ジョバンナ洋子女史が、大人女子の生き方をレクチャーするピリ辛連載「ま、一杯飲んでベッラ ヴィータよ」。舞台は女史がママを務める南麻布の「Bar D’Amore(バール ディアモーレ)」。悩める子羊たちに、時に親身に、時に喝を入れながらご対応。第5夜は、向上心あふれる女子がご来店。今宵もイタリアワイン片手に、痛快トークで秋に突入しましょ!
【第五夜】習い事を始めたいけれど・・・・・・
ボナセ〜ラ♪ いや〜、本当に頑張った! 日本人を褒め称えたいわ。よく生き延びた。今年の酷暑を乗り切れたら、この先、大抵のことじゃ折れることもないわね。間違ってこの時期に来日した外国人の方々、心からご苦労様だったわ。観光どころじゃなかったわね。いつまで続くのかわからないけれど、そろそろ暑い、暑い、言うのも飽きてきたのよ、ひと足お先に秋へ前のめるわ!!
「こんばんは。おじゃましま〜す」
おひとり様ね、カウンターにどうぞ。アナタ、お腹すいてない? 今日ね、昼間から時間があったから、牛すじのトマト煮込みを作ったのよ。トスカーナ州の赤ワインとどうかしら?
「待ってました! お腹ペコペコなんです。外はまだ暑いけれど、冷房で体が冷えちゃうので、意外に煮込みとか嬉しいです」
あら、よかったわ。温めるから、ちょっと待ってて。
食を深めるお教室での、“あるある”
「ジョバンナさん、私、秋にイタリアに行くんですけど、どういう旅がいいと思いますか」
そうね、やっぱりイタリアは食事が抜群に美味しいから、美食探訪の旅とかどうかしら?
「実りの秋ですものね。トリュフにポルチーニに赤ワイン・・・・・・ああもう今から妄想が止まりません!」
食は奥深いわよね。私も本業のファッション以外に、食のジャンルも勉強したいんだけれど、いろいろ悩ましいのよね・・・・・・。
「最近、行っている友達多いですよ、食のワークショップ。有名シェフやインスタ映えのケータリングを手がけるフードクリエイターのレクチャーを直接受けられるとあって、即予約でいっぱいになっちゃってます。私も行きたいんですけど、ちょっと集団行動が苦手で・・・・・・」
わかるわ!! まさにそこ! 実は私もイケメンで知られるイタリア料理店の会に一度参加したことがあるんだけど、常連がほとんどで気持ちが入りにくかったわ。隊長みたいな熟年女子が暗黙の仕切りをしていて、それもなんだか気になったのよね。
真に学びたい女子がやるべきは?
「友達も似たようなことを言ってましたね。でも単発のものなら、そういうこともないかもですね」
う〜ん、なんていうか、単発ものは“学んでみてる私、なんか素敵かも”感がない?
「ジョバンナさん、そんな毒・・・・・・あ、本音ですよね」
いいのよ、時間を有効に使った感じもするし。でも習い事って、継続してやって初めて身につく気がするのは私だけかしら? おっしゃれ〜なライフスタイル演出としての習い事はいらないのよッ。
「バッサリ!! ジョバンナさん、さすが武士と呼ばれる女だけあります(笑)」
食とともにワインも学びたい
今回でこの連載も5回目だけれど、たった5本のワインでも随分味わいが違うことは、わかってもらえてるかしら? 秋に突入したから、いよいよワインの真骨頂、赤ワインが続々登場するわよ。特に赤はそれだけで楽しむというよりは、食とのマリアージュが大切。それ次第でグンと奥行きが感じられるはずよ。
今回はフィレンツェとローマの間に位置する、トスカーナ州モンタルチーノ地区の“イタリアワインの女王”と呼ばれている赤ワインを紹介するわ。ピーチという極太のもちもちした手打ちパスタとの相性が最強よ!
【今宵の一杯】
コル・ドルチャ ブルネッロ・ディ・モンタルチーノDOCG
イタリアワインで三大高級酒として知られているのが、バローロ、バルバレスコ、そしてこのブルネッロ・ディ・モンタルチーノです。イタリアワインの格付けであるDOCGのなかでも最も厳しい基準が設けられている高品質のワインといわれ、美しいガーネットがかったルビー色のエレガントな味わいに魅了されている人も多いのです。
そのブルネッロ・ディ・モンタルチーノ生産者のなかでも最古参、最大手がこのコル・ドルチャ社。ワイナリーの佇まいからも、豊かさが伝わります。石灰岩土壌で日当たりが良く、霧や氷結とは無縁な土地だからこそ生まれる、上質なブルネッロ(サンジョヴェーゼ・グロッソ)種で作られています。オーク樽で3年熟成し、厚みのあるボディ、しっかりしつつも攻撃的すぎないタンニンに仕上げています。味わいは果実香と樽熟からくるバニラやチョコレートのような香り。
COL D'ORCIA Brunello di Montalcino DOCG
トスカーナ州
ブルネッロ(サンジョヴェーゼ・グロッソ)種100%
750ml ¥6,000(参考小売価格)
フードライナー
078-858-2043