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TRENDLIFESTYLE

2025.10.13

毎日の生活のなかで‟conscience”を心に持ち続けたいと願う理由【大人のお作法】

自分らしいスタイルを見つけ、充実したライフスタイルを目指すGINGER世代。日々を生きやすくする、楽しくするチップスをライフスタイルマーケターの丸野ひかるさんがお届け!

やさしさに包まれて、物思う秋

長い残暑もようやく終わり、秋の訪れを感じるようになりました。日が短くなって、頬に涼しい風を感じると‟夏が終わる”と寂しい気持ちになるのですが、今年ほど夏との別れを待ちわびた年はなかったように思います。

一年のなか、誕生月だけでなく、記念日や思い出のある大切な月が誰にでもあることと思いますが、わたしにとって10月は特別。conscience(良心)について考える月です。

90年代終わりの秋、外資系化粧品会社に勤めていたわたしは、新しく日本に上陸したブランドへの社内異動に手を上げました。入社以来所属していたのは創業者の名前のついた華やかなブランド。スキンケアからメイクアップ、フレグランスまでラインアップされた売り上げも、組織も大きな事業部。一方、新しいブランドはわずか10名足らずの組織で、わたしの無謀な異動願いは周りの誰からも賛成されず、信頼する上司からも「苦労するのは君だよ」と厳しい言葉をかけられました。それでもわたしがチャレンジしたかったのは、わたしがそのブランドに恋してしまったから。

SDGsが常識となっている近年では特別なことではありませんが、環境や動物に優しく、自然の恵みを成分とした化粧品ブランドの先駆け。そして、シリアスではなく‟遊び心”を持ったブランドスピリットが魅力的でした。

‟大好きなブランドで働く”大きな期待を胸に異動したわたしを待っていたのは予想もつかないことばかり。以前所属していた事業部と同じ会社とは思えない環境の落差に心が折れそうになりました。わたしを心配する友人たちには「例えるなら、裕福な実家から貧乏な彼に嫁いだようなイメージかな? ‟素晴らしい理念と可能性があるから彼との苦労は幸せ!”という感じ」と、笑って話していましたが、内心は後悔の念でいっぱいでした。

そんな傷心でのNY出張。本社でかつての上司、フランス人マダムにばったり再会し、里心で涙ぐむわたしに‟ひかる、あなたが異動したブランドはこの会社の良心(conscience)なの。どの事業部の社員も、皆が大切に思い、愛しているブランドなのよ‟――彼女の言葉は天使のお告げのように、心にビビっと響いたことを今でも覚えています。

当時、仕事をするうえで求めてきたことは、素敵なこと、美しいこと、スタイリッシュというキラキラした言葉。それは今でも変わらないのですが、‟conscience”という言葉がすっとわたしのなかに入ってきて、ふわりと優しくして包み込まれたように感じました。

そのブランドで数々の苦労を経験しながらも、4年間勤められたのはその言葉に支えられていたからかもしれません。毎年、年末に発売される‟絶滅の危機に瀕している動物の認知促進”を目的とした縫いぐるみを抱きしめてご紹介するなど、化粧品ブランドとしてはユニークな経験でした。

残念ながらわたしが愛したブランドは、日本から撤退してしまったけれど、今、市場には同じような理念を持った‟conscience”なブランドがたくさんあり、享受できることをとてもうれしく思っています。毎日の生活のなかで‟良心”を意識して生きることは易しいことではありません。大切な人に意地悪を言ってしまったり、疲れた日には電車で席取りをするし、年老いた母に優しくできなかったり、いつも愛情をくれる愛猫に八つ当たりしたり、などなど…‟良心”とは程遠い行動もしばしばです。でも、この言葉に出逢った10月には‟conscience”を心に留めて過ごしたいと思っています。戦争や災害、悲惨な出来事に満ちた殺伐とした昨今。 スーパーマンのように世界を平和にすることはできないけれど、わたしの周りの人たちには良心を持って接したい…と。

Peace of mind  心が平和でありますように。

丸野ひかる(まるのひかる)
米国のカレッジ卒業後、30年間以上、外資系化粧品会社にて新規ブランドの立ち上げ、マーケティング、PRマネージャーなどオールマイティに活躍。現在はフリーで、コスメ、ファッション、ライフスタイルなど「面白くて、人を幸せにするモノとコト」のPRに。日々の癒やしは、最愛のモフモフ猫との添い寝。

TEXT=丸野ひかる

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