息をしているだけで理不尽な目に遭うこの社会で、私たちにはジュエリーが必要だ――すり減った心に寄り添い、励ましてくれるアイテムを、毎日一つずつピックアップ。編集Kのつぶやきとともにお届けします。
File 25:パールが心地よいネックレス
水中をぷくぷくぷく、と上がっていく泡のように、大小さまざまなパールをあしらったネックレス。自然の美しさを感じさせるデザインが、まるで草花に触れたときのような心地よい感覚をもたらしてくれます。
チェーンはゴールド、シルバーの2色展開。写真のゴールドはカジュアルからドレスアップまで幅広いシーンになじみます。シルバーならよりエレガントな印象に。
実はこちらのパールは貝パールという人工真珠の一種なのですが、最近はファーにレザーにと、イミテーションの素材が増えていますね。私たちはどうしても“本物”であることに重きを置きがちですが、人工の素材のなかには安価なだけでなく、品質が安定していたり、環境負荷が小さかったり、色や質感のバリエーションが豊富だったりと、本物に勝るとも劣らない価値のあるものがたくさんあります。化繊にしても同じことで、必ずしもシルクやウールといった天然の素材が優れているわけではないんですよね。目的しだいでは、ポリエステルのほうが適していることもある。天然>人工という凝り固まった価値観にとらわれず、時と場合に応じて、必要なものを見極められるようになりたいものです。
自然であることを重視する価値観は、ヘルスケアにおいても強固な気がします。とあるフェムテック企業の代表の女性とお会いした際、「アジア女性は体内に異物を入れることに忌避感があるので、タンポンや月経カップは難しく、吸水ショーツのほうが響く」という話を聞きました。その方は学生時代にヨーロッパへ留学した際、生理痛にピルを処方されたことがあるそう(当時日本では認可すらされていない時期)。薬で解決できるものはさっさと解決する、という欧米の価値観に触れて、驚いたと言います。
確かに私たちのなかには、薬に頼りすぎるのはよくない、という感覚があります。それはそれで間違ってはいないのかもしれないけれど、だからと言って痛みやつらさを我慢することを美徳とするのは少々時代遅れです。重い生理痛に悩んでいる人はもちろん、生理の頻度を減らしてみたい人も(現代女性は昔に比べて生理の回数が多すぎるそうです)。毎日を今より心地よくするために、人類の叡智を大いに活用しようではありませんか。
それは自然の美しさに癒されることと同じくらい、今、私たちに必要なことなのかもしれません。
ジュエッテ
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