段使いできるアートを楽しんでみませんか?【水曜夜はアートの話を】

美術を面白おかしく、わかりやすく解説する“アートテラー”として活躍するとに~さんによる連載。読者の皆さまからの質問も随時受け付けています! 今回は、陶芸の展覧会を3つご紹介します。

壺形彩陶 1971年 益子陶芸美術館寄託 写真提供/益子陶芸美術館

加守田章二《壺形彩陶》1971年 益子陶芸美術館寄託 写真提供/益子陶芸美術館

こんばんは。アートテラーのとに~です。
ここ最近ハマっているのが、ぐい呑みのコレクション。経済的に余裕があるわけではないので、そこまで高級なものは手に入れることはできませんが、手を伸ばせる範囲内で楽しんでいます。コロナのせいで、外で飲む機会がすっかり無くなってしまったので、自分のお気に入りのぐい呑みで日本酒を飲むのがもっぱらの楽しみです。最近では、ぐい吞みだけでなく、作家物の食器にも手を伸ばすように。スーパーで買ってきた総菜も、素敵な食器に盛り付けるだけで、高級感がアップしますよ。

というわけで、本日は今注目の陶芸の展覧会をご紹介。美術品というと敷居が高いと感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、普段使いができる“やきもの”なら身近に感じられるかもしれません。

世界を旅する陶芸家

中里隆《青白磁高脚鉢》《蒼釉高脚鉢》

中里隆《青白磁高脚鉢》《蒼釉高脚鉢》いずれも1999年、個人蔵

虎ノ門にある菊池寛実記念 智美術館で開催されているのは、『中里隆 陶の旅人』という展覧会。唐津焼の作家、中里隆さんの展覧会です。84歳を迎えた今も現役バリバリで、「隆太窯(りゅうたがま)」 と名付けた窯を拠点に作陶を続けています。唐津に常に留まって制作するのではなく、ロイヤルコペンハーゲンなど国内外の窯業地を訪れては、その地の技法や素材で創作をしているのだそう。なるほど。それで、「陶の旅人」 なのですね。

中里隆《絵唐津向付》

中里隆《絵唐津向付》1970年、個人蔵

ライフワーク的に制作し続けている巨大な壺も展示されていましたが、基本的には向付や皿、酒器といった普段使いの器が多く紹介されています。それらのなかには、実際に中里さんの家の食器棚のなかにあったというものも。ちなみに、個人的に惹かれたのが《絵唐津向付》。中央に描かれているのは、鳥です。たぶん。でも、しばらく眺めていると、虫にもたまごっちのキャラにも見えてきました。

『中里隆 陶の旅人』
会期/2021年8月21日(土)〜11月28日(日)
会場/菊池寛実記念 智美術館(東京都港区虎ノ門4-1-35 西久保ビル)
https://www.musee-tomo.or.jp/

人間国宝の深イイ言葉

益子参考館
東日本を代表するやきものの街、益子。ベテランから若手まで、数百人の陶芸家が集まっているといわれています。そんな今の益子の礎を築いたのが、第一回の人間国宝に認定された陶芸家の濱田庄司です。益子に窯を築き、そこを拠点に活動を続ける一方で、自邸の一部に自らが館長を務めるミュージアムを開館しました。その名は、益子参考館。参考館という珍しい名前には、そのコレクションが作陶の参考として集めたものであること、また、自身がコレクションから受けた恩恵と喜びを、一般の方や陶芸家と共有し「参考」にしてほしいという思いが込められているそうです。

館内には名もなき陶工が作った素朴なやきものも多く展示されていましたが、濱田庄司が作った大皿にやはり一番感銘を受けました。こちらは、流し掛けという器に釉薬(ゆうやく)をかける技法で作られたもの。柄杓で釉薬をすくい、大皿に向かって一気に流しかけたそう。その間、たった15秒。それを観ていた人が驚いて、「あまりにも早すぎて物足りなくないか?」と質問すると、濱田庄司は自身の陶芸家人生を加算して「15秒プラス60年と見たらどうか」と答えたのだとか。プロフェッショナルならではの言葉です。
濱田庄司 大皿

濱田庄司記念益子参考館
https://mashiko-sankokan.net/

伝説の陶芸家の展覧会

佐野美術館会場風景
静岡県三島市にある佐野美術館で開催されているのは、『加守田章二 天極をさす』という展覧会。49歳という若さで、惜しまれつつこの世を去った「20世紀陶芸界の鬼才」加守田章二(1933~1983)の大々的な回顧展で、初期から晩年までの約100点が紹介されています。

曲線彫文花瓶 1970年 益子陶芸美術館蔵 写真提供/益子陶芸美術館

加守田章二《曲線彫文花瓶》1970年 益子陶芸美術館蔵 写真提供/益子陶芸美術館

加守田章二の代表作とされるのが、《曲線彫文》シリーズ。ISSEY MIYAKEのアイテムのようでもあり、古代人の呪術的なアイテムのようでもあり、はたまた、自然が生んだ造形物のようでもあり。シンプルながらも、見れば見るほど惹き込まれる不思議な魅力に満ちたこのシリーズは、発表当時、陶芸界に大きな衝撃を与えたそうです。《曲線彫文》シリーズを発表したその翌年には一転して、カラフルな《彩陶》シリーズを発表し、またも世間を驚かせました。その後も作風を変遷させ、まるで駆け抜けるように陶芸家人生を全うした加守田章二。陶芸=地味という概念を叩き割る展覧会です。

『加守田章二 天極をさす』
会期/2021年9月4日(土)〜10月17日(日)
会場/佐野美術館(静岡県三島市中田町1-43)
https://www.sanobi.or.jp/

皆さまからの質問大募集!

「デートにピッタリの美術館は?」「カフェがオススメの美術館って?」という具体的な質問から、「現代アートって、何が面白いの?」「何であんなに美術品って高いの?」「ピカソってすごいの?」という誰にも聞けなかった質問まで。
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TEXT=アートテラー・とに〜

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