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2025.08.06

空港で、9時間|いつまで自分でせいいっぱい?【佐津川愛美】

自分と向き合ったり向き合えなかったり、ここまで頑張って生きてきた。30歳を過ぎてだいぶ楽にはなったけど、いまだに自分との付き合い方に悩む日もある。なるべく自分に優しくと思い始めた、役者、独身、女、一人が好き、でも人も好きな、俳優 佐津川愛美さんが綴るリアルな日常。【連載「いつまで自分でせいいっぱい?」】

トラブルを楽しむのが旅の醍醐味だ

ベトナム、ハノイの旅から帰国して、3日働いて再び飛行機に乗った。またまた直前でチケットを取ったので直行便が高すぎて、バンコクでのトランジットを経てクアラルンプールを目指す。
トランジットが1時間30分のフライトもあったけれど、遅延で乗り遅れたら嫌だなと安全をとり、4時間後のフライトを予約した。ベトナム同様、下調べをほぼ出来ない急遽さだったので、この間の時間でクアラルンプールについて調べればいいかとも思っていた。

ドンムアン空港に着き、Transferの看板を頼りにどんどん進む。検査を済ませ、空港内に入る。順調すぎて拍子抜け。絶対1本前のトランジット1時間30分のフライトでも余裕で間に合ったはず。まぁ仕方がない。

ひとまず、空港内をお散歩。どんなお店があるのかと、出発ゲートの確認。そんなに大きい空港ではない事が判明し、ラウンジからゲートまで10分みておけば余裕だろう。

ということで、ラウンジへ。日本を出たらセキュリティ的な部分では常に気を張っていなければいけないなか、ラウンジは守られている感が強まるし、色んな人の目があるので、ただの空港の椅子に座っているよりは安心だ。ごはんもWi-Fiもコンセントもある。ありがとうございます。一生あなたについていきます。原稿を書いたり、クアラルンプールのリサーチをしたり。しばらく作業をしているとメールがきた。どうやら飛行機の出発時間の変更だ。あら?4時間遅れてる、、、前のメールもよく見ると、前日の時点で2時間遅れるお知らせが来ていた。ちゃんと見ていなかった、、、
あっという間にラウンジの時間上限の3時間が過ぎてしまった。うわー、昨日ちゃんとメールを見ていれば。この貴重な3時間、もっと後に使えばよかった。もっと疲れてきた時に使えばよかった。と、すこし後悔した。

【楽】バンコク、ドンムアン空港ってことはタイ語?
知らない文字って面白く見える!

とりあえずゲートの方に向かった。まだ4時間ある。Wi-Fiも使えなくなってしまったので、ふらふらとお店を見て回った。目的地のクアラルンプール用のesimは買ってあるけど、バンコク用のネット環境は用意していなかった。ラウンジのWi-Fi3時間で十分な計算だったけれど、予定は変わるものだ。まぉ、わざわざ買うほどでもないかと思い、スマホは休憩。1時間ほどウィンドーショッピングをし、気分転換にゲートを見に行くことにした。

あら、マッサージ屋さんがある!わーん!早く気がつけばよかった。搭乗時間も考えればあと2時間ちょっと。ごはんも食べておいた方がいいよなぁっという訳で、1時間のマッサージ。荷物をかかえながらの足ツボタイム。気が休まるような休まらないような。強くやってくれたおばさまありがとう。最高でした。

終わってお店を出た。なんの気なしに電光掲示板をみる。ん?なんか変わってる?ディレイ。まぁ。ディレイはさっきからずっと光っているが、、隣の時間を見ると、更に遅くなっている。結果、5時間遅れ。なーんだ。もっとマッサージすればよかった。あはは!もはや面白くなってきた。

ここで、ご飯屋さんが閉まりそうな雰囲気を察した。
ラウンジでカレーを変な時間に食べてしまったからあまりお腹は空いていないが、、、何かトラブルがあった時のため、国や県をまたぐ乗り物に乗る前には必ずお腹を満たしておく自分ルール。以前、雨で新幹線が止まり何時間も閉じ込められてしまった人のニュースを見たのだが、その日実は私も新幹線に乗っていて、ギリギリ回避していたのだ。私はただの偶然ラッキーだっただけ。その話を聞いてから、トラブル対策でいつもそうしている。
と言う訳でダウンロードしてきた空港から出られなくなってしまった主人公を描く映画「ターミナル」を見ながら、私もあなたの気持ちわかるわなんて思いながら、注文したフォーを義務のように食べた。変なのっと笑えてきた。

それでもまだ時間はある。ベンチで待つか、でも疲れたしなぁ。もう一度マッサージに行くか、でもお腹いっぱいで少し時間をあけたいよなぁ。一応マッサージ屋さんに何時にクローズか聞きに行くと、クローズしないで。24時間営業やで。ってなことで。
なんと有り難い!少し休憩してお腹を落ち着かせてから、今度は首肩コースにした。本当は2時間やりたかったけど、もはや搭乗時間がわからなくて、びびりな私は1時間にした。でもやっぱり2時間にすればよかったなぁと後悔しながら席に着いた。担当してくれたお姉様がものすごいチカラで、その小さな体のどこからそんな力が出てくるの?と思うほどのパワーで、これは2時間もたなかったかもしれない、1時間でよかったとすぐに思い直した。

マッサージが終わってからの1時間ほどが1番キツかった。次こそはディレイせずに搭乗できますようにと願いながら待った。到着は真夜中確定だけど、クアラルンプールの空港は24時間タクシーがつかまるとの情報を入手済みだったので、もはや何時着でもいいのだが、ただただ、空港のベンチで待ち続けられるだけの腰を持っておらず。腰痛が少し発生していたので、飛行機に早く乗れたらいいなぁと願っていた。

そして、ついに、搭乗コール!乗り込む時にCAさんがQRコードをプリントした紙を持っていた。遅延の補償だそうで、ここにアクセスしてねってことで。私はネット環境がなかったのでそう伝えると、写真を撮って、後からアクセスしてねとのこと。なるほど!っと写真を撮ったまま忘れ、5日後に帰国してからアクセスしたら、ページがなくなっていたので、もう期限が切れてしまったのかもしれない。あはは。勉強になりました。遅延補償はすぐにやるべきと。そんなことも残念でもなんでもなく、面白い体験だったなぁと思えている。

旅にトラブルは付きものなんてよく言うけれど、トラブルを楽しむのが旅の醍醐味だと私は思っている。
恐らく9時間空港に居た。初めからわかっている9時間ならもっと暇つぶしや疲れないグッズや服装を準備してきただろうけど。疲れつつも、もうイヤっ!みたいな気持ちにはならず、こんな時に私は何を選ぶ?何がしたい?と私と相談しながら色んなことが出来た時間が楽しかった。

到着前にもう旅を終えたぐらいの密度。
新しい経験として、思い出に出来る。これもまた、忘れられない旅の一部として。

【楽】深夜3時に到着クアラルンプール。
マレー語かな?また面白い。5時にやっと宿で寝れました。思い出深い旅の始まり!
この記事は幻冬舎plusからの転載です。
連載:いつまで自分でせいいっぱい?
佐津川愛美

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