料理家・国際中医薬膳師の齋藤菜々子さんが、美味しく食べながら体調を整える、薬膳レシピを紹介。身近な食材の薬膳的効能を知って、毎日の暮らしに役立てて。
雨量が増えて気温も上がり、なんだか体が重だるくなりやすいこの季節。疲れやすく感じるのは、外の湿気が体の中にも溜まりやすいからです。湿気が溜まると重だるく、食欲も減退しやすくなってしまい、あまりよくないサイクルに。そんな梅雨の不調も、普段のごはんで予防していきましょう。
薬膳的セルフケア食材「なす」
なす…水分代謝を促す
なすは、梅雨に弱りやすい胃の調子を整え、水分代謝をよくしてむくみ対策にもおすすめの食材です。体内に湿気が溜まると、消化器官への負担も増えてしまいます。重い荷物を運ぶのが大変なのは体の機能も同じです。そのため梅雨の時季は食欲が減退しやすいのです。あまり食欲がないからといって食べる量を減らしたり、冷たいもので済ませたりすると、体がパワー不足になって、いざ夏がきたとき夏バテに。
今のうちから湿気をためない体を作ることで、梅雨でも疲れにくく、元気に夏を迎える準備をしていきましょう。
“水はけのよい体”になる梅雨ごはん「なすのさっぱり明太パスタ」
●材料(2人分)
乾燥スパゲティ 160g
明太子 1/4~1/2腹
なす 2本
玉ねぎ 1/4個
ポン酢 大さじ1
バター 10g
サラダ油 大さじ1/2
粗びき黒こしょう 各適量
かいわれ大根 適宜
●作り方
1. なすはヘタを落として縦6つ割りに切り、長さを半分にする。玉ねぎは薄切りにする。かいわれ大根は根元を切り落とす。明太子は包丁の峰で薄皮から中身をこそいでおく。
2. 鍋に湯を沸かし1%の塩を加える。パスタを袋の表示時間より1分短く茹でる。
3. フライパンでサラダ油を強めの中火で熱する。なすを加えて全体に油が回ったら、蓋をして2分半蒸し焼きにする。玉ねぎとバターを加え、しんなりするまで炒め合わせる。
4. 3のフライパンに茹で汁をお玉一杯加えて大きくゆすり、乳化させる(ソースが白濁してとろみがついた状態に)。パスタ、ポン酢を加えて絡め、黒こしょうで味を整える。器に盛り、明太子とかいわれ大根をのせる。
●ポイント
・茹で汁にしっかりと塩味をつけることで、全体がぼやけず味が決まりやすくなります。
・パスタが乾いてしまい、もっとつるりとさせたいとき、塩味が足りないと感じるときは茹で汁を少しずつ足して調整してください。
・なすは蒸し焼きにすることで、少ない油でも柔らかく仕上がります。
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