伝えたい想いがあるとき、人は手紙を書きたくなる。女優の山口乃々華さんが、“あのひと”に向けて今の気持ちをしたためる連載。今回は、過ぎゆく「2024年」に宛てた手紙。【連載「〒ののポスト」】
2024年へ
2024年。大変な始まりをした2024。いろんなことがありましたが、この手紙は、自分自身がより前向きな状態で来年をスタートさせることができるように、書いてみようと思う。
さぁ、私にとってどんな1年だったかな。
毎年、1年が終わると振り返り、年が明けると抱負を言ったりするけれど、2024年になったとき私が語った抱負は…なんだったか？ 思い出そうとしても記憶にないのだけれど、そんなものか。これじゃ、目標達成できたかどうかわからないな。
今年が終わりそうな今、振り返ってみて思うのは、案外前向きな心持ちで日々を過ごせたな、と。年齢のせいなのか、そういう星廻りだったのか。理由はきっといろいろあるのだと思うのだけれど、受け入れてもらえたり、許したり、許されたり…それを丁寧に繰り返せたことが、個人的に嬉しかったのだと思う。
そのおかげもあり、不安定な感情に振り回されたり、深く息を吸えないようなあの感覚が少なくなったこと。なかなか抜け出せないか…と思っていたけれど、今年は気持ちがいいくらいの心の快晴が多かったと振り返って思う。
"いろいろ"というなかにあるのは、様々な環境での出会いによって、心の隙間に良いものを詰めている人から納得できる話を聞けたこと。私のなかに未だにある、『大人になるってどういうこと？』という疑問を『こんな大人になりたい』と素直に思えてしまうような、生き様…というと、そこまで知らないくせに大袈裟な表現になってしまうから、言い換えると、その"姿"で答えをくれたような感覚だった。例えば質問ひとつでも、いろんな角度から教えをくれる、伝えようとしてくれるような、そんな人。心の隙間に嫌なものばかり詰めていたら、こんな気持ちいい風が話すたびに吹くような人にはならないだろう…と思ったのだった。
そんな人たちを見て、私は毎日いい人でいることを目指すよりも、向き合う物事に対しての誠実さや、真摯であること、愛情や、優しさを忘れないで過ごすべきだなぁと気付かされた。
さて、いよいよ今年が終わる。たくさんの学びをありがとう。2024！
と、言っている私は年末にしっかり風邪をひき、お仕事のための大事な時間を、家でひとり寝込むことになってしまったり、とても参加したかった忘年会に行けなかったり（泣）。こんなことは今年だけにしたい。
来年は体も強くするぞー！！！
山口乃々華
山口乃々華（やまぐちののか）
3月8日生まれ、埼玉県出身。2020年末まで E-girlsとしての活動を経て、2021年から女優として本格的に活動を開始。 映画『イタズラなKiss THE MOVIE』シリーズ、ドラマ・映画『HiGH ＆ LOW』シリーズやHulu版『崖っぷちホテル！』などに出演、『私がモテてどうすんだ』ではヒロイン役を務めた。近年ではミュージカルにも活動の幅を広げ、2022年には『SERI〜ひとつのいのち』でミュージカル初主演を務め、2023年は「SPY×FAMILY」ではフィオナ・フロスト役、a new musical『ヴァグラント』ではヒロイン（W）役を好演し、舞台『「呪術廻戦」-京都姉妹校交流会・起首雷同-』では、釘崎野薔薇役を務めた。2024年はミュージカル『ラフへスト～残されたもの』やリーディング・ミュージカル『アンドレ・デジール 最後の作品』などに出演。2025年も2月に音楽劇『愛と正義』、4月に音楽劇『NINETEEEEN GRRRLZ’ 99』に出演、そして9月からはミュージカル『SPY×FAMILY』再演など、舞台での活躍が期待される。
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