今、誰もが憧れるのはくすみのない透明感のある肌。しかしスキンケア不足や日常生活のなかでくすみは蓄積されるもの。そんな悩みの種、くすみの原因とは? 美容皮膚科タカミクリニックの副院長 山屋雅美さんにお話を伺った。
GINGER世代がやりがちな落とし穴あり!
美肌作りのプロフェッショナル、タカミクリニックにはくすみが気になるという患者さんも多く来院されるそう。山屋雅美先生いわく肌がくすんだ状態とは、透明感がなかったり、肌色がどす黒かったり、顔色がパッと明るくない状態のこと。
「肌がくすんでいると疲れた印象で、元気がなく見えてしまうことが多々あります。マスクを外す機会が増えたことで、今まで着ていた洋服がなんだか似合わない、ファンデーションの色が以前と比べて合わなくなったという声も。これは露出する肌の面積が増えたことで、くすんでいると、顔色がトーンダウンして見えてしまうことが影響していると考えられます」
くすみの原因は大きく分けて、乾燥、角質肥厚、血行不良、メラニンの蓄積の4つと山屋先生は分析。
「多くの人がこの4つの原因がミックスされて、肌がくすんでいる状態に。特に夏場は汗をよくかき、皮脂の分泌量が増えるため、さっぱりタイプのスキンケアを選ぶGINGER世代も多いでしょう。すると、肌の内側の水分が足りずに、肌自体が乾燥を防ごうと皮脂を分泌。角質を取ろうとして摩擦し、角質が肥厚して、くすむという負のスパイラルが起きていることも多いのです」と説明。
洗顔や角質ケアで肌に水分が入りやすい状態をつくって、しっかりと保湿する心掛けが必須だそう。
「4つの原因のなかでも、乾燥、角質肥厚、血行不良については、ある程度ご自身の毎日のケアで改善が見込めます。対してメラニンの蓄積は、予防的なケアが大切。1年を通して、UVケアやビタミンCの摂取を意識しましょう。また食事、運動、入浴、睡眠は、地道なことですが、根本的なくすみの改善に繋がります。どこから手をつけていいのかわからなくなる前に、30歳前後で生活を改善することで、総じて予算をかけずにきれいをキープできるはずです」
実はこれもくすみの原因!?4つのチェック項目
産毛ケアしてる?
「顔の産毛処理は意外と忘れがち。顔に産毛が生えていると、影ができ顔全体のトーンが暗く、くすんで見えてしまうのです。ご自身でケアするのもありですが、脱毛しておくとケアが楽ちんに。産毛は細く、エステの光脱毛では反応しないことも多いので、クリニックでの医療脱毛がおすすめ」
きちんと洗顔できてる?
「メイクや日常の汚れを完全に取り除けていない不十分なクレンジングでは、肌のくすみやトーンの不均一さを引き起こす可能性あり! 肌のコンディションが悪くなる→ファンデーションが濃くなる→クレンジングで取り除けないという負のスパイラルが起きないように、きちんとクレンジングできているかをまずはチェックしてみて」
唇のUVケアしてる?
「顔の中でも唇は日焼けしやすいパーツです。唇の輪郭が黒く色素沈着したり、唇がくすんでいると、顔全体がくすんだ印象になり、不健康そうに見えてしまいます。お出かけ前にUV効果のあるリップクリームなどでケアすることを心掛けましょう」
炭水化物や糖質、摂りすぎてない?
「毎日の食事やおやつで炭水化物や糖質を摂りすぎると、余分な糖が体内のタンパク質などと結びつき、体の不調や老化の原因となる“糖化”が進みます。糖化すると黄ぐすみが発生する可能性あり! 忙しく働くアラサー世代はコンビニでご飯を調達することも多いと思います。炭水化物や菓子パン、甘い飲み物は満足度は高いと思いますが、肌や体のためにはタンパク質を意識して選ぶのがおすすめです」
タンパク質は肌の形成やダメージの修復に必要な成分。食事で卵や魚、大豆製品などを意識的に摂るようにして、皮膚の回復力を高めましょう!
山屋雅美(やまやまさみ)
美容皮膚科タカミクリニック 副院長。埼玉医科大学卒業後、東邦大学医療センター大橋病院皮膚科にて従事し、三井記念病院皮膚科、都内美容皮膚科に勤務したのち、2011年からタカミクリニックに勤務。’21年現職に就任。ニキビ・毛穴など美肌治療から、シミ・シワ・たるみなどのエイジングケア治療まで、同院の全診療の監修を行う。