八木勇征さんの2冊目の写真集『Be my』は、シンガポールを舞台に“今の自分”をストーリーにとして表現した一冊。ステージ上では歌声で感情を届ける一方、写真集では言葉に頼らず、多彩な表情や空気感で自身を表現した。「ファンのみなさんが見たいものは誰よりも分かっている」と語る本人が、ロケ地や衣装、タイトルにまでこだわり抜いた作品。その制作秘話から、写真だからこそ映し出せた新たな魅力までを聞いた。
異国で魅せた、八木勇征の多面性

――2冊目となる写真集の制作が決まったとき、どんな自分を表現したいと思いましたか?
まず、1st写真集が国内での撮影だったので、今回は海外で撮りたいという思いが強かったです。ただ、ひとつの国だけだと、建物や食べ物だったり、『ここで撮ったんだな』という色が強く出すぎてしまう気もしていて。だから、いろんな文化が融合している国はどこかな…と探していくなかで、候補に挙がったのがシンガポールでした。自分がやりたいことを表現できる場所だなと思いました。
――今回の写真集はルック数もかなり多かったですよね。
そうですね。衣装合わせの段階で『これもいいね、あれもいいね』ってなって(笑)。最終的には予定していた以上のルックをスタイリストさんが(現地に)運んでくださって。いろんなシチュエーションを見せたいという思いもあったので、衣装によって雰囲気も変えたいと意識していました。
――「オレンジの衣装を着たい」というリクエストを出したと裏話を聞きましたが…。
撮影当時は今よりも髪が明るめの茶色で、その髪色に合う色を考えたときに、ブラウンとかオレンジ、カーキといった暖かみのある色がいいなと思ったからです。
1st写真集は個人的に寒色系のイメージが強かったので、今回は温かみのある色味をベースにしたいなと思っていて。たとえば、白も真っ白というよりはクリーム色っぽいものだったり、トップスだけじゃなくてスラックスにその色味を持ってきたり、全体的に暖色を意識していました。
――それは普段の私服にも近いんですか?
いや、全然違います(笑)。普段はモノトーンが多いですし、どちらかというと、グレーとか寒色系の服を着ることが多いので。でもこの写真集だからこそ、普段あまり選ばない服にも挑戦したいと思っていました。逆に黒で統一したスタイリングでも、髪色が明るかったので差し色みたいな役割になって、いいアクセントになったと思います。

――実際にシンガポールで撮影してみていかがでしたか?
いろんな文化が混ざり合っている国だということは知っていましたが、本当にそのとおりでした。建物もそうですし、食べ物もそうですし、実際に生活している方たちを見ても、さまざまな文化やルーツを持つ方たちがいて。そのなかで、すごくいいバランスを保ちながら、豊かに暮らしている国なんだなと感じました。
――シンガポールがロケ地に決まったとき、ここに行ってみたいという場所はありましたか?
最初に「カニがおいしい」って聞いたんです。それで「そこで撮影したいです」ってお願いして、チリクラブのお店に連れて行ってもらいました。食べながら撮影もしましたし、本当においしかったです。
――スペシャルBOX版に収録されているスペシャルブックには、ロケ地も掲載されていますが、特に印象に残っているスポットはありますか?
やっぱりガーデンズ・バイ・ザ・ベイ(Gardens by the Bay)です。もともと興味がある場所でもあったんですが、実際に行ってみると、とにかく迫力がスゴかったです。人が作った建造物にも迫力はありますけど、どこか無機質な感じがあるじゃないですか。でもあそこは植物が主役だから、圧迫感がないんです。
すごく広大な空間で、開放感もあって。夜になるとライトアップが始まって、音楽も流れるショーがあるんですけど、その完成度が本当に高くて。観光客のみなさんも自然と集まってきていました。
改めて、言葉や国籍に関係なく、人を惹きつけるエンターテインメントってスゴいなと感じましたし、自分自身もそういうものを届ける仕事ができていることにすごく誇りを感じました。
――そこでの撮影終わりに、八木さんから「勝った!」というコメントが出ていたそうですが(笑)。何に勝ったのでしょうか?
まずは、暑さです(笑)。もう本当に暑かったんですよ! あと、その日最後の撮影だったので、「自分自身に勝てたな」っていう気持ちもありましたし、「この写真集は絶対にいい作品になる」と確信した瞬間です(笑)。

――写真を見返してみて、「こんな表情の自分もいるんだ」と感じた新しい発見はありましたか?
元警察署(Old Hill Street Police Station)の前を走っているシーンは、いつもと違うかもしれません。このとき、実はスコールが降り始まっていて。止んだ瞬間に「今だ!」となって、しかも横断歩道を渡りながらの撮影だったので、本当に限られた数秒間。動きに夢中になっていたから、カメラをあまり意識していなくて。たぶんこのときはカメラマンさんと話しながら、素で笑っていた感じです。
撮影中は、「今こう映ってるだろうな」っていうのを常に意識しているんですけど、このときは本当に何も考えていなかった(笑)。だからこそ、自然な表情で写っていたのかもしれないですね。
――スペシャルブック(スペシャルBOX版に収録)には、本編とはまた違う表情が詰め込まれています。
これ、いろんな小ネタが散りばめられていて、いいですよね! あれ、こんなに寝てた?! 全然気づかなかったんですけど(笑)! 写真集とはまた違う一面が収録されているので、ぜひこちらも見ていただきたいです。
――もし今度、シンガポールに完全プライベートで行くとしたら、何をしたいですか?
時間の都合でプールに入れなかったので、次こそリベンジしたいです! 朝起きて、まずジムに行って、それからプールで泳いで、朝食を食べて……。
――今回の撮影でもジムは欠かせなかったとか。
そうです(笑)。撮影前も後も、途中の空き時間にも行こうとして止められてしまいました……(笑)。
――そのほかは?
ひたすらグルメツアーです。シンガポールはいろんな国の料理が楽しめるので、もっといろいろ食べてみたいです! あとは、ラッフルズホテル(Raffles Singapore)に行って、撮影でお世話になった方に、僕のことを覚えてくれているか確認しに行きたいです(笑)! そして、貸し切りで撮影させていただいたロング・バー(Long Bar)にも行って、実際にたくさんのお客さんがワイワイしながら、ピーナッツの殻を床に投げている空間を、お客さんとして楽しんでみたいです。

――改めて、タイトル『Be my』に決めた理由を教えてください。
今回は、現地で写真だけじゃなくて動画も撮りました。そのなかで僕自身が「Be my Dream」とか「Be my Fun」とか、いくつかの言葉を口にしています。
この“Be my”の後ろに入る言葉って、人それぞれ違うと思うんです。僕のことをどう思ってくれているのかでもいいし、この写真集を見て感じたことでもいい。見てくださる方それぞれが自由に言葉を当てはめて完成させてもらえたらいいなと思ったんです。そういう意味も込めて、『Be my』という、余白のあるタイトルに決めました。
――つまり、手に取った人の思いも含めて、この一冊が完成する。
まさにそうです。たとえば写真集を見て「大好きだな」と思ってくれたら「Be my Love」になるかもしれないし、「特別な存在」と思ってくれたら「Be my Special」かもしれない。
言葉って本当に無限にあるじゃないですか。だからこそ、このタイトルは僕が完成させるんじゃなくて、見てくれた方が感じた言葉で完成させてほしいなと思っています。
――今回の写真集では、カメラの前に立つご自身と、ステージで歌っているご自身、そして普段の自分との違いを感じましたか?
ステージに立っているときは、歌を自分の声を使って表現するので、自然と“声”に重きを置くことが多いです。でも写真集は、ただカッコよく写っていればいいというものでもないと思っていて。「この写真を撮ることでどんな写真集になるんだろう」「どんな一冊にしたいんだろう」というストーリーを自分のなかで描きながら撮影していたので、写真集でしか生まれない表情や表現がたくさんあると思います。
――表現の出力方法が違う、ということでしょうか。
そうですね。ライブは基本的に高い熱量をキープし続ける表現だと思うんです。でも写真集は、必ずしもそうじゃない。シチュエーションによっては、出力をゼロに近づけた方がいいときもあるし、その方が自然に見えることもあると思います。
たとえば、夜景のシーンはその迫力に負けないよう、自分を強く出していく表現をしたカットもありますけど、逆に撮られていることを忘れるくらい自然な瞬間もあります。そういう振り幅を見せられるのは、写真集ならではだと思います。
――GL-9プロジェクトのソロの書籍としてはラストとなる一冊。ご自身の写真集らしいなと感じる部分はどこですか?
みんなそれぞれ本当に個性があって、それぞれのやりたいことや、ファンのみなさんに伝えたいことが詰まっている本ですよね。たとえば、(澤本)夏輝くんのフォトエッセイ(『きらきらじゃない、僕の輝き方』)は、自伝のような部分もあって、今の気持ちがすごく伝わってきましたし、ファンの方への想いも感じました。
そのうえで僕の写真集は、“ストーリー性を感じながら今の八木勇征を知ってもらいたい”という気持ちが、一番強く出ている作品なんじゃないかなと思います。あと、ファンのみなさんが『こういうの見たい』と思っているものを理解することに関しては、自信があります!(笑) “八木勇征のことを誰よりも理解している八木勇征”が作った一冊――みなさんの期待に応えられる写真集が完成したんじゃないかなと思います!
八木勇征 2nd写真集『Be my』
2023年に発売し記録的大ヒットとなった1冊目の写真集 『CONTACT』 から3年半の時を経て、表現者として飛躍的な成長を遂げている八木勇征。FANTASTICSのボーカルとして、映画やドラマ、舞台で活躍する俳優として、唯一無二の個性と存在感をまとう彼の“今”を余すことなく記録した、記念碑的な作品となる。購入や特典など、詳細はこちらから。
八木勇征(やぎゆうせい)
1997年5月6日生まれ、東京都出身。2017年開催の「VOCAL BATTLEAUDITION 5~夢を持った若者達へ~」に合格し、ボーカルとしてグループに加入。2018年12月5日、シングル『OVERDRIVE』でメジャーデビュー。2021年にダブル主演を務めたドラマ「美しい彼」のヒットを契機に本格的な俳優活動を開始し、映画、ドラマ、舞台など多数の作品に出演。高い演技力でアーティスト活動以外のフィールドでも急速に活躍の場を広げる。2026年6月には、デジタルシングル「GAME CHANGER」のリリースとともにソロプロジェクトを始動。
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