スタイリスト青木貴子さんによる、素敵な人に一歩近づく生き方指南。こんな時代だからこそ、前を向いて歩いていくためのヒントをお届けします。
「予め」備えることの大切さ

小さい頃から大人たちには「予習」をしなさい、と教えられていたような気がします。
予め習う、まだ教えられていないところを、前もって勉強すること。小中学くらいの頃までは、親や先生からずーっと言われていませんでしたか? 予習する子供としない子供では理解力に段違いの差がついて、後々までそれが影響するというデータもあるといいます。ああ、その頃にそれに気がついていたら!と後の祭り的に思ったりもしますが、この予習的な行いは、実は大人になってもとっても大切で必要なコトなのです。
いま学生だったり、何かしらの授業を受けていないひとにおいては、この「予習」という行為は「準備」するということにあたるのかなと思います。準備するかしないかで、物事の結果は全くもって違うものになるのだなということを最近ある動画を見て再認識しました。
その動画は、別のものを観ていたら不意に次の再生オススメ的な感じで出てきたものでした。タイトルは「雅子さまの外交力の凄さ」的なものだったと思います。内容はご成婚からわずか1ヵ月後に開催された1993年東京サミット宮中晩餐会での雅子さまのご様子をまとめたものでした。

現・皇后雅子さまが多言語を操られるというのは有名なお話です(英・仏・独・露・スペイン・中、5ヵ国か6ヵ国)。いろいろな国の方々と通訳なしでお話ができるというのは、語学が堪能であれば可能なことですが、感心したのはその内容でした。各国首脳とお話になられる際に、その国の政策や実行されている国家プロジェクトの意義や素晴らしさについて(もちろんその国の言語で)お話しされていたということ。予め相手国についての知識を集め、賞賛すべき点やオピニオンを整理し晩餐会に臨んでいたその準備力に感銘を受けました。
全方位的に会話が広げられるよう、おそらく膨大な情報をインプットされていたことと思います。自分の国についてここまで周到に知識を入れておいてくれたのか! しかも深いところまでの考察も交えた会話を用意している。そんな歓待を受けたら、招かれた側は嬉しいですよね。みなさん柔らかい表情で雅子さまとの会話を楽しんでいらしたそうです。結果各国首脳もリラックスし、会は和やかな雰囲気で進み成功を収めました。ホストとしての役割を十二分に果たした雅子さまは各国メディアから称賛の記事が書かれ、配信は全世界を駆け巡ったのだそう。

ここで見習うべきはやっぱり準備するということの大切さ。国際的感覚をもった素晴らしいおもてなしだったと絶賛された宮中晩餐会でしたが、雅子さまがただ各人と単なる会話をされただけだったらここまでの評価は得られなかったと思われます。事前の準備の意義と成果を強く感じました。
準備すると良い結果を呼ぶ可能性が広がります。これは確実に言えること。予め準備することで結果(未来)が変わるなら、準備した方が絶対いい。生半可な準備ではなくどれだけしっかりとした準備したかが結果にも反映されると思います。かくいう私も忙しさにかまけて準備不足や確認ミスを犯すという体たらくなことが起こっていて、反省しきり、予め備えることの大切さを身に沁みて感じています。これはいますぐ取り入れようと決意、早速今日から私はがんばろうと思います!