ファッションエディター&ライターの江口暁子さんの連載。日々のセレブウォッチから読み解いたトレンドをご紹介。
寒さは本番というタイミングで、春物がスタートするファッションシーン。新しいトレンドにワクワクしながらも、リアルタイムでは何を着ればいいの?と悩んでしまう日もありますよね。そんな冬真っただ中の今、海外のインフルエンサーたちが愛用しているのが、日本ではムートンの呼び名でおなじみのシアリングアウター。レザーやスエード素材で一見クールな印象も、起毛したモコモコがとびきりあったか。おしゃれ防寒のマストアイテムとして、人気を呼んでいるようです。
エルザ・ホスク
ヴィクシーエンジェルとしての活躍で知られるスウェーデン出身のスーパーモデル、エルザ。モードな雰囲気のニットセットアップに羽織ったシープスキンコートはポーランドを拠点とするブランドThe Manneiのもの。オーバーサイズかつずっしりとした見た目で存在感はありながら、シアリングのライニングがチョコ色ワントーンに軽やかさを発揮。さりげなくキュートなカジュアル感を添えています。足元にはボッテガ・ヴェネタのコンバットブーツを合わせて、旬なボリューム感をアピール。
クレア-ローズ・クリツール
現在はロンドンとニューヨークをベースに活動中のファッションインフルエンサー、クレア。ゆったりシルエットでいて、スリーブレスなデザインがユニークなベストは、シドニー発ブランドSIR.のもの。大人っぽいチャコールグレーのニットに重ねて、あったかそうなシアリングを引き立てています。ボトムはリーバイスのインディゴデニムですっきりと、自身がコラボした北欧発フラッタードのスクエアトウブーツでアクセントづけ。ザ・ロウのくったりトートでクレア流のワーキングスタイル完成。
リンダ・トール
オランダの元祖ストリートアイコン、リンダが寒い真冬日に選んだのは、ウクライナ発レザーブランド、クラコフスキーのシープスキンジャケット。シアリングのライニングまでブラックになった1着は、辛口ながらも遊び心のある大きな襟とクロップド丈が新鮮ですね。パリ発ルルスタジオのリブタートルでニュートラルに、NYのセレブ御用達ブランド、ケイトのマニッシュなワイドパンツでエフォートレスに仕上げています。無造作に持ったエルメスの「ケリー」バッグでこなれたエレガンスをON。
アナベル・ローゼンダール
スタイリストとして活躍するノルウェーのファッションインフルエンサー、アナベル。ライダーズ風の強めなシアリングジャケットはアクネ・ストゥディオズのもの。目立つトレンドのビッグカラーがモコモコ素材でさらに目を引きますね。ほっそりラインのAGOLDEのブラックデニムの足元には、イタリアブランドDIEMMEのごつめシューズをチョイス。アウトドアテイストなレースアップデザインで、ひとひねり加えています。キャメル色が優しいシャネルのチェーンバッグでエレガンスをさらり。
ヴィクトリア・レイダー
自身のブランドも手掛けるドイツ人スタイリスト、ヴィクトリア。彼女がこの冬、黒と茶の色違いでリピート愛用しているのは、チェコ発IVANA MENTLOVAのシアリングコート。スキーリゾートでのバカンス中、リラックスしたスウェット上下にブラックを合わせて、シックなアスレジャースタイルにアップグレードしています。モノトーンに映えてインパクトを放つのは、話題のコラボ、ザ・ノース・フェイス×グッチのブーツ。セリーヌのロゴニット帽もリュクスなカジュアルを盛り上げていますね。
この冬はコートだけでなく、ライダーズやベストなど、バリエーションも豊富なシアリングアウター。ファッショニスタたちはいろいろなシーンで活躍させて、モード&ウォーミーなスタイリングを楽しんでいるようです。次のトレンドを先取りする存在と言われている彼女たちだけに、来冬は本格的にブームの予感大の注目アイテム。今から目をつけておきたいですね!
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