花が咲き誇る季節が到来。高知県には「北川村『モネの庭』マルモッタン」という、本家フランスのモネの庭から「モネの庭」と名乗ることを許された世界で唯一の庭がある。画家クロード・モネの絵を表現した庭は、まさにモネの絵そのもの。(ライター/和多亜希)
「モネの庭」は圧倒的な自然美に心安らぐ
北川村「モネの庭」マルモッタンは、3ha(東京ドーム2/3)という広さに、「花の庭」「水の庭」「ボルディゲラの庭」という3つの庭で構成され、約2,000種類10万本の花や植物を植栽している。農薬をほとんど使用しないので、鳥や虫、その他の生き物もたくさん! 夏には幸せを運ぶ青い蜂「ブルービー」が飛ぶ姿を見ることもできるのだとか。ゆっくり回ると1時間半から2時間のコースとはいえ、写真を撮りながら半日や1日かけて見て回る人もいるという。
色彩で溢れている「花の庭」
「花の庭」は、薔薇のアーチやカラフルに並んで咲き誇る季節の花々に加え、土地に自生する植物も移植しているせいか、まさしく自然美が宿るファンタジックな花の楽園。四季の花々が画家のパレットのように咲く花壇は、モネの絵の中へ溶け込むような感覚になれること請け合い。この時季はチューリップやオオデマリ、アイスランドポピーなどが見頃を迎えている。
静かで落ち着いた「水の庭」
睡蓮の池に反射されて映し出される景色(水鏡)は、まさにモネの絵を彷彿とさせる。日本の浮世絵からヒントに架けたという太鼓橋も、橋を飾る藤の花も、モネが描いたジヴェルニーの庭そのもの。藤の花が咲くこの時季、太鼓橋は必見! 4月下旬からは池に温帯性睡蓮も咲き始める。
モネが旅した地中海をテーマにした「ボルディゲラの庭」
モネの作品から発想した世界で唯一の庭は2020年にリニューアルし、樹齢100年~200年のオリーブの古木が仲間入りしたり、南アフリカ原産の植物などが増えたりしたことで、一気に眩しい太陽が似合うワイルドな雰囲気に。起伏に富んだ地形を生かした植栽もダイナミック。雄大な太平洋が見えるテラスのあるリヴィエラの小屋にはぜひ立ち寄って。今の時季はオンツツジや睡蓮、カレンジュラの花を楽しめる。
「カフェ モネの家」で地元食材を使った料理に舌鼓
明るい日差しが差し込むカフェはブランチやランチ、デザートが揃う。料理にも造詣が深いモネは様々な創作料理を作り、レシピもたくさん残しているため、その資料を基に地元の野菜や食材を使ってアレンジしたメニューを提供している。晴れた日にはテラス席でいただくのも気持ちよさそう!
ギャラリー・ショップやフラワーハウスと見どころ満載
ギャラリー・ショップは、レンガ色の外観、緑色の鎧戸と、ジヴェルニーのモネのアトリエと家をモチーフにデザインされ、ぜひ立ち寄りたい場所。ギャラリースペースではモネの絵画(複製)や画集などを見ることができ、ショップスペースではモネを中心にしたミュージアムグッズやオリジナル商品、ガーデニング雑貨、北川村の柚子を使った特産品などが充実している。
また園芸好きなら「花の庭」に隣接したフラワーハウスにも寄りたい。庭の花々の苗を育てているだけでなく直売所もあり、睡蓮をはじめ、季節の花の苗や観葉植物、ギフトに最適な寄せ植えの購入も可能。
牧野植物園との特別共同企画が実施
4月からNHKテレビ小説で植物分類学の父とされる牧野富太郎博士が主人公のモデルとして放送されることから、モネの庭と高知県立牧野植物園で入園割引キャンペーンが実施(2023年3月1日~12月10日)。
木や花にラベルがついて植物を深く学ぶことができる植物園とは異なり、モネの庭は花のひとつひとつではなく、庭全体の色や雰囲気、世界観を楽しむところ。名前や特徴を詳しく知ることのできる植物園もよし、モネの庭をモネの絵画を楽しむような気持ちで見るのもよし。春は高知県へ花や植物を満喫するプチヴァカンスに出かけてみては?
北川村「モネの家」マルモッタン
高知県安芸郡北川村野友甲1100番地
https://www.kjmonet.jp/
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