GINGERサポーター

GINGERの世界観に共感し、誌面やWEBの企画に積極的に参加、協力してくださるGINGERサポーターを募集します。 サポーターに登録することで、取材や撮影、レポーターなどを体験していただいたり、イベント・セミナーへの参加、 サポーター限定プレゼントへの応募など、数々の特典をお楽しみいただけます。

GINGERサポーターとは

GINGERサポーターに登録する

MAGAZINE

2•3月合併号 Now on sale
This is LOVE

最新号を見る

定期購読はこちら

  • LINE
  • Instagram
  • YouTube
  • TikTok

TIMELESSPERSON

2026.03.18

綱啓永、“居場所になる”という覚悟。映画『東京逃避行』が映し出す、若者のリアル

新宿・歌舞伎町の一角、「トー横」。社会問題として語られることの多いその場所を舞台に、映画『東京逃避行』は、居場所を失った若者たちの現実を疾走感たっぷりに、そして真っ直ぐに描き出す。ニュースやSNSでは見えにくかった“人の温度”を、スクリーンの中に確かに存在させるために、綱啓永さんが選んだのは覚悟だった。

知らなかった風景に向き合うということ

新宿・歌舞伎町にある「トー横」が社会問題となって久しい。そこに集うのは、学校や家庭に居場所のない若者たち。

3月20日(金)より公開される映画『東京逃避行』は、トー横――それも一斉補導が行われ、封鎖された“その後”のトー横を舞台に、居場所を奪われてしまった、いわゆる「トー横キッズ」を取り巻く姿を描いた一作である。

舞台の中心に立つのは、自伝的ネット小説「東京逃避行」の読者であり、歌舞伎町に憧れてやってきた飛鳥(役/寺本莉緒さん)と、その執筆者で、トー横界隈の憧れの存在となった日和(役/池田朱那さん)。綱さんは主演のふたりを見て「本当にリアルだった」と振り返る。

「完成した作品を観たとき、ふたりが本当にそこに存在しているように感じました。その一方で、撮影中は正直、大変そうだなとも思っていて。ふたりとも、どこか憑依型というか、見ているこちらが少し心配になるようなシーンもありました。でも、その“ギリギリ”があったからこそ、とてもステキなお芝居になったのだと思います」

綱さんが演じるのは、トー横に流れ着いた少年少女に居場所を作ろうと保護団体を設立・運営する元ホストのエド。追われる身となった飛鳥と日和に手を差し伸べる一方で、保護団体解散の危機に追いやられる。

「エドは大切なものを守る覚悟を持っていて、芯のある人物。そうでなければ、“新宿 SANC”という、居場所のない人たちを集めたコミュニティのリーダーとして立つことはできないはず。

どの世界でもリーダー格の人って、カリスマ性があるというか、人を引っ張る力を持っているものだと思うんですよね。それって、すごく簡単な言葉になってしまいますが、根っこには“優しさ”がある。どこかに人を思いやる気持ちがあるからこそ人がついてくる。エドも、そういう優しさを持った人物なんじゃないかな、と思いました」

ジャケット¥73,700、パンツ¥49,500/ともにエトセンス(エトセンス) Tシャツ¥22,000/チノ(モールド) その他/スタイリスト私物

エドを演じるうえで大切にしていたのは、技術や演出ではなかった。トー横という現実に身を置くこと。その姿勢そのものが、役を形づくっていった。

「あえてお芝居の面で意識していたことはほとんどありません。新宿 SANCの子たちを守る、この子たちの居場所に自分がなるんだ、という気持ちだけを心のなかに持ち続けていました。トー横というこの場所に“存在する”ことを大事にしていました」

役作りのために、彼は実際に歌舞伎町へ足を運んだ。意識しなければ、視界に入ってこなかった風景が、撮影をきっかけに少しずつ輪郭を持ちはじめたという。

「この役を演じるにあたって改めて(現地に)行ってみたら、『俺、ここめちゃくちゃ通ってたよな』って思い出したんです。そのときは本当に何も見ていなかった。こんなにたくさんの子たちが、実際にここにいるんだ、という現実を目の当たりにしました。

それで“知っているつもり”と“知っている”は、まったく違うんだと気づいたんです。その状況を見て、その環境を知ること。それが、この役においては、いちばん大きな役作りだったんじゃないかなと思っています」

そんな綱さんは本作を通して秋葉恋監督との出会いに深い影響を受けた。

「さっき久しぶりに会ったんですけど、改めて『可愛いし、かっこいいし、面白いし、真面目だし、楽しいし』と、本当にいろんな面を持っている人だなと思いました。

話していると、僕にはないものをたくさん持っているのが分かるんです。普段は『へへ』っていう柔らかい雰囲気なのに、ふとした瞬間に真面目な顔になる。その切り替わりに『こわっ!』と思うこともあるくらいで(笑)。でも、まさに“監督になるべき人”なんだろうなと思わせる魅力があります。

監督として以前に、人としての魅力がとにかく気になるというか、脳みそのなかを一度のぞいてみたい。現場でも本当にワクワクしていて、撮りながら『あ〜最高だよ』って何度も言ってくださるんです。あんなに前向きに、心から楽しみながら現場に立っている人は、なかなかいないと思います」

秋葉監督は24歳の新進気鋭。取材のために約1ヵ月歌舞伎町に滞在し、そこでの実体験に基づく完全オリジナルストーリーが完成。実際に歌舞伎町で撮影したライブ感あふれる映像は、秋葉監督だからこそ実現した。

「監督は年下なんですけど、年齢差を感じることはまったくなくて。かといって、大人ぶっているわけでもない。いつもフラットで、同じ目線で話してくれる。その姿勢こそが、彼の大きな魅力のひとつなんじゃないかなと思います。

秋葉さんは“現場にいてくれる”監督でした。一緒に作品を作っている、という感覚を強く持たせてくれる存在だったと思います。心から作品作りを楽しみ、この作品で誰かに力を届けたい――そんな前向きな姿勢が、言葉にせずとも伝わってきました。俳優陣とも丁寧にコミュニケーションを重ね、その空気を現場全体に広げていたところが、秋葉さんならではだったと思います」

本作のキーワードは「居場所」。綱さんにとって“心地のいい場所”とは、どんな場所なのだろうか。

「信頼を置いている人がいる場所、ですかね。それは、作るもの…というより、気づいたらできているものだと思います。

僕が信頼しているのは、家族と友人。友人は、面白い人が多いです。僕、わちゃわちゃしてるのが好きで、学生時代からそういう人たちとずっと一緒にいました。ただ、騒いでいるだけの人とは違って、根っこの部分が優しい人たちです。人が本当に嫌だと思うことは言わないとか、越えちゃいけないラインをちゃんと分かっている。そういう人が多いです」

本作は、“トー横”を舞台に、ニュースやSNSで断片的に語られてきた現実を正面から描く作品でもある。現代社会における人間関係の縮図のような物語を、どう受け止め、どう役として向き合ったのか。

「この作品に関しては、“新しい自分を見つけられるんじゃないか”という気持ちが大きかったです。今までやったことのないタイプの役だったので、挑戦したいと思いました。

脚本を読んでまず感じたのは、“すごくリアルだな”ということ。正直、僕は比較的平和に育ってきた人間なので、この子たちの気持ちがすべて分かるかと言われたら、分からない部分のほうが多いです。でも、こういう子たちがいること自体は現実で、それをこの映画を通してひとりでも多くの人に届けたいと思いますし、観てくれた人に何か投げかけられるんじゃないかなと感じました」

物語は、歌舞伎町という場所を通して、誰もがどこかで見聞きしたことのある風景を描き出していく。簡単につながり、簡単に断ち切れてしまう関係性。その危うさと切実さが凝縮された世界に、言葉を選びながら、こう続けた。

「虐待だったり、家族との関係、友達との関係だったり、すごくセンシティブな問題がたくさん詰まっている作品だと思います。今回はたまたま舞台がトー横だった、というだけで、描かれていること自体は、誰にでも当てはまる話だと思うんです。

『こういう人、いるよね』って思う人もいれば、『自分もそうかもしれない』って感じる人もいる。誰か一部の人の物語じゃなくて、全員がどこかで共感できる作品だなと感じました」

そして最後に、この作品に向き合った覚悟について語った言葉が印象的だった。

「どの役も適当にやることは決してないですが、この作品は特に、適当に扱っちゃいけないと思いました。真摯に向き合わないと、伝わるものも伝わらないし、登場人物ひいては“そこに生きる人々”全員に失礼になる気がして。うまく言葉にするのは難しいんですけど、そういう感覚を持って向き合えたように思います」

【3⽉20⽇(⾦)公開!】映画『東京逃避⾏』

©2025 映画「東京逃避⾏」製作委員会

出演/寺本莉緒 池⽥朱那 綱啓永 ⾼橋侃 
監督・脚本/秋葉恋
配給/ライツキューブ
tokyotohiko.babel-pro.com
X @tokyotohiko2026
Instagram @tokyotohiko2026
TikTok @tokyotohiko2026

綱啓永(つなけいと)
1998年12月24日生まれ、千葉県出身。第30回ジュノン・スーパーボーイ・コンテストでグランプリを受賞しデビュー。19年、特撮ドラマ「騎士竜戦隊リュウソウジャー」でメルト/リュウソウブルー役を務める。近年の出演作に、NHK夜ドラ「未来の私にブッかまされる!?」(24)、映画『女神降臨 Before/After』(25)、映画『ネムルバカ』(25)、映画『#真相をお話しします』(25)、映画『WIND BREAKER/ウィンドブレイカー』(25)や映画『教場 Reunion/Requiem』(26)などがある。また、映画『口に関するアンケート』の公開が控える。
@27K_1224
Instagram @tsuna_keito

SHOP LIST

エトセンス  03-6809-0470
モールド 03-6805-1449

PHOTO=池田博美

STYLING=三宅剛

HAIR & MAKE-UP=牧野裕大(vierge)

TEXT=GINGER編集部

PICK UP

MEMBER

GINGERの世界観に共感し、誌面やWEBの企画に積極的に参加、協力してくださるGINGERサポーターを募集します。 サポーターに登録することで、取材や撮影、レポーターなどを体験していただいたり、イベント・セミナーへの参加、 サポーター限定プレゼントへの応募など、数々の特典をお楽しみいただけます。

GINGERサポーターとは

GINGERサポーターに登録する

GINGERの世界観に共感し、誌面やWEBの企画に積極的に参加、協力してくださるGINGERサポーターを募集します。 サポーターに登録することで、取材や撮影、レポーターなどを体験していただいたり、イベント・セミナーへの参加、 サポーター限定プレゼントへの応募など、数々の特典をお楽しみいただけます。

GINGERサポーターとは

GINGERサポーターに登録する