スタイリスト青木貴子さんによる、素敵な人に一歩近づく生き方指南。こんな時代だからこそ、前を向いて歩いていくためのヒントをお届け。
頑張りすぎているなら、まずはひと息
急にまさかの夏本番! 身体が疲れ気味というひとも多いと思います。それに伴って気持ちもシンドイ…なんていう現象に陥っていませんか? だいたい5月から6月って気持ちが不安定になりがちな季節。梅雨の間になんとなく心を落ち着けて、さぁ夏に向かって気持ちを上げてくぞー! という流れになるのですが、今年はいきなりガツンと暑さが襲ってきて、体力気力を奪ってしまっている気がします。
なんかやる気が出ないなぁというあなただとしたら、もう暑いしいっそのこと何もかも(仕事や家事はコンティニューしなきゃならないかもしれませんが)頑張らないで小休止することも大切です。
何かに対して苦しかったり違和感を感じていたりすると、幸せな気持ちからどんどん離れていきますよね。これがあれば幸せ! これが出来たら幸せ!っていう目標があって、それが達成されない。これはつらいです。
努力をしていればしているひとほど強くそう感じると思います。だからもっと努力しなきゃとか、周りの人は出来ている(持っている)のにどうして私には出来ないの(持てないの)? それって自分が悪いの?! なんて思いが頭をもたげたりします。でもこれって、実は本末転倒状態なのではないでしょうか? 幸せな気持ちになるためにしていることが結果辛い気持ちを呼び込むなんてまるで反比例。そんな時は、あれどっか間違っちゃった?? ここってもしかして私の居場所じゃない? と考えることが肝要です。
モヤモヤを吹き飛ばすためにできること
現実は厳しいです。思ったようにいかないことが山のようにあります。でも他人はうまーくやっているように感じる。事実うまくいってるひともたくさんいることでしょう。でもひとはひと。どうあっても実は関係ないのです。それより、自分の気持ちがモヤモヤしちゃうことを解決するのが一番。
さて上手くいかないリアルに気づいた時、あなたはどちらのタイプでしょう?
1. 自己完結型=自分の中に原因があると思っている(自分の中で決めつけちゃう)ので、問題解決のため必死に努力を続ける。または落ち込む、自信喪失、ジレンマに陥る。
2. 自己受容型=そもそもこれ自分に合わなかったのでは?という考え方(つまりリアルを受け入れちゃう)ので、起こっている問題事象に対して適合不良と捉え新たな方法を考える、または方向転換をする。
前者は問題から離れられない結果になりやすく、執着や拒絶感と向き合い続けることに。後者は問題自体から離れるという選択を出来るので、進展や開発といった境地に至る時間が早い。
この差は「しがみつく」ことを「手放し」できるかどうかに関わってきます。現実が思った通りではない、そこに果たして活路はあるのか? 考えてみましょう。努力してもしてもムリって思ったところは、そもそも場所があっていないだけという可能性が大いにあります。
その場所は、自分の居場所ですか?
海にはカレント(離岸流)という潮の流れがあります。これは海岸に打ち寄せられた波が沖に向かって戻ろうとする時に発生する強く速い流れのこと(サーフィンをする方は良くご存知のあれ)。これに乗ってしまうとあっという間に沖! 焦って戻ろうと岸に向かって必死に泳いでもまったく戻れず、どんどんと流されてしまうとっても怖い波。
でも対処法があります。それは戻ろうとするのではなく、岸と並行に泳ぐこと。つまり横に頑張って泳げばその潮の流れから抜け出すことが出来るのです。抜け出せれば怖いことはなく、あとはサーフィンを楽しめます。つまりこれとおんなじで、思い込みで違う方向に進もうとしがみつかず、現状を手放すことで膠着している場所から離れることが出来るのです。すると新たな潮目(リアル)が動き出します。現実を受け入れると、前のパターンから脱却することだって出来ちゃいます。
いまある困難や悩みのもとは、選んだ場所が本来の自分の持ち味を発揮できるところではなかったからっていうこと、多いと思います。どこにいっても何か起きる事象に他人は介在するけれど、人のせいにはするなかれ(というか、してもなんも改善されないので)。もともとは自分で設定した幸せの基準に則って良い悪いを感じているはず。その基準にしがみつくのを止めてみる、ちょっと基準値を変えるだけで毎日がとてつもなくハッピーになるかもしれません。自然の流れには逆らってもムダなように、自分の心の流れをスムーズにする術を考えましょう。せき止めているのは周りで起きていることではなく、自分自身かもしれません。逆らわないでいると何事もスイスイ〜って気持ちよく進んで行くのではないでしょうか。