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LIVING趣味

2021.06.23

ファッションにZARDに…こんな展覧会はいかがかにゃー?【水曜夜はアートの話を】

美術を面白おかしく、わかりやすく解説する“アートテラー”として活躍するとに~さんによる連載。読者の皆さまからの質問も随時受け付けています!

岩合光昭のネコ歩き展

東京富士美術館『写真展「岩合光昭の世界ネコ歩き」』より ガゼット メス 3才 撮影地/パリ (c)Mitsuaki Iwago

こんばんは。アートテラーのとに~です。
私事で恐縮ですが、自身初となる文庫本が発売されることとなりました。タイトルは『名画たちのホンネ』。レオナルド・ダ・ヴィンチの《モナ・リザ》やフェルメールの《牛乳を注ぐ女》、バンクシーの 《風船と少女》、《鳥獣人物戯画》といった美術史に残る名品の数々の見どころをガイドする本です。ただ、普通に解説しても芸が無いので、美術品に描かれた人物やキャラクターが自分語りするスタイルを取っています。上から目線のキャラもいれば、あざとかわいいキャラや自虐キャラも。さまざまなタイプのキャラクターが登場し、名画の秘密をカミングアウトする新感覚の美術ガイド本です。小ネタ満載の楽しい本になったと思いますので、もし本屋で見かけたら手に取ってみてくださいませ。読みやすいので、立ち読みで読み終えちゃうかも(笑)。

と、たっぷり告知させていただいたところで、本日は絵画や彫刻を展示する王道の展覧会とはちょっと違う、でも、オススメの展覧会の数々を紹介したいと思います!

史上最大規模のファッション展!

ファッション イン ジャパン 1945-2020 —流行と社会
現在、国立新美術館で開催されているのは、『ファッション イン ジャパン 1945-2020 —流行と社会』という展覧会。終戦直後から現在まで75年に及ぶ日本のファッションの歴史を辿る展覧会です。

もんぺの時代から始まり、アイビールックやボディコン、DCブランドなど、日本で花開いたさまざまなファッションが膨大な衣装、資料、写真と併せて紹介されています。
ファッション イン ジャパン 
ファッションはまさに時代を映す鏡。かつて自分が着ていた服を観た瞬間に、当時の記憶がブワッと甦ります。ちなみに、1983年生まれの自分としては、90年代の裏原系や渋谷系のファッションに懐かしさを感じてしまいました。クラスの女子はみんな、ルーズソックス履いてたよなぁ。それともう一つ懐かしさを覚えたのが、ユニクロの初期のフリース。今でこそすっかり市民権を得ていますが、最初にフリースに出合ったとき、「何だこの素材は??」と驚かされたものです。
ファッション イン ジャパン 1945-2020 —流行と社会ファッション イン ジャパン 1945-2020 —流行と社会
すべての世代のファッションが網羅されているので、同世代の人と訪れるのはもちろん、親や上司など違う世代の人と訪れるのも楽しいかもしれませんね。

『ファッション イン ジャパン 1945-2020 —流行と社会』
会期/2021年6月9日(水)〜9月6日(月)
会場/国立新美術館 企画展示室1E(東京都港区六本木7-22-2)
https://fij2020.jp

猫も杓子も虜にする展覧会

岩合光昭のネコ歩き展
この夏、八王子にある東京富士美術館では写真展『岩合光昭の世界ネコ歩き』が開催中。NHK BSプレミアムで放送中の大人気番組『岩合光昭の世界ネコ歩き』の展覧会ver.です。これまでに番組に登場した世界各国のネコたちの写真だけでなく、番組未公開映像も加え、動物写真家の岩合光昭さんが撮影した全209点ものネコ写真が紹介されています。

岩合光昭のネコ歩き展

ドメニコ オス 10才 撮影地/シチリア (c)Mitsuaki Iwago

岩合光昭のネコ歩き展

撮影地/ブルガリア (c)Mitsuaki Iwago

大きく引き伸ばされた写真もあれば、バナーになったものや、ネコ写真によるキャットタワーも。会場はまるでネコの集会所のよう。ネコ好きのネコ好きによるネコ好きのための展覧会です。

岩合さんが撮るネコの写真はどれも可愛く、目にした瞬間に心の声がダダ洩れしてしまうこと必至。会場のいたるところから、「カワイィ~♪」という猫なで声が聞こえてきました。ふと見渡せば、お客さん全員が笑顔を浮かべていました。究極の癒し系展覧会です。

岩合光昭のネコ歩き展

オルガのこどもたち 撮影地/ベルギー (c)Mitsuaki Iwago

『写真展「岩合光昭の世界ネコ歩き」』
会期/2021年6月1日(火)〜8月29日(日)
会場/東京富士美術館(東京都八王子市谷野町492-1)
https://www.fujibi.or.jp/exhibitions/profile-of-exhibitions/

伝説のボーカリストの“ことば”に注目した展覧会

ZARD展

写真提供/Being

今年2021年は『揺れる想い』や『マイ フレンド』『運命のルーレット廻して』など数多くのヒット曲を世に送り出したZARDがデビューして30周年のメモリアルイヤーです。それを記念して、今年開館15周年を迎える町田市民文学館ことばらんどでは、『「ZARD/坂井泉水 心に響くことば」展』が開催されています。

坂井泉水

写真提供/Being

坂井泉水さん(1967~2007)の衣装や関連資料を紹介する展覧会は、これまで百貨店の催事場などで開催されたことはあるそうですが、ミュージアムでの開催は今回が初めて。しかも、文学館での展覧会とあって、衣装や関連資料だけでなく、坂井さんが作詞した歌詞の“ことば”に注目。

ZARD展

写真提供/Being

わかりやすくてシンプル、それでいて力強い彼女の“ことば”は時代を軽く飛び超えて、今の僕らにも刺さります。それらの“ことば”はどうやって生まれたのか? 坂井さんが影響を受けた詩人とは? 数々の貴重な資料と併せて紹介されています。それらの中には、なんと『負けないで』の貴重な直筆原稿も!

ZARD展

写真提供/Being

あの国民的応援歌の歌詞は、こんなにも推敲が重ねられていたのですね。

なお、展覧会は7月11日まで。会期のゴールは近づいています。町田はちょっと遠いなァ、と億劫がる気持ちに負けないでくださいませ。

『「ZARD/坂井泉水 心に響くことば」展』
会期/2021年6月1日(火)〜7月11日(日)
会場/町田市民文学館 ことばらんど(東京都町田市原町田4-16-17)
https://www.city.machida.tokyo.jp/

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TEXT=アートテラー・とに〜

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