イタリアワインも学べると評判のジョバンナ洋子ママによるピリ辛連載「ま、一杯飲んでベッラ ヴィータよ」。南麻布の架空のバー「Bar D’Amore(バール ディアモーレ)」を舞台に、ジョバンナ女史が繰り広げるトークは日常に役立つネタ多数。第8夜はしっかりもの女子に、宴が盛り上がる店選びのコツを伝授。今宵も語らううちに夜は更けて……。
【第八夜】的確なレストランのアレンジをしたい
あっという間に、なんなの? もう12月よ・・・・・・、今年ももう終わるってことじゃないの? 平成最後の年末よッ。次の年号は何になるのかしら。ちょっと前までは、激動の時代を生きながらえた女性は「明治・大正・昭和を生きた女」なんて表現されたけれど、ああ、もう私も「昭和・平成・××を生きた女」って呼ばれて珍重される日も近いのね。昭和・平成・××、昭和・平成・××……。
「おじゃましていいですか? どなたかとお話中みたいでしたが?」
え? ああ、いいのよ。つぶやきみたいなもの(汗)だから。どうぞ、どうぞ。飲み物は何がいいかしら?
「そうですね、今日はもう食事したあとなので、クラフトジンなんかありますか?」
あらアナタ、通っぽいわね。今、私の故郷、イタリアでも食後酒としてグラッパじゃなくてクラフトジンが流行してるらしいのよ。ヴェネト州でグラッパを作っているメーカーのマルコーニ46で、ジンリッキーなんてどうかしら?
高級感と店の広さは盛り上がりに反比例!
「ぜひ。それにしても、ジョバンナさんはいろんな情報を持ってますよね?」
まあね、それだけが取り柄っていうか……、でも広く浅くなのよ。特に好きなジャンル、例えばイタリアとか、食とか、サッカーは飽きがこないから、ずっとチェックしているわね。
「私、ビデオ・オン・デマンド系いわゆるVODの広報を仕事にしているんですが、関係者をアテンドしなきゃいけないことも多くて、いつも店のアレンジに四苦八苦しているんです。特にこれからの年末は回数も多くて」
わかるわ。顔が効くほうが何かと融通がつけられるけど、いつも同じ店でもどうなのかとも思うし、都会の業界人は欲深いのよね。いかに旬な店かとか、その会の“温度”はどうだったかとか、仕切りのセンスが求められるから大変よね。
「そうなんです。前に30人くらいのパーティで、駅からのアクセスがいい広めの店をチョイスして、立ちっぱなしも・・・・・・…と気を遣って椅子も多めに用意したんです。そしたら裏目に出て、皆、仲良しと座って固まっちゃって、空間がガラ〜ンと空いてしまい、なんとも会があったまらなくて、苦い経験をしたことがあるんです」
私も本業でもパーティーにお招きいただくことが多いけれど、広ければいいってものじゃないのよね。逆にちょっと狭いくらいの空間に詰め込まれるほうが、暑いだ、座りたいだ、と文句言いながらも、テンション上がるのよね、不思議と。
集う仲間に気を遣わせない店選び
「来週も仕事仲間4、5人の打ち上げがあるんですけど、まだ決めてなくて焦ってるんです。後輩が多いので、あんまり高級な店も気が張るのかと」
あら大変、この時期、結構もう予約入ってるわよ。そう、昨今の人々は基本カジュアルだから、例えこちらがごちそうするんでも、高級店だと逆に疲れちゃうらしいわ。前にすごく働いてもらったら、と思って、お鮨やをセットしたら《緊張しちゃって、次はもっとカジュアルでいいです・・・・・・》なんて言われる時代よ(笑)。
「私もアラサーなんで、その感じ、わからなくもないです。そういう意味でも今の時代、店の空気感は大事ですよね」
私たちの世代はそういうおごり状況に慣れてたから、自力じゃいけない高級店に行けるなんてラッキー!って思える能天気さがあったのかもしれないわね。
「ああ、どうしよう、来週の店。スマホで検索してると、東京って店がありすぎて本当決められないです!!」
そうね、いい案があるわ。前に男女入り乱れた仕事仲間の会で、まったく洒落っ気はないけど、お財布にも優しくて、新橋のおいしい餃子店をセットした時は、なんだかいい盛り上がりだったわよ。やっぱり狭くてワイワイするのがいいんじゃない?
「ありがとうございます! そうですね、最近ヌーベルシノワも流行してるし、その店、早速予約します!」
頑張っていい感じで、今年を終えるのよ!
リラックスして楽しめることが大切!
年末年始は、忘年会、クリスマスパーティー、新年会と、仲間やファミリーと集うことが増える時期よね。こういう会も「インスタ映え」な見た目重視の設定から、本来の「仲間の絆を深める」という本質重視になってきている気がするわ。年齢とともに仕切りの役割も増えてくるから、店の情報やマナーは頭に入れておくべきね。「どうすれば??」って、まあ、失敗してもいろんなところに出かけて自分の目で確かめなくちゃ。ネットの情報が、必ずニーズとマッチするかは別の話だし。あとは普段から相手の好みもチェックしたり、いい意味の人への好奇心が大切ね。とにかく愛すべきみんながリラックスして楽しめるかどうかが一番重要よ。
【今宵の一杯】
モンテ・デッレ・ヴィーニェ ランブルスコ
今回ご紹介するのはイタリアの微発泡赤ワイン、ランブルスコ。バルサミコ酢の産地として知られるエミリオ・ロマーナ州のモデナで、1983年に創業したワイナリー、モンテ・デッレ・ヴィーニェの1本。ブドウの品種名がランブルスコ・マエストリです。
使われているのは石灰、粘度を多く含む泥灰質の深い土壌で生まれる、上質なミネラルを含むブドウ。冬の温暖な気候と、夏のターロ河からの冷気による昼夜10度差から生まれる繊細な味わいが魅力。ブドウのアロマを残すことができる、タンク内二次発酵のシャルマ方式を採用。紫色がかったルビーレッド色で、赤い果実、サワーチェリーのような豊かな香り。ハムやソーセージを盛り合わせたシャルキュトリとともに、カジュアルに華やぐには最適なワインです。
Monte Delle Vigne Lambrusco IGT
エミリオ・ロマーナ州
ランブルスコ・マエストリ100%
750ml ¥1,700(参考小売価格)
フードライナー
078-858-2043