こんばんは。本格的に夏到来。暑い日が続いていますね。皆さまは夏バテされていませんか?
僕は毎年この時期になると、涼を取るべく谷中にある全生庵というお寺に足を運んでいます。実はこちらは、伝・円⼭応挙や河鍋暁斎、歌川広重といった著名な絵師たちが描いた幽霊画を多数コレクションしている、知る人ぞ知るアートスポット。毎年8月になると、それらの幽霊画を本堂の一角にて一挙公開しています。身の毛もよだつおどろおどろしい幽霊画もあれば、ちょっとクスッとしてしまうユーモラスな幽霊画も。怪談や心霊番組が好きな方は、この夏、訪れてみてはいかがでしょうか?
さてさて、いつもご質問やリクエストをお寄せいただきありがとうございます。そのなかで最も多い質問が、「カフェがオススメの美術館はどこですか?」というもの。 過去にも一度、その質問を取り上げたことはあるのですが、他にもまだまだカフェがオススメの美術館がありますので、本日はその中から厳選した3つの美術館をご紹介いたします。
夏こそ訪れたいミュージアムカフェ
「箱根の自然と美術の共生」をコンセプトに、2002年に富士箱根伊豆国立公園内に開館したポーラ美術館。モネやルノワール、ピカソといった巨匠たちの珠玉の名品とともに、都会では味わえない豊かな自然を堪能することができる美術館です。
建物の高さは、周囲の景観に配慮し、地上8m以内に抑えられています。それゆえ、建物のほとんどは地下にあるのですが、ガラスを多用することで自然光が差し込み、館内は地下とは思えないほど開放的な印象となっています。
そんなポーラ美術館の中でもっとも気持ち良い空間が、地下2階にある「カフェチューン」。すぐ目の前には、ブナやヒメシャラが群生する森が広がり、まるで自然の中にいるような感覚でカフェメニューを楽しむことができます。
とくに夏にオススメしたいメニューが、ポーラ美術館コレクションの中でも人気の高いモネの《睡蓮》をイメージしたここでしか味わえないスイーツです。
ライチのジュレの上に浮かぶのは、睡蓮・・・ではなく、季節のフルーツやエディブルフラワー。この時点でも目にも涼やかなのですが、仕上げにスタッフさんが目の前でノンアルコールスパークリングワインを注いでくれます。プチリッチな気分に浸れますよ。
レトロ好きなら一度は訪れたいカフェ
昔ながらのレトロな雰囲気を残す谷根千にある弥生美術館と竹久夢二美術館。その2つの美術館に併設しているのが、「夢二カフェ 港や」。
大正ロマンを代表する画家・竹久夢二が大正3年に開店した「港屋絵草紙店」から名付けられたカフェです。
大正や昭和の時代のまま刻が止まったかのようなレトロな店内は、カフェというよりも喫茶店という表現のほうがぴったり。いつまでもこの場所で過ごしたくなるほど、居心地の良い空間です。
人気メニューのカプチーノ『夢のあと』や野菜の甘みぎっしりカレーもオススメですが、弥生美術館や竹久夢二美術館で開催中の展覧会をイメージした限定メニューもぜひ味わっていただきたい!
現在は、両館で開催中の“アンティーク着物万華鏡 ―大正~昭和の乙女に学ぶ着こなし―”(~9 /29)にちなんだオリジナルドリンク『ニューファッション』が提供されています。
カルピスをベースに、美肌効果もある話題の青いお茶・バタフライピーを加えたソーダに、レモン果汁を加えると・・・色が変化する不思議な一品です。
とっておきのミュージアムカフェ
これは本当の本当に“とっておき”なので、正直教えたくなかったのですが(笑)、いつもお読み頂いている読者さんのために、こっそりお教えいたします(←ネットで公開しているので、こっそりではないですが)。
そのカフェは、目黒区の駒場公園内にある日本近代文学館に併設されています。その名も「BUNDAN COFFEE & BEER」。文学をテーマにしたカフェです。
何と言っても店内で目を惹くのは、約2万冊もあるという古書。夏目漱石や森鴎外などの小説はもちろん、評論、エッセイ、漫画まで、バラエティ豊かなジャンルが揃っています。ちなみに、これらの本はすべて手に取って読むことが可能です。
そんな店内の雰囲気もさることながら、メニューもまた魅力的。『太宰治のりんご酒』に、『坂口安吾の焼鮭サンドイッチ』、『「ハードボイルド・ワンダーランド」の朝食セット』など、文学にちなんだメニューが多く取り揃えられています。
ちなみに、日本近代文学館の入場料を払わずに、カフェに入ることも可能。日本近代文学館には本当に申し訳ないのですが、ここ最近は、カフェにしか立ち寄ってないです(汗)。
皆さまからの質問大募集!
「デートにピッタリの美術館は?」「カフェがオススメの美術館って?」という具体的な質問から、「現代アートって、何が面白いの?」「何であんなに美術品って高いの?」「ピカソってすごいの?」という誰にも聞けなかった質問まで。GINGERwebの問い合わせフォームから何でもお寄せくださいませ。わかりやすく、お答えします。