ものごとの本質を知り、人生をより自由にセンスよく進めていくための連載「オンナの生き方・磨き方」vol.01。今回は、すべての女性が陥りがちな不幸グセに迫ります。
今あなたは、自分のセンスに自信がある、と言い切れますか?
人はそれぞれ自分に何らかのコンプレックスを感じているもの。そして、そこから抜け出したいと、日々考えて、その方法を摸索しています。 迷いや悩みは、前へ進むチカラになる。でもどうやって、それを解消、解決、乗り越えていく?
自分なりの“おしゃれ哲学”を持ち、センスを磨いて高めていくために、まずは意識をがらりと変えてみましょう。そのきっかけとなる、ヒントをお伝えしていきます。
朝着る服に迷う人は、人生に迷っている
「服はあるのに着る服がない!」。
これって、朝の忙しい時間に定期的に襲いかかってくるパニック。刻々と進む時計の針。もう時間がない。でもコレじゃだめ。この組み合わせもイケてない・・・! 結果、不本意ながら、何とか面目を保てるぐらいの無難なコーディネートで家を飛び出す――。そんな1日の始まりって、どこかテンションが上がらないし、自分が“素敵女子”から遠ざかった気がして落ち込みますよね。
ある程度の大人ともなれば、そこそこ服も持っているし、たくさんではないけれど毎シーズン何枚かは服を買い足している。落ち着いて見わたせば、気に入ったアイテムだって何着かは持っているはずなのに、それでも“着る服がない”のはなぜなのでしょう?
けれど、このパニックって意外と頻繁に起こるもの。それも特に季節の変わり目に。さらに、デートだ、イベントだ、と予定がからんできたら、ますますドツボにはまってしまうのがお決まりです。
一方、「見た目と中身、どちらが大事か」なんて論争をよく耳にするけれど、“どちらか”なんて、実はそんな単純な問題ではない。「私と仕事どっちが大事!?」という質問ぐらい、究極にくだらない。
そもそも、「ファッション」というのは、“見た目を飾ること”なんかじゃないからです。
たとえあなたが自分自身について何も語らなかったとしても、あなたがその日に選んで着たジャケットの色、トップスのデザイン、パンツのシルエット、バッグのサイズ、ヒールの高さ・・・そのすべてが、あなたがどんなキャラクターであって、どんなセンスの持ち主で、さらにはどんな生活をしているのかを、いとも簡単に相手に伝えてしまう代弁者。
それだけじゃない。肩に掛けたショルダーバッグのお手入れ加減、パンプスのかかとの減り具合、シャツの袖のたくし上げ方、髪のつや、ネイルの長さ、アイラインの濃さ・・・もうこのへんでやめておきましょう。とにかく、あなたの見た目は、あなたの見えない内側を形にしたものなのです。そこにはあなたのデータが満載。――意外とコンサバなんだな、あるいはちょっとは冒険したいと思っているみたいね、女っぽさを見せるのが苦手っぽい、昨日はあまり寝ていないのかな、細かいことは気にしないタイプ、後ろ姿をチェックしていないってことは詰めが甘い人なのかも・・・。
何たる恐怖。その姿は、あなたのすべてを雄弁に語ってしまう拡声器のようなものというわけ。つまり、あなたのすべては「バレている」。
当人が満足しているか否かに関わらず、相手はあなたの外見を見て、あなたという人のすべてを、まるでテレパシーのように感じ取り、認識しています。
だから。だからこその、見た目磨きが絶対不可欠!
あなたは、あなたの“こうありたい”という形を、身に着けるものと、その整え方で表現しなければならない。
服の選び、服の合わせ方、ヘア、メイク・・・ディテールに至るまで、すべてが“あなた”を伝えるメッセージなのだから。
将来目指す自分がどんな場所にいて、その自分がどんなものを着ているのがふさわしいかを考えてみましょう。
いつもスタイリッシュなおしゃれさんになりたいのならば、無難なシャツは選ばないし、お金持ちになりたいのならば、部屋でも毛玉のついたジャージは着ないはず。
自分がどうありたいか、そしてどう生きたいかを真剣に考えてみる。ファッションを通して自分と向き合うという大切な作業に取り組むことで、たかがおしゃれ、されどおしゃれは、あなたを理想の自分へと導いてくれる大きなきっかけになります。
着る服に迷っている人は、自分の“こうありたい”が見えていない人。つまりは、どんな人生を送りたいか、を考えていない人、わかっていない人。
それに気づくと、見た目=内面のいちばん外側であり、そこにもっとこだわるべき重要性がわかるはず。「自分の本当の人生を生きる」。その覚悟が決まれば、あなたは朝の服選びで迷わなくなる。