満月が光り輝いた中秋の名月の日、さいたまスーパーアリーナにて『NEWS LIVE TOUR 2022 音楽』が行われた。結成20周年を目前に控えたNEWSが新たに辿り着いたステージは“音楽”。音を感じ、音を生み出し、音を楽しむ。音楽の可能性にあふれた、約2時間半の公演の模様をお届け。
前菜からデザートまでNEWSの音楽を心ゆくまで堪能
これまでもたくさんの音楽を届けてきたNEWSが今一度“音楽”と真っ向から向き合うことで完成した、最新アルバム『音楽』。同作を引っ提げたツアーには、生バンド&コーラスが参加。3人の力強いハーモニーを主役に、より全身で音を楽しむ最高の環境を作り出し、これ以上にない贅沢な音楽空間へと観客を誘った。セットリストは全27曲で構成。3人がスタジオで20種類以上の様々な楽器に触れ、演奏し、サンプリング録音した音で創作されたリード曲『TRIAD』のほか、NEWSの音楽を余すことなく感じられる楽曲を次々と披露していく。クライマックスまで順序立てて並べられたセットリストについて、小山慶一郎さんは「音楽のフルコース」と表現。計算し尽くされた絶品揃いのパッケージは、このライヴでしか味わえない仕上がりになっている。
独自の音楽空間は、短編小説をもとに進んでいく
“音楽のフルコース”という一連の流れをリードするのは、今年作家デビュー10周年を迎える加藤シゲアキさんが執筆した一つの短編小説。アルバムのインタールードとして紡いだ物語がライヴでも効果的に挟み込まれ、<Introduction><Rhythm><Melody><Harmony><Dischord><Music>という6つの楽曲ブロックの結びつきを強くした。物語を朗読するのは、松たか子さん。音楽は物語によって深みを増し、物語は音楽によってより鮮明化する。NEWSならではの戦略で、特別な音楽体験を叶えた。
全員でリズムを刻む!カスタネットを使った演出
いろいろなアーティストがコロナ禍を逆手にとったグッズを手がけていくなか、NEWSは今回のツアーグッズでカスタネットを販売。“カスタネットチャンス”と呼ばれるタイミングでファンの皆さんがカスタネットをたたき、楽曲を盛り上げる演出の一つとして一役買った。
初めてカスタネットを使う場面では、ちょっとした練習タイムも。小山さんが「僕のあとに続いてたたいてみてください」と声をかけ、小山さんが先導するリズムに合わせて、カスタネットや手をたたく。続く加藤さんは「加藤シゲアキ」「増田貴久」「小山慶一郎」「NEWSの音楽」でリズムを刻んだ。「俺にみんなついてこれるかい?」と声をかけたはずの増田貴久さんは、なかなかリズムを発さず…! 見かねた小山さんが「みんな耐えて」と言うものの、微動だにしない増田さん。「可愛いね…………はい! まっすー終わり!」で強制終了となり、微笑ましいシーンを見せた。
『音楽』ツアー中に迎える“2つの節目”への思い
8月27日からスタートした全8都市を回る同ツアーは11月末まで続く。そして残る5都市を完走すると、これまでのコンサート動員数は500万人を超えるそう。長年積み重ねてきたからこその嬉しい発表に、会場は温かい拍手に包まれた。
またすぐそこまで迫った9月15日に結成19周年を迎え、20年目に突入するNEWS。当日は愛知での公演を予定し、20周年イヤーの幕開けもファンの皆さんと過ごす。「ファンの人とスタッフさんが守ってくれたからここにいるわけじゃない。チームNEWSに対してこれから返していきたいなと思ってます」(増田さん)、「20周年イヤーがスタートしますよ。NEWSが20歳になります!」(小山さん)、「NEWS無敵でしょ? 強くなったNEWS見たいっしょ? ならこれからもついてこい」(加藤さん)と、それぞれ来たるメモリアルイヤーへの思いもぶつけた。
昨年完結を迎えた、「N」=『NEVERLAND』(2017年)、「E」=『EPCOTIA』(2018年)、「W」=『WORLDISTA』(2019年)、「S」=『STORY』(2020年)の4部作アルバムプロジェクトを経て、新たに挑んだ『音楽』。いつでも最上級の音楽と隣り合わせるNEWSがこれからどんな音を奏でていくのか――。未来のステージに期待は高まるばかり。
NEWS(ニュース)
2003年11月7日にインディーズデビュー、2004年5月12日にメジャーデビュー。12枚目のアルバム『音楽』は、8月17日より発売中。
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