愛する相手を疑い、ついには殺意まで抱いてしまう。そんな狂気と純愛が紙一重で共存するラブサスペンス『昨夜は殺れたかも』が、吉野北人さん(THE RAMPAGE)と鈴木愛理さんのW主演で10月23日よりロードショー。元ヤクザという秘密を抱える夫と、敏腕社長という裏の顔を持つ妻。夫婦でありながら互いに隠し事を重ねていくふたりを演じた吉野さんと鈴木さんは、初共演ながら「ダチ」と表現するほどの信頼関係を築いたそうで。
狂気も疑念もあるけれど、根底には深い愛がある

——オファーを受けたときの率直な感想を教えてください。
吉野北人さん(以下、敬称略) コミカルな作品に挑戦したいなと思っていた時期にお話をいただいたので、「ぜひやりたいです」と迷わずお返事しました。実際に台本を読むとテンポ感もすごく良くて、先の展開も読めない。最後まで「どうなるんだろう」とハラハラしながら読める作品でした。
それと同時に、元ヤクザという役どころをどう演じるかはすごく考えました。本読みのときに、本宮(泰風)さんとご一緒したんですが、とにかく迫力がすごかったんです。目力も佇まいも、ただそこにいるだけで怖い。それを見て、「これはマネできないな」と思いました(笑)。だから逆に、自分だからできるヤクザ像を作っていきました。
鈴木愛理さん(以下、敬称略) 私は映画『Mr.&Mrs.スミス』が大好きなんです。夫婦同士が殺し合うという設定が好きで、好きな映画を3本挙げるうちのひとつ。だから最初は「本格的に殺し合う話なのかな」と思っていたのですが、この作品はサスペンスの要素はありつつ、殺し方がちょっと卑怯だったり、どこか可愛らしかったり(笑)。そのコミカルさがすごく面白かったです。コメディラブサスペンスっていうのかな。その絶妙なバランスに惹かれて、「早く演じたいな」という気持ちでいっぱいでした。
——鈴木さんは英語のお芝居にも挑戦されています。
鈴木 最初に知ったときは、「終わった……」と思いました(笑)。海外旅行はパッションで行きますが、本格的に英語でお芝居をするなんて、どうしよう……って。また、帰国子女の役だったので、私の周りにそういう友達がいる分、「本物っぽさ」をどう表現するかはすごく悩みました。人前で初めて英語のセリフを読むのは本当に緊張しましたが、挑戦できたのはうれしかったです。
——吉野さんは、元ヤクザという過去を隠した普通のサラリーマン・藤堂光弘を演じています。役の好きなところや魅力を教えてください。
吉野 光弘の好きなところは、義理堅くて、人情があって、真っすぐなところ。天涯孤独で育ってきて、「信じられるのは自分だけ」みたいな人生だったと思うんです。でも一度好きになったら、とことん真っすぐなんですよ。その意志の強さみたいなものはすごくカッコいいなと思います。僕自身も、そういう男性に憧れますし。
鈴木 でも、結構似ていますよね。THE 九州男児だし。
吉野 そうかも(笑)。見た目とは違って、意外と男っぽいって、ファンの方からも結構言われます。責任を取るときはちゃんと取るし、自分のことは自分で、という考え方は昔からあるので、役に共感できる部分もありました。
——鈴木さんは、いかがですか?
鈴木 私は、仕事も家庭もどちらも大切にしているところに惹かれました。咲奈は、敏腕社長でもあり、専業主婦でもある。実は昔、専業主婦に憧れていた時期もあるので、両方を役として経験できた感覚があったんです。仕事を愛する気持ちも分かるし、家庭を守りたい気持ちも分かる。だからすごく共感できました。
でも一番好きなのは、その強さのなかにある弱さでした。強い女性って、四六時中ずっと強いわけではないじゃないですか。誰にも見せていない弱い瞬間とか、気の抜ける瞬間がある。そういう人間らしさがすごく好きでした。強さもあるけど可愛らしさもある。その両方が見える人物になったらいいなと思っていました。


——今作が初共演ですが、お互いの第一印象を教えてください。
吉野 最初は、“テレビの中の人”という印象でした。よく番組で拝見していましたし、僕の事務所のアーティスト仲間とも共演が多かったんです。歌もすごくお上手だし、SNSでバズっている姿も見ていましたし、「本当に活躍している人だな」と思っていました。
特に『あざとくて何が悪いの?』(テレ朝系)のイメージが強くて、どちらかと言うと、サバサバした強い女性なんだろうなと思っていて。正直、会う前はちょっと怖かったです(笑)。
鈴木 会う前の話だよね?(笑)
吉野 会う前(笑)。全部見透かされそうな感じがしていました。ちょっと変なことをしたら、「こういう男嫌です」みたいな素材として使われそうだなって勝手に思っていました(笑)。
鈴木 しないから!(笑)
吉野 でも実際に会ったら、全然そんなことなくて。本当に自然体で、裏表がなくて、ずっと笑っているんです。スタッフさんともけらけら笑っていて、その場にいるだけで現場が明るくなるような人でした。僕もすごく自然体で接することができましたし、後半は本当に友達みたいな距離感でしたね。
鈴木 私は、THE RAMPAGEさんの印象もあって、ゴリゴリな感じの人なのかなって思っていたんです。また、以前番組で共演させていただいたときも、人見知りだとおっしゃっていたりしたので、パーソナルスペースが広い人なのかなとか。だから正直、この限られた期間で仲良くなれるんだろうかって思っていました。でも全然違ったんですよね。結構早い段階から、「俺の曲、流してよ」みたいな感じでメイクルームで言ってきたりして(笑)。
吉野 そんなこと言ったかな?(笑)
鈴木 そういう可愛らしい一面をすぐ見せてくれました。夫婦役だったので長いシーンもたくさんありましたし、一緒にいろんな山を越えていくうちに、本当に性別を超えて“ダチ”みたいな感覚になっていました。人生の話もできるし、一緒にふざけることもできるし。本当に最初の印象とは真逆でした。
——どんなところで信頼関係が深まったのでしょうか?
鈴木 一番大きかったのは、吉野さんがずっと変わらなかったことです。私は撮影が続いてくると、どうしてもストイックモードに入りやすいんです。ピリッとした空気になったり、自分でも気を張ってしまったり。でも、どんなにスケジュールがハードでも、吉野さんはいつも同じで、毎朝「おっはよう〜」っていう感じで。
吉野 (笑)
鈴木 穏やかで、温かい空気をまとっている。だから現場全体もすごく柔らかかったですし、スムーズに進んだ部分もありました。それは座長がそういう空気を作ってくれていたからなんじゃないかなと思っています。
吉野 ありがとうございます!


——今回、夫婦役を演じるおふたりですが、恋人や家族との関係で“隠し事”はアリだと思いますか?
鈴木 これ本当に難しいですよね。まず、隠し事ってどのレベルを指すのかにもよると思うんですけど……私は理想を言えばひとつもない方がいいです。全部知りたい。それを聞いたから嫌いになるとも思わないですし。むしろ後から「実はね」って言われる方が辛いかもしれない(笑)。私は自分が相手を嫌いにならない自信があるので、その分、相手にも隠してほしくないかな。
——ご自身も隠し事はしないタイプですか?
鈴木 したくないですね。隠さなきゃいけないことがあるっていうことは、どこかで相手が嫌な気持ちになるかもしれないって思っているわけだから。だったら最初から全部話したうえで関係を築きたいです。
——一方で、「嘘をつくなら隠し通せ」という考え方もありますよね。
吉野 そうですね、嘘は隠し通さないと(笑)。でも僕はバレるタイプです(笑)。
鈴木 そうだと思う! めちゃくちゃ分かりやすそう(笑)。
吉野 すぐ顔に出るんですよ。ニヤニヤしちゃうし。昔から親にもすぐバレて、何も言ってないのに「何かしただろ」って(笑)。
——一度信頼が崩れてしまったら?
鈴木 私は戻れないかもしれないです。小さいことでも、「あれ、隠していたんだ」ってなった瞬間に疑う気持ちが生まれてしまうので。一度それが始まっちゃうと、その人を見るときにずっと疑いのフィルターがかかってしまう。それがすごく悲しいんです。だから私は、その状態になる前に距離を取っちゃうと思います。
——恋愛に限らず、この人は信頼できるなと思うポイントは?
鈴木 個人的には、「友達がすごく多いんだよね」っていう人は、ちょっと警戒しちゃうかもしれないです。
吉野 分かる!(笑)
鈴木 別にそれが悪いわけじゃないんですけど、自分があまりそういうタイプじゃないから、「今から話すことも、どこかで誰かに伝わるのかな」って思ってしまうんですよね。逆に「友達少ないんだよね」って言われると、ちょっと安心する(笑)。
吉野 僕は結構フィーリング。もちろん初対面では話さないですけど、何回か会っているうちに人柄が見えてきて、「大丈夫そう」と思えたら心を開きます。とくに、自分のことを隠さず話してくれる人には、こっちも話したくなります。
鈴木 私たちは結構全部話したよね(笑)。
吉野 不思議と話したね。本当に友達になれました(笑)。
【10月23日公開】映画『昨夜は殺れたかも』

出演/吉野北人 鈴木愛理・工藤阿須加 王林 ほか
原作/藤石波矢・辻堂ゆめ『昨夜は殺れたかも』(講談社タイガ)
監督/松木創
配給/ポニーキャニオン
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吉野北人(よしのほくと)
1997年3月6日生まれ、宮崎県出身。THE RAMPAGEのボーカル。2014年「VOCAL BATTLE AUDITION 4」を経て、17年にメジャーデビュー。甘い歌声に加え高い演技力も兼ね備え、近年では俳優としても精力的に活動。主演映画『遺書、公開。』など話題作に出演している。昨年25年には「HOKUTO」名義でソロデビューを果たし、写真集『Orange』でオリコン1位を獲得。瑞々しい表現力で、音楽・俳優・モデルと多方面で活躍している。
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鈴木愛理(すずきあいり)
1994年4月12日生まれ、千葉県出身。2002年にハロー!プロジェクト・キッズに選出され、℃-uteやBuono!のメンバーとして圧倒的な歌唱力とパフォーマンスで国内外の支持を集める。グループ解散後の18年にソロデビューを果たし、日本武道館公演を成功させるなどヴォーカリストとして活躍。俳優として『ただいまって言える場所』で映画単独初主演を果たす。2026年12月31日、2027年1月1日には、「鈴木愛理 LIVE PARTY No Live, No Life 大晦日SP/元旦SP」が開催予定。
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