暮らしを豊かにする情報には常にアンテナを張っておきたいもの。フリーライターの和多亜希さんが、取材から得た今知っておきたい情報をご紹介。
コロナ禍において、免疫力を高めるためにヨーグルトや納豆などの発酵食品を心がけて摂取している人も多いのでは? 今や、腸内環境改善のために意識して摂ることが当たり前になった発酵食品。肌荒れや便通に悩む女性なら、なおのことでしょう。
そんななか、発酵によって生まれた酵母や麹由来の酒粕にフォーカスしたレストラン&ショップ「純米酒粕 玉乃光」が京都に誕生しました。母体は、純米酒にこだわり続ける老舗酒蔵「玉乃光」。だから酒粕も当然、純米吟醸酒粕です。雑味が少なく、色は白く、吟醸香がフワッと香るのが特長です。日本が誇る発酵食材、美味しい酒粕を味わいに出かけませんか?
酒粕の美味しさは原料と手仕事にあり
「玉乃光」は350年続く老舗酒蔵。米の品種から田植えの仕方にまでこだわり、収穫された米も独自の基準で選別。さらに精米も独自で行い、飽きが来ない美味しい酒造り一筋。
米粒の40%以上削るものが吟醸酒、50%以上削るものが大吟醸酒となるのですが、玉乃光が作る日本酒は「純米吟醸酒」と「純米大吟醸酒」だけ。
酒粕はお酒を製造する過程で圧搾した後に残る搾りかすを指すので、酒粕も無添加でプレミアム。素材の味が生かされたすっきりした美味しさなのです。
美容と健康に最適な酒粕レストラン
酒粕はビタミンやアミノ酸などの栄養素に加え、食物繊維も豊富に含まれ、健康や美容に効果が期待できるスーパーフード。そんな酒粕にフォーカスしたレストランだから、どの料理も栄養たっぷり。血流促進やデトックスも叶うので、肌のくすみも一掃できるかもしれません。
ランチは、塩麴に漬け込んだ鶏のから揚げやアボカドの酒粕漬けなど、見た目も美しい12種のおかずに加え、炊き立て土鍋ご飯と酒粕ポタージュのセット。酒粕と分からないほど、素材と融合させた一品を生み出しているので、酒粕が苦手という人でも安心していただけます。一品一品に手をかけた料理に、深みとコクのある美味しさを感じるはずです。
ディナーは、出汁にもこだわった17種の酒粕おでんがメイン。「大根」や「玉子」、「コンニャク」などの定番をはじめ、イチ押しの特選メニュー「丸ごとトマト」など酒粕の旨味を最大限に引き出したものばかりです。
そのほか、ストレートな酒粕の美味しさを味わえる「焼き酒粕」をはじめ、「酒粕とクリームチーズのブルスケッタ」や「酒粕レーズンバター」、「生麩と餅の酒粕クリームグラタン」など、京素材を洋風にアレンジしたメニューも。今後は発酵や麹メニューにバリエーションを広げ、自然の生命力をテーマにアプローチしていくそうです。
レストランでは「玉乃光」のお酒を全種類スタンバイ。ビギナーには、おちょこに入れた少量の日本酒に小さじ一杯程度の炭酸をたらしたガス入り日本酒もあり、日本酒デビューに最適かもしれません。
自然の恵みをロスせず、口福をもたらすショップ
栄養価や美容効果の高い酒粕。とはいえ、いまひとつ広がらないのは食べ方が分からないからでは?と、「酒粕を日常に」をキーメッセージに。レストランで創意工夫を凝らした酒粕料理を味わい、ショップで酒粕を買い求めて自宅で使うというサイクルができれば、酒粕の活用も広がり、フードロスにも貢献できます。
「甘酒はもちろん、お料理に活用したり、お菓子作りに取り入れたりと幅広く活用できます」とPRの長柄さん。酒粕は案外、創作意欲をかき立てられる愛すべき食材なのかもしれません。
レストランに併設されたショップでは、自宅でも使いやすいねり粕をはじめ、魚の酒粕漬けや酒粕クリームチーズ、酒粕アイスなども販売。また、酒粕に洗練されたイメージと次世代的価値観を生み出すブランドして「無垢-muku-」を立ち上げ、酒粕を使った焼き菓子やプリンも販売しています。
絶好のロケーションで、酒粕を広めるイベントも
薬師如来で有名な因幡堂の側に位置し、中庭のある築100年の京町屋をモダンにリノベーションした「純米酒粕 玉乃光」。歴史を存分に感じられる重厚な空間が魅力です。レストランとしてだけでなく、中央に位置した大きなカウンターや個室にて、酒粕の料理教室や日本酒を紹介するイベントの開催も予定しているので、気になる人は要チェックです。
日本の発酵食文化が生んだスーパーフードとして、注目の酒粕。毎日の生活に活用して、美容と健康維持に努めたいですね。
純米酒粕 玉乃光
京都府京都市下京区因幡堂町658-1
http://sakekasu.tamanohikari.co.jp/
Instagram@tamanohikari_sakekasu/
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