難易度の高いイメージがあるヴィンテージMIXスタイル。トライするなら、エターナルな美しさを持つ“名品”の力を借りるのが近道。ヴィンテージショップ「Hedy」のクリエイティブディレクターIcumiさんにヴィンテージMIXの始め方を伺いました。
もっと自由に、気軽に!
ヴィンテージショップって“知識がないと入りづらい”という方も多いと思うんです。私もそうだったのですが、友人が働くショップで出合ったYSLのヴィンテージバッグをきっかけに、長年愛されてきたアイテムが持つ世界観の虜になり、自分でもディレクションをするまでになりました。実際に手に取ってみると、きっと価値観が変わると思います。もっと気軽にショップを訪れて、ヴィンテージアイテムが持つ魅力を体感してほしいですね。
今っぽくヴィンテージを着こなすなら“部分的”に!
「全身ヴィンテージは難易度が高いので、ポイント的に取り入れると初心者でもトライしやすいと思います。まずはバッグなど小物から!」
カジュアルなアウターに大胆なスリット入りワンピを合わせたテイストMIXコーデ。ケリーバッグで品格もプラス。
- HALF SLEEVE JACKET/SAINT LAURENT LEATHER
- JACKET/NO BRAND
- ONE-PIECE/NO BRAND
- BAG/HERMÈS
- BOOTS/BOTTEGA VENETA
いろいろアレンジできるスカーフはヴィンテージエントリーアイテムとして最適。バッグに付けてアクセントに。
- VEST/CELINE
- CUT AND SEWN/NO BRAND
- PANTS/UN3D.
- BAG/Hedy
- SCARF/HERMÈS
- BOOTS/NO BRAND
ヴィンテージの魅力は“運命の出合い”
「なかなか手に入らなかったアイテムに、ヴィンテージショップでふいに出合えたり…ヴィンテージはまさに一期一会。だからこそ、運命を感じてより愛着がわくんだと思います」
会社を立ち上げるときに購入したカルティエの時計は、廃番になっていたデザインをヴィンテージショップで偶然発見し即決で購入したそう。
狙うべきは“現行品で人気のデザイン”
「ヴィンテージ品は、めぐりめぐって今の流行と似たアイテムがヴィンテージショップで見つかることも! 周りとかぶらないという視点でも、今人気のデザインやブランドをヴィンテージで探すのはいいと思います」
定番のルイ・ヴィトン、エルメス以外にも、上品かつめずらしいデザインが豊富というロエベも狙いめのブランド。また、人気が再燃したディオールの“サドルバッグ”のようなリバイバルしたアイテムも、そのタイミングでヴィンテージショップでも取り扱い数が増える傾向にあるそう。
購入は、状態をよくチェックし、納得してから!
「少しでも気になる点があったら、いったん立ち止まって考えること。例えば、『欲しかったアイテムだから、ちょっと傷が多い気がするけど目をつむる』というのは推奨しません。本当に納得したものじゃないと、結局使わなくなってしまうという失敗を私もしているので…」
バッグは外側だけではなく中の状態も確認
一見するとキレイでも、バッグの内装にベタつきが発生していることも。中までしっかり確認するのが鉄則。
丈夫な素材をチョイスするのも手
素材でヴィンテージバッグを選ぶなら、やはり丈夫なレザーがいち推し。経年変化を楽しめるのもポイント!
ニオイ問題はシビアに判断を
ヴィンテージ特有のニオイはなかなか取れないもの。希少なアイテムだったとしてもそこはしっかりと向き合うべき。
オーバーサイズをひとつの基準に
普段着ているマイサイズがないからと、あきらめるのはもったいない! レイヤードなど、着こなしでカバーできる大きめサイズも視野に入れて。
使用後は布で拭いてから収納を
「ヴィンテージ品にとって湿気は大敵。水や汗に気をつけながら、使用後は乾いた布で拭いてお手入れを。その後、型崩れしないよう詰め物をし、直射日光を避けて保管してください」
ブランドによっても異なるものの、正規品(ブランドの規定に合う製品)であれば、ブランド直営店での修理やアフターサービスを受けることも可能だとか。
Icumi
Hedyクリエイティブディレクター。ブランドPRなどを経て2014年にヴィンテージショップ「Hedy」のクリエイティブディレクターに就任。アクセサリーのオンラインショップ「TRES」の代表取締役も務める。Instagram @icumi___